国立近代美術館(1952年開館、現・東京国立近代美術館)のフィルム・ライブラリー部門が、1970年5月27日にフィルムセンターとして開館してから今年で40年目を迎えます。この間に、フィルムセンターが収集した映画フィルムは約6万本に上り、その対象も、長篇劇映画から文化・記録映画、ニュース映画、教育映画、PR映画、さらには企業外映画まで、自国映画を中心に様々な領域をカバーすべく拡大を続けてきました。
開館40周年記念事業の第2弾となるこの企画では、アメリカやロシアから里帰りした日本映画や、小宮登美次郎氏の無声外国映画コレクションをはじめとするコレクターの旧蔵フィルム、国内外で発掘・復元された幻の日本映画、海外アーカイブとの協力により入手した良質な外国映画のプリントなど計96本(49プログラム)を紹介して、我が国唯一の国立映画保存機関の歩みを振り返ります。
------------------------------------【弁士紹介】-------------------------------------
澤登翠(さわと・みどり)
故松田春翠門下。「伝統話芸・活弁」の継承者として“活弁”を現代のエンターテインメントへと甦らせ、「無声映画鑑賞会」や全国各地の映画祭、NHK BS2等への出演に加え、フランス、イタリア、ドイツ、アメリカ他海外でも多数公演を行っている。これまでに手がけた無声映画は500本を越える。失われた映画を現存する写真画像と音楽、語りで再構築する「ロスト・フィルム・プロジェクト」にも参画。日本映画ペンクラブ賞、文化庁芸術祭優秀賞他を受賞。
----------------------------【伴奏者紹介】(50音順)----------------------------
鈴木真紀子(すずき・まきこ)/フルート
桐朋学園大学音楽学部卒。フルートを峰岸壮一氏に師事。1994年オーストリアとスイスで国際フルートセミナーに参加、ファイナルコンサートに出演。現在、楽団「カラード・モノトーン」や芹洋子のアコースティックバンドのメンバーとして活動。順天堂大学交響楽団の木管トレーナー、東洋英和女学院フルート講師。
新垣隆(にいがき・たかし)/作曲・編曲、ピアノ
桐朋学園大学音楽学部作曲科卒。作曲を南聡、中川俊郎、三善晃の各氏に師事。楽団「カラード・モノトーン」のメンバーとして澤登翠とともに日本各地をまわる。自身の音楽作品としてはアンサンブル・ジェネシスのための「セレナード」(BS ハイビジョン にて放映)などがある。桐朋学園大学非常勤講師。
柳下美恵(やなした・みえ)/作曲、ピアノ
無声映画伴奏者。武蔵野音楽大学器楽科(ピアノ専攻)卒業。1995年、朝日新聞社主催の映画生誕100年記念上映会でデビュー以来、国内外の映画祭などで公演。紀伊國屋書店クリティカル・エディション・シリーズ『裁かるるジャンヌ』『魔女』の音楽を担当。2006年度日本映画ペンクラブ奨励賞受賞。NPO法人 映画保存協会正会員。「ロスト・フィルム・プロジェクト」「フィルム救済プロジェクト」「活動倶楽部」に参加。
湯浅ジョウイチ(ゆあさ・じょういち)/作曲・編曲、ギター
1987年東京国際映画祭でD・W・グリフィスの『国民の創生』の音楽制作・演奏を行って以来、無声映画用の楽団版音楽の復刻と制作に尽力している。楽団「カラード・モノトーン」を結成し、澤登翠をはじめとする弁士とともに全国で公演。又、「ロックギタリストのためのJ・S・バッハ曲集」を出版している。ESPミュージカルアカデミー講師。