過去の上映
- 2016.10.25 - 11.6
- 上映企画
UCLA映画テレビアーカイブ 復元映画コレクション
Film Treasures from UCLA Film & Television Archive
※現在、隣接の建物において地下解体・新築工事が行われています。これに伴い、当館内でも工事の大きな音や振動の影響を受けることがございます。当館として工事会社との調整を継続しており、工事スケジュールや工事内容の詳細が分かり次第、皆様にまたお知らせさせていただく予定です。上映中に工事の音や振動 が発生することをご理解くださいますようお願い申し上げます。
- 会場:
- 大ホール
各回の開映後の入場はできません。
- 会期:
- 2016年10月25日(火)-11月6日(日)
- 主催:
- 東京国立近代美術館フィルムセンター、東京国際映画祭、モーション・ピクチャー・アソシエーション(MPA)、株式会社日本国際映画著作権協会
- 特別協力:
- UCLA映画テレビアーカイブ
- 助成:
- アメリカ合衆国大使館
- 休館日:
- 月曜日、11月1日(火)
- 定員:
- 310名(各回入替制)
- 料金:
- (共催企画の特別料金)一般1,300円/高校・大学生・シニア1,100円/小・中学生、障害者(付添者は原則1名まで)520円、キャンパスメンバーズ900円(学生)、1,000円(教職員)*「Student U30」 各回先着20名まで、30歳以下の学生の方は、学生証提示により無料となります
- 発券:
- 2階受付
・観覧券は当日・当該回のみ有効です。
・発券・開場は開映の30分前から行い、定員に達し次第締切ります。
・学生、シニア(65歳以上)、障害者、キャンパスメンバーズの方は、証明できるものをご提示ください。
・発券は各回1名につき1枚のみです。
概要
PDF版でもご覧いただけます ↓
大学のメディア・アーカイブにおいて世界最大規模を誇るUCLA映画テレビアーカイブ。1965年のテレビ・ライブラリーに端を発する50年余りの歴史ながら、1970年代にパラマウントをはじめとするハリウッド・メジャー会社からのフィルム寄贈を受け、初期テクニカラーの『虚栄の市』(1935、ルーベン・マムーリアン)や『狩人の夜』(1955、チャールズ・ロートン)など400本以上の映画を復元するなど、今では議会図書館に次いでアメリカの映画遺産を守る巨大なアーカイブとなっています。
このUCLA映画テレビアーカイブが1988年から毎年開催しているUCLA復元映画祭(UCLA Festival of Preservation)を初めて本格的に日本に紹介する本企画では、無声映画から1980年代までの代表的な復元作品の12本を上映します。2色減色方式テクニカラーの妖艶さ、ジョン・フォードやバッド・ベティカーの西部劇、レッド・パージ時代の独立プロが放ったフィルム・ノワールの力強さ、アメリカン・ニューシネマの先駆となる60年代の実験性、80年代にアメリカ史の中で個人を照射したロバート・アルトマンやジョン・セイルズの作品など、アメリカ映画の多様さと歴史の厚みをお楽しみいただけます。UCLA映画テレビアーカイブの35mm復元フィルムを大スクリーンで鑑賞できる貴重な機会に、皆様のご来場をお待ち申し上げます。
■(監)=監督 (原)=原作 (脚)=脚本・脚色 (撮)=撮影 (美)=美術 (音)=音楽(出)=出演
■特集には不完全なプリントが含まれていることがあります。
■上映作品にはすべて日本語字幕が付いています。
■記載した上映分数は、当日のものと多少異なることがあります。
上映作品詳細
1恋の睡蓮(54分・19fps・35mm・無声・カラー)
THE TOLL OF THE SEA
- 2016年10月27日7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2016年11月5日11:30 AM@長瀬記念ホール OZU
2色減色方式のテクニカラーを採用した最初の劇場公開作。「蝶々夫人」の舞台を中国に移し、当時17歳のアンナ・メイ・ウォン(黄柳霜)が初主演。男に裏切られるも子供のために健気に愛を貫く中国人女性を好演した。プリントは長く失われていたが、1985年にUCLA所蔵オリジナルネガから復元された。最終シーンに欠落があったため、復元時に2色減色方式テクニカラー専用キャメラによって太平洋のショットが追加撮影され、挿入されている。
2虚栄の市(85分・35mm・カラー)
BECKY SHARP
- 2016年10月25日3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2016年11月5日1:30 PM@長瀬記念ホール OZU
3色式テクニカラーを用いた最初の長篇作品で、彩度が高く豊かなコントラストを持った「総天然色映画」時代の幕開けを高らかに告げた。原作は、サッカレーの名高い小説「虚栄の市」を戯曲化した「ベッキー・シャープ」。19世紀初め、ナポレオン戦争期の英国階級社会を舞台に、ハリウッドの名花ミリアム・ホプキンスが、野心に燃えて上昇と転落を繰り返す女性を熱演する。撮影のレイ・レナハンは後に『風と共に去りぬ』(1939、ヴィクター・フレミ ング)でアカデミー撮影賞を受賞するなど、カラー撮影のパイオニアとして知られる。
3荒野の決闘[非公開試写版](102分・35mm・白黒)
MY DARLING CLEMENTINE
- 2016年10月25日7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2016年11月3日1:00 PM@長瀬記念ホール OZU
OK牧場での決闘を描いた西部劇の名作の、公開版とは異なるバージョン。現在一般に知られる公開版は、フォードが当初編集したものを基に、製作者のダリル・ザナックがロイド・ベーコンに一部撮り直しを命じるなどして編集し直したもの。1990年代、UCLAの映画の授業時に、学生の指摘をきっかけに本バージョンが発見され、復元された。フォードが当初意図したものにより近いバージョンとされる。『フロンティア・マーシャル』(1939、アラン・ドワン)のリメイク。
4悪の力(78分・35mm ・白黒)
FORCE OF EVIL
- 2016年10月30日12:30 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2016年11月4日7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
戦後米国における欲望と搾取のシステムを、ナンバー賭博の合法化を進める弁護士ジョー(ガーフィールド)と、その流れに押しつぶされていく兄のレオ(ゴメス)との愛憎を通して描くフィルム・ノワール。後に「赤狩り」で迫害される左翼映画人ポロンスキーの代表作で、聖書の引用を多く含む、寓意や修辞に満ちた会話に加え、名手G・バーンズによる研ぎ澄まされた白黒の画面が、欲望に突き動かされた人々を鋭く陰鬱に照らし出す。エンタープライズ・プロは、ジョン・ガーフィールドの企画製作を推進するために設立された独立プロ。日本劇場未公開。
5魅せられて(88分・35mm・白黒)
CAUGHT
- 2016年10月30日4:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2016年11月2日3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
オフュルス演出を堪能できるフィルム・ノワール的メロドラマ。玉の輿を夢見ていた貧しいモデル(ベル・ゲデス)が、大富豪(ライアン)との抑圧的な結婚生活から逃れて下町の医師(メイソン)の下で自立をめざすが…。ハワード・ヒューズがモデルと言われる暴君役のライアン、米国映画初出演のメイソン、二人の間で狂気に陥りながら愛を掴んでいくベル・ゲデスの競演が、緊張感を一層高めていく。エンタープライズ・プロ最後の作品で、『悪の力』と同様助監督はロバート・オルドリッチ。日本劇場未公開。
6遅すぎた涙(99分・35mm・白黒)
TOO LATE FOR TEARS
- 2016年10月26日7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2016年10月29日12:30 PM@長瀬記念ホール OZU
「影なき男」(MGM)シリーズのプロデューサー、ハント・ストロンバーグが起こした独立プロの最後の作品。中産階級の一主婦(スコット)が、突然転がり込んだ大金を自分のものとするために冷酷な悪女へと変わっていく様を、戦後アメリカの消費社会を背景に描く。特撮監督B・ハスキンの忘れられていた秀作で、UCLAの復元上映により、40年代のフィルム・ノワールを代表する一本として再評価された。日本劇場未公開。
7群狼の街(85分 → 92分・35mm・白黒)
TRY AND GET ME! (THE SOUND OF FURY)
- 2016年10月27日3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2016年10月29日4:30 PM@長瀬記念ホール OZU
原作は1933年に米国で実際に起きた、殺人犯に対するリンチ事件を題材にした小説で、同じ事件を映画化した先駆として、フリッツ・ラングの『激怒』(1936)がある。本作は、貧窮にあえぐ無職の主人公が道を踏み外す犯罪映画として始まるが、やがて描写の中心は、地方新聞による殺人事件の扇情的な報道とそれに踊らされる大衆への批判に移る。監督のサイ・エンドフィールドもまた、この後「赤狩り」で迫害され、1953年以降は英国に移って創作を続けた。日本劇場未公開。
8七人の無頼漢 (78分・35mm・カラー)
SEVEN MEN FROM NOW
- 2016年10月26日3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2016年11月3日4:00 PM@長瀬記念ホール OZU
バッド・ベティカー監督、ランドルフ・スコット主演による1950年代後半の一連の西部劇の、始まりにして代表作。妻を殺された男が復讐を遂げるという紋切り型の物語ながら、人物と自然、会話とアクションが凝縮された簡明さでとらえられ、「もっとも単純にしてもっとも美しい西部劇」(アンドレ・バザン)となった。アルカイックな風貌のスコットと鋭く野性的なリー・マーヴィンが見事な対比を見せる。製作のバジャック・プロはジョン・ウェインが設立したプロダクション。
9ザ・コネクション(103分・35mm・白黒)
THE CONNECTION
- 2016年11月4日3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2016年11月6日4:30 PM@長瀬記念ホール OZU
アメリカの実験映画をリードしていた「ニュー・アメリカン・シネマグループ」のシャーリー・クラークが、リヴィング・シアターの舞台を映画化。古典的なドキュメンタリー映画への批判とともに、ジャズ、麻薬、アート、社会問題など60年代初期のニューヨークカルチャーを満載したメタ映画。ニューヨークの麻薬中毒者リーチ(フィナーティ)のアパートで、ジャズマンらが薬の売人(リー)を待っている様子を、新進映画監督のダン(レッドフィールド)が撮影していく。日本劇場未公開。
10ミッキー・ワン(93分・35mm・白黒)
MICKEY ONE
- 2016年11月2日7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2016年11月6日2:00 PM@長瀬記念ホール OZU
A・ペンが『奇跡の人』(1962)の成功後に、脚本から俳優、製作、編集まで完全な自由を確保し、古典的な話法を否定して撮った実験作。シカゴの街を舞台に、W・ベイティ演じる主人公の不安や妄想が、G・クロケの硬質なキャメラで描かれる。黒澤組の藤原釜足がシュールな芸術家役で出演。デトロイトの人気者のスタンダップ・コメディアン(ベイティ)が、ボスや周囲の人々に脅威を感じてシカゴへ逃亡。新生活で出会ったジェニー(ステュワート)と恋に落ち、再びナイトクラブに立つが…。日本劇場未公開。
11わが心のジミー・ディーン(109分・35mm・カラー)
COME BACK TO THE 5 & DIME, JIMMY DEAN, JIMMY DEAN
- 2016年10月28日7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2016年11月6日11:00 AM@長瀬記念ホール OZU
アルトマンがブロードウェイで演出した舞台劇を、スーパー16mmカメラを用いて同じキャストで映画化。『ジャイアンツ』(1955)の撮影時にテキサスでJ・ディーンのファンクラブを結成した面々が、溜り場だった雑貨店に20年ぶりに集まった。リーダーのモナ(デニス)、ステラ(ベイツ)、シシー(シェール)、エドナ(ヘフリン)の4名に、見慣れぬ女性(ブラック)も登場し、それぞれの人生が暴かれていく。店の鏡を用いて過去と現在を往還しながら、人間の内面をひりひりと焙り出すアルトマン演出の妙味。日本劇場未公開。
12メイトワン1920(132分・35mm・カラー)
MATEWAN
- 2016年10月28日3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2016年11月5日4:00 PM@長瀬記念ホール OZU
1920年に米国ウェスト・バージニア州メイトワンで起きた全米鉱山労働組合によるデモと、それに対する鉱山会社側の弾圧と虐殺を基に、インディペンデント映画作家ジョン・セイルズが自ら脚本を書いて渾身の映画化。組合活動を推進するジョー(クーパー)の働きによって、組合は黒人とイタリア人労働者も迎え入れ、賃下げに対する組織的なデモを展開するが、彼らの前には、会社が雇った私立探偵たちが武装して立ちはだかり…。クリス・クーパーは本作で映画初主演。
講演会「デジタル時代の映画保存」
- 2016年10月29日2:20 PM@長瀬記念ホール OZU
講演者:ジャン=クリストファー・ホラック/Jan-Christopher Horak
UCLA映画テレビアーカイブディレクター。ジョージ・イーストマン・ハウス(現ミュージアム)、ミュンヘン映画博物館ディレクター、ユニバーサルスタジオのアーカイブを経て、2007年から現職。ロチェスター大学やザルツブルク大学、ミュンヘンテレビ・映画大学などで教鞭もとる。著書も多数あり、近著に「ソール・バス:映画デザインの解剖」(2014、ケンタッキー大学出版)など。
*逐次通訳つき
*入場無料
*当日1回目の上映をご覧になった方は、そのまま講演会に参加することができます。講演会のみの参加もできます。
トークイベント「アメリカ映画史の中の独立系映画人たち――今回のラインナップを巡って」
- 2016年10月30日2:00 PM@長瀬記念ホール OZU
登壇者:遠山純生(映画評論家)
聞き手:田中文人(東京国際映画祭)
*入場無料
*当日1回目の上映をご覧になった方は、そのままトークイベントに参加することができます。トークイベントのみの参加もできます。
2016年10月25日
2016年10月26日
2016年10月27日
2016年10月28日
2016年10月29日
2016年10月30日
2016年11月2日
2016年11月3日
2016年11月4日
2016年11月5日
2016年11月6日
講演会「デジタル時代の映画保存」
日時:2016年10月29日 2:20pm~3:20pm @ 大ホール
講演者:ジャン=クリストファー・ホラック/Jan-Christopher Horak
UCLA映画テレビアーカイブディレクター。ジョージ・イーストマン・ハウス(現ミュージアム)、ミュンヘン映画博物館ディレクター、ユニバーサルスタジオのアーカイブを経て、2007年から現職。ロチェスター大学やザルツブルク大学、ミュンヘンテレビ・映画大学などで教鞭もとる。著書も多数あり、近著に「ソール・バス:映画デザインの解剖」(2014、ケンタッキー大学出版)など。
*逐次通訳つき
*入場無料
*当日1回目の上映をご覧になった方は、そのまま講演会に参加することができます。講演会のみの参加もできます。
トークイベント「アメリカ映画史の中の独立系映画人たち――今回のラインナップを巡って」
日時:2016年10月30日 2:00pm~3:00pm @ 大ホール
登壇者:遠山純生(映画評論家)
聞き手:田中文人(東京国際映画祭)
*入場無料
*当日1回目の上映をご覧になった方は、そのままトークイベントに参加することができます。トークイベントのみの参加もできます。