■1980年10月27日、旧ユーゴスラビアのベオグラードで行なわれた第21回ユネスコ総会において、「動的映像の保護及び保存に関する勧告」が採択されました。
■この勧告は、映画をはじめとするあらゆる映像が人類の貴重な文化遺産であり、その保存は、あらゆる困難にもかかわらず、各国が緊急かつ恒常的に取り組むべき大きな課題であることを明文化した、画期的な国際アピール/公文書であり、国によってはこの勧告をもとに映画保存のための公的施策が立案され、フィルム・アーカイブの設立や拡充を後押しし、さらには、四半世紀が過ぎた今もなお、勧告の文言そのものが、映像保存に関わる人々を励まし、フィルム・アーキビストらの精神的な支えとしての役割を果たしています。
■国際フィルム・アーカイブ連盟(FIAF、フィアフ)とその全加盟機関は、同勧告の採択日(10月27日)を祝い、この機会に映像保存の重要性が世界中で改めて認識され、映像保存運動がさらに国際的な広がりを持つべきことを訴えています。また2006年には、この勧告の採択日が、「世界視聴覚遺産の日」(ワールド・デー・フォア・オーディオビジュアル・ヘリテージ)として正式に定められました。
■東京国立近代美術館フィルムセンターは、FIAF会員機関として、また、わが国の映画遺産を守るべき責任を担う公的なフィルム・アーカイブとして、映画を愛するファン、映画の研究者・ジャーナリストの方々はもちろんのこと、広く国民のみなさまに、この勧告と記念日を知っていただき、映画・映像保存の大切さを再認識していただきますよう願っております。
■そのためにもこの機会にぜひ、勧告のご一読をお勧めいたします。勧告の原文(英語公文)はユネスコの、その日本語訳文(仮訳)は文部科学省のウェブサイト内で、それぞれ閲覧することができます。また、4階図書室では、それらのダウンロード印刷版を閲覧することができます。
※勧告の閲覧はこちら→[原文(英語)]・[日本語訳文]