世界の映画史をひもとけば、どの国の映画も、そこで生まれた優れた文学作品を糧として発展してきたことが分かります。映画大国日本も例外ではなく、その百年以上にわたる歴史を通じて、さまざまな文学者たちの残したテクストが脚本家や監督たちを絶えず刺激してきました。
フィルムセンターでは、一昨年より展覧会と上映会からなるシリーズ企画「映画の中の日本文学」を開催してまいりましたが、その3回目で最終回となるこのPart3では、戦後期に活躍した作家たちの原作による映画作品に焦点を当てて、個々の文学作品が各時代の文化状況の中でいかに一本の映画に“翻訳”されたかを、45本(43プログラム)の名作を通じてたどります。フィルムセンター展示室にて開催の展覧会「映画資料でみる 映画の中の日本文学Part 3」(4月6日~6月20日)とあわせてお楽しみ下さい。