過去の上映
- 2017.10.17 - 10.22
- 上映企画
シネマの冒険 闇と音楽 2017
Silent Film Renaissance 2017
『入場整理券』導入のお知らせ: 開館と同時に、当日上映される全ての回の入場整理券を発券します。
主催:東京国立近代美術館フィルムセンター
会期:2017年10月17日(火)-10月22日(日)
9-10月の休館日:月曜日、9月11日(月)-15日(金)
◆各日1回目の上映に限り、当日の開館(午前11時)と同時に一階受付にて入場整理券を発行します。→開館と同時に、当日上映される全ての回の入場整理券を1階ロビーにて発券します。
会場:大ホール
各回の開映後の入場はできません。
定員=299名(各回入替制)
料金:一般520円/高校・大学生・シニア310円/小・中学生100円/障害者(付添者は原則1名まで)、キャンパスメンバーズは無料
★弁士・伴奏付き上映の回
一般1,050円/高校・大学生・シニア840円/小・中学生600円/障害者(付添者は原則1名まで)は無料/キャンパスメンバーズ料金あり(教職員500円、学生400円)
発券=2階受付
・観覧券は当日・当該回のみ有効です。
・発券・開場は開映の30分前から行い、定員に達し次第締切ります。
・学生、シニア(65歳以上)、障害者、キャンパスメンバーズの方は、証明できるものをご提示ください。
・発券は各回1名につき1枚のみです。
概要
PDF版でもご覧いただけます ↓
無声映画の素晴らしさを音楽や弁士の語りとともに体験することができる特別企画「シネマの冒険 闇と音楽」を今年も開催します。今回は、フィルムセンターが所蔵する日本映画の中から、上映機会の少ない秀作8本(6プログラム)を上映します。
■(監)=監督 (原)=原作 (脚)=脚本・脚色 (撮)=撮影 (美)=美術 (出)=出演
■スタッフ、キャストの人名は原則として公開当時の表記を記載しています。
■特集には不完全なプリントが含まれていることがあります。
■記載した上映分数は、当日のものと多少異なることがあります。
上映作品詳細
1ふるさとの歌 〝水車小屋の子〟改題 他(計74分)
- 2017年10月17日7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2017年10月21日12:00 PM@長瀬記念ホール OZU
溝口健二の現存する初期作品3本のプログラム。『慈悲心鳥』は、オリジナルは13巻3,499mの大作だが、現存するのは42mの断片のみ。『東京行進曲』は、大都会東京を舞台に、貧家の娘、大富豪の子息、その親友の間で繰り広げられる恋愛劇。短縮版のみが現存しており、日活グラフ版(16mm)から復元した35mmプリントでの上映。『ふるさとの歌』は、文部省が日活に製作を委託した教育映画で、溝口の現存最古の作品。都会から戻った友人たちの享楽的で軽薄な生き方を目にした主人公が、都会への憧憬を捨て郷土愛を胸に刻むさまが描かれる。寄贈された可燃性プリントを参照して2015年に作製した、染色/調色版を初めて上映する。
※『慈悲心鳥』の上映には弁士・伴奏は付きません。
慈悲心鳥(2分・18fps・35mm・無声・白黒・断片)
東京行進曲 [日活グラフ版](22分・18fps・35mm・無声・白黒)
ふるさとの歌〝水車小屋の子〟改題[英語字幕付](50分・20fps・35mm・無声・染色/調色)
2十字路 [英語インタータイトル版](87分・18fps・35mm・無声・白黒)
- 2017年10月17日3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2017年10月22日4:30 PM@長瀬記念ホール OZU
衣笠貞之助が『狂った一頁』(1926)に続いて「純粋映画」を追求した野心的な時代劇。喧嘩がもとで盲目になった弟とその姉がたどる運命が、強烈な陰影と斬新なキャメラワークによって描かれる。1955年にロンドンのナショナル・フィルムアーカイブで発見された英語インタータイトル版での上映(日本語字幕の投影あり)。
4殉教血史 日本二十六聖人(96分・20fps・35mm・無声・白黒)
- 2017年10月19日3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2017年10月21日4:30 PM@長瀬記念ホール OZU
朝鮮京城府のカトリック信徒・平山政十が巨額の資産を投じ、1597年に長崎で起きたいわゆる「二十六聖人の殉教」を映画化した国際大作。国内のみならずローマでもロケ撮影が行われた。作品の規模と新奇さが公開当時大きな反響を呼んだ反面、プロパガンダ的側面も強い異色作。オリジナルは19巻。
3明日天氣になぁれ [英語字幕付](61分・18fps・35mm・無声・白黒)
- 2017年10月18日3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2017年10月20日7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
東京市教育局主催児童映画脚本懸賞の一等当選作品の映画化。令嬢の愛犬の生んだ二匹の子犬が、家庭環境の異なる二人の少年に拾われる。貧富の差という社会性をほのめかしつつも、子どもたちの無邪気な競争と交流を温かな視線で描いた一作。
5榮冠涙あり(110分・18fps・35mm・無声・白黒)
- 2017年10月18日7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2017年10月22日12:00 PM@長瀬記念ホール OZU
鈴木傳明らが松竹蒲田を脱退して設立した不二映画の第一作で、大学の漕艇部の選手たちの恋と友情を描いた青春劇。当初批評家の期待は低かったが、シンプルで純粋な人物描写が好感を呼ぶとともに、三浦光雄によるロケーションを多用した競技場面の自然描写の美しさが賞賛された。漕法指導は明治大学短漕部。
6熊の出る開墾地(104分・20fps・35mm・無声・白黒)
- 2017年10月19日7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2017年10月20日3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
鈴木傳明の不二映画での二作目。日露戦争直後の疲弊する北海道の農村を舞台に、美しい母(英)に横恋慕した地主(山本)に父(鈴木)を殺された息子(鈴木の二役)の復讐劇を軸として、開拓者の精神を描く。林田重雄のキャメラによる雄大な自然美、鈴木傳明の俳優としての円熟もあいまって、公開当時「近頃での見るべき日本映画の一つ」と評価された。
★印の回は弁士・伴奏付で上映します。
2017年10月17日
2017年10月18日
2017年10月19日
2017年10月20日
2017年10月21日
2017年10月22日
弁士付上映出演者[出演順]*情報追加しました。
片岡一郎(かたおか・いちろう)/台本、語り
2002年澤登翠に入門。これまで説明した無声映画は洋・邦・中・アニメ・記録映画と約350作品。『Our Pet』 『私のパパさんママが好き』といったロストフィルムを発掘。行定勲監督『春の雪』や奥田民生のパンフレットDVDにも弁士として参加している。
上屋安由美(かみや・あゆみ)/作曲、ピアノ
名古屋市出身。桐朋学園大学作曲科卒業、同大学研究科修了。「いちむじん」など同年代アーティストのCD編曲を担当。2012年より無声映画の楽士として活動開始、ポルデノーネ無声映画祭、東京国際映画祭、タイ無声映画祭等に出演。
なげのあやか(なげの・あやか)/歌
東京音楽大学器楽専攻卒業後、声楽を國井道子氏に師事。第27回全国童謡歌唱コンクール関東甲信越ブロック決勝大会最優秀賞受賞並びにグランプリ大会大人部門銀賞受賞。テレビ朝日主催イベント出演をはじめ、各種イベント・コンサートに出演。
澤登 翠(さわと・みどり)/台本、語り
1972年故松田春翠に入門。第一線で活躍する弁士として国内外の公演を通して幅広い世代に活弁の魅力を伝えている。活弁の継承者としての活動が評価され文化庁映画賞他数々の賞を受賞している。また、本年3月には松尾芸能賞特別賞を受賞した。
湯浅ジョウイチ(ゆあさ・じょういち)/作曲・編曲、ギター
1987年、東京国際映画祭でD・W・グリフィスの『国民の創生』の楽師を務めて以来、無声映画用音楽の復元や作・編曲等を行い、後に和洋楽団「カラード・モノトーン」を結成。近年はヨーロッパツアーも行う等、精力的に活動している。
鈴木真紀子(すずき・まきこ)/フルート
桐朋学園大学音楽学部卒。フルートを峰岸壮一氏に師事。和洋楽団カラード・モノトーン主要メンバー、歌手 芹洋子のアコースティックバンドメンバーとして活動。また、順天堂大学交響楽団、東洋英和女学院でフルート指導にあたる。
ピアノ伴奏付上映出演者[出演順]
天池穂高(あまいけ・ほだか)/作曲、ピアノ
東京藝術大学音楽学部作曲科卒業、同大学院修了。2003年、フィルムセンター「小津安二郎の藝術」にて、初めてサイレント映画の伴奏を担当。作編曲活動に加えて、バレエのレッスンピアニストとしても活動している。
小林弘人(こばやし・ひろと)/作曲、ピアノ
東京藝術大学音楽学部作曲科卒、同大学院修了。2004年東京国際映画祭に出演。東京国立近代美術館フィルムセンターのほか、神保町シアターに定期的に出演している。東京藝術大学、東京音楽大学、洗足学園音楽大学講師。
柳下美恵(やなした・みえ)/即興・ピアノ
武蔵野音楽大学ピアノ専攻卒業。映画生誕100年記念上映会でデビュー以来、国内・海外で活躍。欧米スタイル(音楽伴奏)の無声映画伴奏者は日本初。洋画・邦画を問わず全ジャンルの伴奏をこなす。2006年度日本映画ペンクラブ奨励賞受賞。