過去の上映
- 2024.5.25 - 7.28
- 上映企画
日本映画と音楽1950年代から1960年代の作曲家たち
Japanese Cinema and Music: Composers in the 1950s and 1960s
会 期 2024年5月25日(土)-7月28日(日)※会期中の休館日:月曜日
会 場 長瀬記念ホール OZU(2階)
定 員 310名(各回入替制・全席指定席)
概要
日本において映画産業が隆盛を極めた1950年代から1960年代にかけて、映画界はさまざまな芸術分野のエキスパートに協力を仰ぎました。その最たるものの一つが音楽です。当時活躍した作曲家たちの多くが映画界と手を結び、その繁栄を力強く支えました。作曲家たちにとっても、映画のために音楽を書き下ろす仕事は自らの創作意欲を実践に移すための貴重な機会でもありました。彼らによって映画のために書かれた諸作品は、演奏会用の作品とはまた一味違った魅力に溢れています。
本年(2024年)は、團伊玖磨、眞鍋理一郎、斎藤高順といった日本映画に深く関わった作曲家たちが相次いで生誕100年を迎える年でもあります。この記念すべき年に、戦後にデビューした作曲家グループ「3人の会」(團・芥川也寸志・黛敏郎)をはじめ、1950年代から1960年代にかけて輝かしい足跡を残した作曲家たちが音楽を担当した61作品(52プログラム)を上映し、彼らが映画界に果たした貢献と功績について顕彰します。
また、現在開催中の展覧会とも連動し、当館初の試みとなる上映ホールを会場とした演奏会を催すことで、数多の作曲家たちがフィルムに刻み付けた音の軌跡を多面的に体感いただきます。日本映画の黄金時代を視覚面・音響面の両方から深く味わうことのできる、またとない機会をお楽しみください。
■(監)=監督・演出 (原)=原作・原案 (脚)=脚本・脚色 (撮)=撮影 (美)=美術 (音)=音楽 (出)=出演 (声)=声の出演 (解)=解説・ナレーション
■スタッフ、キャスト欄の人名は原則として公開当時の表記を記載しています。
■記載した上映分数は、当日のものと多少異なることがあります。
■不完全なプリントや状態の悪いプリントが含まれていることがあります。
■NEWとある作品はニュープリントでの上映です。
上映作品詳細
映画音楽を開拓した作曲家たち
早坂文雄(1914-1955)
1醉いどれ天使(99分・35mm・白黒)
- 2024年6月1日(土) 4:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2024年6月25日(火) 7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2024年7月5日(金) 1:00 PM@長瀬記念ホール OZU
戦後の闇市を舞台に、結核に冒されたやくざ(三船)と彼の治療を試みる飲んだくれの貧乏医者(志村)の交流を描く。早坂文雄が画面の内容と対照的な音楽をつける対位法的手法を採用し、映像と音楽の新たな相乗効果を模索した黒澤明との初コンビ作。服部良一作曲の「ジャングル・ブギー」が劇中歌として挿入されている。
古関裕而(1909-1989)
2小原庄助さん(91分・35mm・白黒)
- 2024年6月5日(水) 7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2024年6月9日(日) 1:00 PM@長瀬記念ホール OZU
小原庄助こと杉本左平太(大河内)は人からの頼みを断れず家屋敷まで手放すことになるが…。清水宏が三島の牧歌的風景のうち民謡「会津磐梯山」の世界観を映画化。「君の名は」など胸を打つ主題歌でラジオドラマ全盛期を築いた古関裕而が、故郷・福島の文化を広めるために作曲した「小原庄助さん」などが主題歌として用いられている。
木下忠司(1916-2018)
3カルメン故郷に帰る(86分・35mm・カラー)
- 2024年5月29日(水) 3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2024年5月31日(金) 1:00 PM@長瀬記念ホール OZU
ストリッパーのカルメン(高峰)が里帰りし、田舎町に波乱が起きる。木下忠司の抒情的な音楽と黛敏郎のモダンな音楽が拮抗し、田舎と都市、伝統と新しさの対立を聴覚的に表象する。木下は松竹歌謡映画の伝統から離れ、ドラマに寄り添う劇中歌を作詞、作曲することで、歌をドラマツルギーの一つの手段に押し上げた。
斎藤一郎(1909-1979)
4驟雨(90分・35mm・白黒)
- 2024年5月28日(火) 7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2024年6月2日(日) 4:20 PM@長瀬記念ホール OZU
世田谷の新興住宅地を舞台に、結婚4年目の夫婦(原、佐野)に訪れた倦怠期をユーモラスに捉えた家庭劇。映画そのものを光と音からなる音楽と考え、映画の音楽性に奉仕する映画音楽を追求した斎藤一郎が、全篇にわたるピアノ独奏により夫婦の小競合いをはじめ、日常生活における平凡でささやかな出来事に軽妙な味わいを加えている。
伊福部昭(1914-2006)
5コタンの口笛(126分・35mm・カラー)
- 2024年5月28日(火) 3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2024年6月2日(日) 1:00 PM@長瀬記念ホール OZU
差別に傷つきながらも健気に生きようとするアイヌ民族の姉弟(幸田、久保)の物語が、北海道の雄大な自然を思い起させる土俗的な旋律とともに綴られる。幼い頃からアイヌの歌や踊りに触れた伊福部昭は「民族の特異性を経て普遍的な人間性に至る」という理念のもと「伊福部節」と呼ばれる骨太で野性的な作風を確立した。
日本映画黄金期に躍進した作曲家たち
芥川也寸志(1925-1989)
6夜の終り(94分・35mm・白黒)
- 2024年6月1日(土) 7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2024年6月6日(木) 3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2024年6月12日(水) 7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
出来心から思いがけず罪を犯した青年(池部)が繰り広げる逃亡劇。ガード下の騒音に混じって音楽が聞こえてくる冒頭など、現実音と伴奏音楽の境界がしばしば曖昧になるような音響設計が特徴的。本作と『煙突の見える場所』(1953、五所平之助)、『雲ながるる果てに』(1953、家城巳代治)の音楽が評価され、芥川也寸志は1953年度ブルーリボン賞音楽賞に輝いた。
7自分の穴の中で(125分・35mm・白黒)
- 2024年6月4日(火) 3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2024年6月8日(土) 6:50 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2024年6月12日(水) 3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
石川達三の小説を原作に、登場人物それぞれのエゴイズムとその末路を描く。内田吐夢の戦後復帰第3作で、『歴史』(1940)以来15年ぶりとなる古巣日活での監督作。芥川は全篇の音楽をチェンバロ1台で扱い、歪な物語を音楽面からも巧みに描出する。「単一楽器の音楽」、「チェンバロの最初期の使用例」という点で日本の映画音楽史に特筆される。
8花嫁の峰 チョゴリザ(76分・35mm・カラー)
- 2024年5月25日(土) 7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2024年6月5日(水) 3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2024年6月11日(火) 3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
NEW
1958年の京都大学学士山岳会によるチョゴリザII峰(7,654m)世界初登頂を綴る。日本の山岳記録映画としては初めてカラー、35mmで撮影された。芥川の力強い音楽は作品との親和性が高く、序盤、各国登山隊によるヒマラヤ登頂の歴史を紹介する場面のショスタコーヴィチ風のマーチは、実兄芥川比呂志の解説と相まって並々ならぬ高揚感をもたらす。
5月25日(土) 7:00 PMの回は上映前に当館研究員による解説(約10分)あり
9地獄変(95分・35mm・カラー)
- 2024年6月4日(火) 7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2024年6月8日(土) 3:40 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2024年6月13日(木) 3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
平安朝を舞台に、絵師(仲代)と横暴な権力者(中村)の対決を描く文芸作品。原作者の息子の登用は監督たっての希望で、芥川は『波影』(1965、豊田四郎)以来4年ぶりとなる映画の仕事に携わった。絵師の娘(内藤)が牛車ごと焼かれる場面の音楽は『白い牙』(1960、五所平之助)、『破戒』(1962、市川崑)などにも登場し、虐げられた魂への挽歌のごとく響く。
6月8日(土) 3:40 PMの回は上映後に当館研究員による講演(約30分)あり
奥村一(1925-1994)
10現代人(111分・35mm・白黒)
- 2024年6月21日(金) 1:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2024年7月13日(土) 1:00 PM@長瀬記念ホール OZU
土建業者の誘惑に負けて収賄行為に手を染めてゆく現代の若者(池部)の苦悩を描く。東京音楽学校で伊福部昭らに作曲を、永井進にピアノを師事して1950-1960年代の映画音楽界を牽引した奥村一が、オーケストレーションに独自のひねりを加えた音楽で物語の展開に疾走感を与えている。
11野獸の青春(91分・35mm・カラー)
- 2024年6月20日(木) 7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2024年6月29日(土) 1:00 PM@長瀬記念ホール OZU
懲戒免職を受けた元刑事ジョー(宍戸)が、自分をかばってくれた元同僚(木島)の奇妙な死に疑問を抱き、真相究明に走るハードボイルド・アクション。ジョン・コルトレーン風のブルース・ナンバーやバラードなど奥村がアレンジを効かせたジャズ音楽が「清順美学」の開花した本作の中でも精彩を放っている。
鏑木創(1926-2014)
13ある殺し屋(82分・35mm・カラー)
- 2024年7月4日(木) 3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2024年7月6日(土) 4:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2024年7月10日(水) 7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
藤原審爾の小説「前夜」を、数々の作品でコンビを組んだ森一生監督と市川雷蔵主演で映画化。普段は小料理屋の板前を装いながら、凄腕の殺し屋として生きる男を雷蔵がニヒルに演じる。鏑木の音楽は最小限に抑えられているが、虚無的なテーマ曲によって映画全体のシャープな世界観を際立たせている。
12波の塔(99分・35mm・カラー)
- 2024年7月2日(火) 3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2024年7月6日(土) 1:00 PM@長瀬記念ホール OZU
松本清張が『女性自身』に連載していた同名小説を女性主人公を描いた作品に定評のある中村登が映画化。若い検事(津川)と彼が担当する汚職事件に関与した人物の妻(有馬)の禁じられた愛を描く。サスペンスを得意とした鏑木創が、弦楽オーケストラを用いた壮麗な音楽でメロドラマを彩っている。
14みな殺しの霊歌(90分・35mm・白黒)
- 2024年6月28日(金) 4:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2024年7月6日(土) 7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2024年7月10日(水) 3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
山本周五郎の「五瓣の椿」に想を得て、逃亡中の殺人犯(佐藤)が心を通わせた少年を死に追いやった有閑マダムに復讐を果たしていくさまを描いた加藤泰の問題作。物憂げなスキャットが印象的なテーマ曲のほか、逆回転やSEなどを採り入れた実験的な音楽も映画のミステリアスなムードを盛り立てている。
河辺公一(1927-2014)
15ギャング対Gメン(82分・35mm・カラー)
- 2024年7月5日(金) 7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2024年7月9日(火) 3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
抑揚の利いたジャズが印象的な犯罪映画で、東映による「ギャング路線」の一篇。日本でもヒットしたアメリカのTVドラマ「アンタッチャブル」(1959-1963)に着想を得て、おとり捜査を描く。東京音楽学校で作曲を学んだ河辺公一(浩市)は、トロンボーン奏者として活躍しつつ日活や東映を中心に映画音楽に携わった。
小杉太一郎(1927-1976)
16地獄の波止場(87分・35mm・白黒)
- 2024年6月28日(金) 7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2024年7月14日(日) 1:00 PM@長瀬記念ホール OZU
陶山鉄の小説「海霧」を原作に、戦後、監督業に進出した小杉勇が出演も兼ねた犯罪サスペンス。小杉の長男で、伊福部昭に師事した小杉太一郎は、師の影響を思わせる重厚な管弦楽法を駆使して、夜の製鉄所を舞台とするノワール的な世界観を支え、緊迫感を生み出している。
17河内カルメン(89分・35mm・白黒)
- 2024年6月29日(土) 4:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2024年7月12日(金) 4:10 PM@長瀬記念ホール OZU
今東光の同名小説を鈴木清順が映画化。河内の山で育った美しい娘・露子(野川)が周囲の欲望に翻弄されながらも逞しく生き抜いていく姿を描く。小杉はギター、カスタネット、タンバリン、シロフォンなどを駆使した印象的なフラメンコ風のメイン・タイトル曲を書き下ろしている。
18「サイボーグ009」シリーズ(計124分)
- 2024年7月21日(日) 4:10 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2024年7月26日(金) 6:50 PM@長瀬記念ホール OZU
『サイボーグ009』は、人気を博していた漫画連載をもとにした劇場版で、1968年のTVアニメ化に先立って製作された。芹川有吾は『わんぱく王子の大蛇退治』(1963)に続いて音楽を伊福部昭に依頼しようとしたが、伊福部の推薦により小杉が手がけた。短いカットにあわせて作曲された多彩な音楽が出色である。シリーズ2作目の『サイボーグ009 怪獣戦争』では、アクションを盛り上げる音楽に加え、少女ヘレナの登場による悲劇的ドラマの展開を女声コーラスの美しい曲想で際立たせている。
サイボーグ009(64分・35mm・カラー)
サイボーグ009 怪獣戦争(60分・35mm・カラー)
斎藤高順(1924-2004)
19東京物語(136分・35mm・白黒)
- 2024年5月31日(金) 3:40 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2024年6月18日(火) 3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
成長した子どもが暮らす東京を訪れた老夫婦(笠、東山)の旅を通じて戦後の家族像を捉える。戦前から活躍する伊藤宣二や斎藤一郎と組んできた小津安二郎が新人作曲家を希望し、映画音楽指揮者・吉澤博が斎藤高順を推薦。登場人物の感情表現を補うのではなく「何が起ころうと、いつもお天気のいい音楽」を志向した小津と好相性だった斎藤は、本作はじめ小津作品7本を手がけた。
20斎藤高順 作品集(計88分)
- 2024年5月31日(金) 7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2024年6月9日(日) 4:00 PM@長瀬記念ホール OZU
東京音楽学校で学んだ斎藤は、小津好みの明るい長調を得意として、文化・教育映画でも牧歌的な美しい音楽で腕を振るった。台詞のないアニメーション『黒いきこりと白いきこり』では多彩な音色で童話の世界を演出し、人形アニメーション『泣いた赤おに』では友情の物語を美しく奏でた。大阪の下町を舞台にしたドラマ『愛情屋台』では、中年夫婦の機微を抒情的な楽曲で際立たせた。
黒いきこりと白いきこり(16分・35mm・カラー)
泣いた赤おに(17分・35mm・カラー)
愛情屋台(55分・35mm・白黒)
佐藤勝(1928-1999)
21街燈(91分・35mm・白黒)
- 2024年6月22日(土) 1:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2024年7月2日(火) 7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2024年7月17日(水) 3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
洋裁店を営む女性と年下男性を主軸にして、入り乱れる恋愛関係を描く軽妙なラブコメディ。都会的な斬新さを追求した中平康の作詞によるシャンソン風の主題歌などを佐藤勝が作曲。300本以上の映画を手がけた佐藤は、作品の世界観を打ち出した主題歌も得意とした。
22美女と液体人间(86分・35mm・カラー)
- 2024年7月7日(日) 4:20 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2024年7月11日(木) 7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2024年7月19日(金) 7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
麻薬密売の抗争を追う犯罪映画に、核の恐怖から着想された「変身人間」の特撮場面を盛り込んだシリーズ第1作。捜査陣が液体人間と対峙する際の勇壮なマーチ、ナイトクラブのジャズ・ナンバー、怪奇場面の不穏な音響、と多彩に聴かせる。映画を中心に活動した佐藤は、50年代末から60年代初頭にかけて年間12本以上の作品に携わった。
23独立愚連隊西へ(107分・35mm・白黒)
- 2024年6月19日(水) 7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2024年6月22日(土) 4:00 PM@長瀬記念ホール OZU
日中戦争における北支戦線の最前線を転戦してきた左文字隊は、消えた軍旗を捜索する任務を命じられる。佐藤は岡本喜八作品の大半を占める32本でコンビを組んだが、その中でも代表的な作品。「独立愚連隊マーチ」の軽快なメロディが反戦映画の諧謔とユーモアを際立たせている。
24用心棒(110分・35mm・白黒)
- 2024年6月1日(土) 1:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2024年7月5日(金) 4:00 PM@長瀬記念ホール OZU
荒れた宿場町にやって来た浪人(三船)が親分たちを手玉に取って縄張り争いの中で立ち回る。佐藤の代表作であり、型破りな娯楽時代劇として豪快さを醸し出すために、オーケストラからヴァイオリンを除いてコントラバスや打楽器を増強するなど変則的に編成。作品のブラックユーモアを強調するために考え抜いた斬新な音色を響かせている。多彩な楽器を縦横無尽に駆使した佐藤ならではの独創的な音楽設計が圧巻。
25ゴジラ対メカゴジラ(84分・35mm・カラー)
- 2024年7月19日(金) 4:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2024年7月24日(水) 7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2024年7月28日(日) 4:00 PM@長瀬記念ホール OZU
ゴジラ20周年記念作品。ブラックホール第三惑星人が造ったロボット怪獣メカゴジラが現れ、ゴジラと沖縄の怪獣キングシーサーが迎え撃つ。「エキゾチカ音楽」の流れを汲み、ビッグバンド・ジャズと琉球音階を融合させている。「ゴジラ」シリーズで4本を担当した佐藤は、明るい曲調を持ち味として福田純監督とのコンビで活躍。
武満徹(1930-1996)
26太平洋ひとりぼっち(97分・35mm・カラー)
- 2024年6月6日(木) 7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2024年6月15日(土) 1:00 PM@長瀬記念ホール OZU
1962年に太平洋の単独横断に成功した堀江謙一のベストセラー手記を映画化。堀江(石原)の孤独な船上生活と家族との回想が鮮明なコントラストで構成されている。音楽監督と指揮を芥川也寸志、作曲を武満徹という形で共作され、オーケストラによる優雅なテーマ曲と極限状態の船上での現実音と効果音が実験的に融合された音響が混ざり合い、立体的な印象を生んでいる。
27心中天網島(103分・35mm・白黒)
- 2024年6月7日(金) 4:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2024年6月16日(日) 1:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2024年6月27日(木) 7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
原作である近松門左衛門の浄瑠璃を映画化し、粟津潔による大胆な美術やガムランなどを採り入れた武満による実験的な音楽など、さまざまな才能の結晶となったATG作品。キネマ旬報ベスト・テンの第1位のほか同年の映画賞を総なめにした。篠田正浩の依頼により武満は本作の脚本段階から携わっており、自身の映画音楽の中で最も気に入っている作品と発言している。
團伊玖磨(1924-2001)
28メソポタミア(72分・35mm・カラー)
- 2024年5月26日(日) 4:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2024年5月30日(木) 3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2024年6月11日(火) 7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
1956年の東京大学イラク・イラン遺跡調査団に随行し、アラブ諸国の歴史や風俗を紹介する記録映画。英国滞在中の團伊玖磨も撮影に合流し、採取した現地音楽が作品に盛り込まれた。本作と『雪国』(1957、豊田四郎)の音楽によって、團はブルーリボン賞音楽賞を受賞。音楽は後にラジオ作品「シンフォニック・ルポルタージュ《アラブ》」として再構成された。
29アフリカ横断(89分・35mm・カラー)
- 2024年5月30日(木) 7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2024年6月7日(金) 1:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2024年6月15日(土) 3:50 PM@長瀬記念ホール OZU
インド洋から入って大西洋に到る、早稲田大学赤道アフリカ遠征隊の道のりを描く。團の音楽は『孫悟空』(1959、山本嘉次郎)と同じく金管群が活躍する豪壮なもので、晴れ渡ったアフリカの平野に実に良く合う。芥川比呂志や小沢栄太郎といった常連俳優たちの重厚な解説とはひと味違う、フランキー堺による軽妙なナレーションも「聞きどころ」である。
30濹東綺譚(120分・35mm・白黒)
- 2024年6月8日(土) 12:30 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2024年6月13日(木) 6:50 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2024年6月25日(火) 3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
玉の井の一隅に咲いた、うらぶれた教師(芥川)と娼婦(山本)の儚い恋物語。團が得意とする金管楽器と弦楽器の均整が取れたシンフォニックな音楽に、大正琴の響きが印象深く加えられる。その響きは過ぎ去った時代を想起させ、さらには劇中で命を落とす娼婦もこの楽器を奏で、やがて同じく病を得て床に就く主人公の悲惨な運命を音楽的に暗示する。
31馬鹿が戦車 でやって来る(93分・35mm・カラー)
- 2024年6月21日(金) 7:20 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2024年6月23日(日) 1:00 PM@長瀬記念ホール OZU
團の随筆を原案とする、山田洋次=ハナ肇コンビの「馬鹿」シリーズ第3作。鼻つまみ者にされた元少年戦車兵(肇)がやがて怒りを爆発させ、戦車で村中を暴れ回る。1954年から東宝の音楽監督を務めた團にとって珍しい他社での仕事で、本作から間もなく映画から離れて文筆業に勤しむようになった事実に鑑みても象徴的作品である。
萩原哲晶(1925-1984)
32いい湯だな 全員集合!!(89分・35mm・カラー)
- 2024年6月26日(水) 3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2024年7月13日(土) 7:20 PM@長瀬記念ホール OZU
松竹の「全員集合!!」シリーズ(1967-1975)の第3作。洞爺湖温泉を舞台に騒動が繰り広げられ、名曲「いい湯だな」にのせてさまざまな情景での入浴シーンが反復される。東京音楽学校出身の萩原哲晶は、クレージーキャッツと組んだ仕事で功績を上げ、ザ・ドリフターズとの仕事でも活躍した。
広瀬健次郎(1929-1999)
33大冒険(106分・35mm・カラー)
- 2024年6月23日(日) 4:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2024年6月26日(水) 7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2024年7月11日(木) 3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
クレージーキャッツ結成10周年記念作品。ニセ札騒動に巻き込まれた週刊誌記者(植木)が警察と国際偽造組織の双方から追われるという犯罪活劇をコミカルに描く。「若大将」や「駅前」など東宝の喜劇シリーズでも多作した広瀬健次郎が軽妙な音楽で彩り、萩原哲晶が手がけた挿入歌とともに相乗効果を上げている。
34ガメラ対宇宙怪獣バイラス(72分・35mm・カラー)
- 2024年7月23日(火) 7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2024年7月27日(土) 4:00 PM@長瀬記念ホール OZU
地球の植民地化を企むバイラス星人が、ガメラをコントロールして日本を襲撃する。ボーイスカウトの少年たちを主人公にして子ども向け路線を打ち出した、「ガメラ」シリーズ第4作。親しみやすい主題歌「ガメラマーチ」を作曲、編曲した広瀬が、明朗な音楽でSF怪獣映画を躍動させている。
35脱獄・広島殺人囚(97分・35mm・カラー)
- 2024年7月9日(火) 7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2024年7月14日(日) 4:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2024年7月25日(木) 3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
脱獄を繰り返して生きる男(松方)の粘り強い人生を、電子楽器と生ブラスを融合させたファンキーな音楽で演出。主人公が窮地に陥るシーンではテーマ曲が応援歌のように変奏され、観客に臨場感を抱かせる。東映実録路線で印象的な打楽器・ビブラスラップの「カーッ!」という音色を堪能できる好篇。
松村禎三(1929-2007)
36地の群れ(127分・35mm・白黒)
- 2024年7月16日(火) 3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2024年7月18日(木) 6:50 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2024年7月20日(土) 6:30 PM@長瀬記念ホール OZU
戦後の社会問題を題材に作品を多く手がけてきた熊井啓が日活を退職し、井上光晴の同名小説を映画化。被差別部落の少女暴行事件をきっかけに、戦後の闇が浮かびあがる。松村禎三によるひりついた前衛的音響が一層深淵な印象を与えている。松村は以降多くの作品で熊井とタッグを組み、本作だけでなく、後の『忍ぶ川』(1972、熊井啓)でも毎日映画コンクール音楽賞を受賞した。
37松村禎三 作品集(計84分)
- 2024年7月16日(火) 7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2024年7月20日(土) 3:30 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2024年7月26日(金) 1:00 PM@長瀬記念ホール OZU
ルポルタージュ 炎(37分・35mm・カラー)
東京電力横須賀火力発電所の建設記録で、『海壁』(1959、黒木和雄)の続篇として製作されたPR映画。松村が持ち込んだ前衛的な音楽によって、アンダーグラウンド映画の趣さえ感じさせる一篇になっている。本作以降、黒木=松村の名コンビの共作が続いていく。
音響創造 ─電子の技術─ (28分・35mm・カラー)
NEW
音の発生や伝達の過程を美しい色彩とともに視覚化し、電子科学の進歩による音響再生技術の成果を紹介した松下電器産業のPR映画。ジャズやクラシックなど多様な音楽語法が採り入れられている。
道成寺(19分・35mm・カラー)
道成寺の安珍、清姫の伝説に基づく物語を映像と音楽、音響のみで描いた人形アニメーション。シタール、木琴、シンセサイザーやアフリカの楽器を主に使いつつ、テープ音楽の手法を採り入れるなど、松村による実験的なアプローチが神秘的な世界観を際立たせている。
眞鍋理一郎(1924-2015)
38暖簾(122分・35mm・白黒)
- 2024年7月3日(水) 6:50 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2024年7月7日(日) 1:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2024年7月12日(金) 1:00 PM@長瀬記念ホール OZU
大阪の昆布問屋の主人(中村)に拾われ、丁稚奉公を始めた吾平が波瀾の生涯を通じて、親子二代(森繁の二役)にわたり暖簾を守り通す。1950-1960年代の日活や新東宝を中心に活躍し、大島渚の初期作の音楽を手がけた眞鍋理一郎が、お囃子に弦楽器などの音色を重ねた土俗的スタイルで、本作の喜劇的側面を支えている。
39日本解放戦線 三里塚(142分・16mm・カラー)
- 2024年6月15日(土) 6:30 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2024年7月3日(水) 3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
成田市三里塚の農民らによる空港建設反対運動を捉えた「三里塚」シリーズの第2作。映画冒頭のほか、音楽が挿入される場面は限定的だが、学生時代に教会の聖歌隊を目指していた眞鍋らしく、繊細な弦の響きに神秘的なコーラスを重ね合わせ、やがて土地を追われる農民らの土着的記憶を呼び起こしている。
40ゴジラ対ヘドラ(85分・35mm・カラー)
- 2024年7月19日(金) 1:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2024年7月25日(木) 7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2024年7月28日(日) 1:00 PM@長瀬記念ホール OZU
当時社会問題となっていた公害による環境破壊をテーマに、汚染された海から生まれた怪獣ヘドラとゴジラの死闘を描く。行き過ぎた開発に対する警鐘が込められ、中南米の民族楽器を持ち込んだプリミティブな音色が特徴的。同時代のサイケデリック・ロックを採り入れた主題歌「かえせ!太陽を」もヒットした。
間宮芳生(1929-)
41青い乳房(90分・35mm・白黒)
- 2024年6月20日(木) 3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2024年6月29日(土) 7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
不良高校生(小林)と継母(渡辺)の関係を軸に、家族の崩壊と再生を描いた鈴木清順の青春映画。林光、外山雄三とともに「山羊の会」を結成し、後年の『火垂るの墓』(1988、高畑勲)などでも知られる間宮芳生が初めて映画音楽を手がけた作品。前衛ジャズに傾倒した間宮らしく、現代音楽とジャズが印象的に使われている。
黛敏郎(1929-1997)
42赤線地帶(85分・35mm・白黒)
- 2024年5月26日(日) 1:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2024年5月29日(水) 7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2024年6月14日(金) 1:00 PM@長瀬記念ホール OZU
売春防止法前夜の吉原を描く溝口健二の遺作。「画面をあざけ笑うような音楽」を求められた黛敏郎は、クラヴィオリンやミュージカル・ソーといった特徴的な音色の楽器で応じた。音楽をめぐって津村秀夫と黛に論争があったことも有名。黛の「前衛」路線は『気違い部落』(1957、渋谷実)、『炎上』(1958、市川崑)などへ引き継がれ、代表作「涅槃交響曲」(1958年初演)に結実する。
43気違い部落(134分・35mm・白黒)
- 2024年6月21日(金) 4:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2024年7月13日(土) 4:00 PM@長瀬記念ホール OZU
きだみのるの著作をもとに、日本の農村社会を戯画化して描く社会諷刺劇。メイン・タイトルの音楽には、同時期に完成した「プリペアド・ピアノと弦楽のための小品」(1957年初演)の一部がほぼそのまま使われており、映画音楽と演奏会用作品の往還が見出せて興味深い。
44女であること(100分・35mm・白黒)
- 2024年6月14日(金) 4:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2024年6月18日(火) 7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2024年6月30日(日) 1:00 PM@長瀬記念ホール OZU
受刑者の娘を預かる弁護士夫妻(森、原)の許に、大阪から家出娘(久我)がやってきて騒動が巻き起こる。「君も出世ができる」を送り出した谷川俊太郎と黛敏郎の初顔合わせとなった記念碑的作品。丸山(美輪)明宏が歌う主題歌はシャンソンのような洒脱な歌詞とメロディで、丸山がフレーズごとに次々と衣裳を取り替える演出と相まって見る者に鮮烈な印象を与える。
45君も出世ができる(100分・35mm・カラー)
- 2024年6月14日(金) 7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2024年6月19日(水) 3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2024年6月30日(日) 4:00 PM@長瀬記念ホール OZU
NEW
旅行会社を舞台に、出世第一のモーレツ社員(堺)、夢見がちな同僚(高島)、合理主義者の社長令嬢(雪村)たちが繰り広げる、日本映画としては数少ない本格的ミュージカル映画。「アメリカでは」、「タクラマカン」など、一度聴けば忘れられなくなる個性的な楽曲には、黛=谷川コンビの持つ諧謔性と抒情性の両端が存分に発揮されている。
矢代秋雄(1929-1976)、佐藤慶次郎(1927-2009)
46矢代秋雄/佐藤慶次郎 作品集(計79分)
- 2024年7月17日(水) 7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2024年7月20日(土) 1:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2024年7月26日(金) 4:00 PM@長瀬記念ホール OZU
古代の美(22分・16mm・白黒)
縄文、弥生、古墳時代の土器や土偶などを紹介しながら、当時の人々の生活感情に迫ろうとした羽田澄子の初期の代表作。躍動感あるモンタージュと巧みな音楽構成で古代人の生活が再現されているが、作曲の矢代秋雄は古代美術を学ぶところから羽田と行動をともにしたという。
ドラムと少年(31分・35mm・カラー)
1950年代前半に勅使河原宏らが結成した青年プロダクションによるヤマハ音楽教室のPR映画。パリ音楽院でフランス式の厳格な書法を身につけた矢代の音楽的センスが、ピアノ教室に通うジャズ好きの妹と、ドラムにのめり込む兄との躍動感のある演奏シーンに結実している。
港をつくる(26分・35mm・カラー)
NEW
早坂文雄に師事し、1953年に「実験工房」の一員に加わった佐藤慶次郎は、1970年前後から電気や磁力が起こす微細な振動によって動く「エレクトリック・オブジェ」の制作へと活動の幅を広げる。千葉港外貿埠頭の工事を記録した本作では、ユニークな創作を行っていた佐藤の作曲活動の一端を窺い知ることができる。
山内正(1927-1980)
47清作の妻(93分・35mm・白黒)
- 2024年6月22日(土) 7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2024年6月27日(木) 3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2024年7月12日(金) 7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
閉鎖的な村で孤立して生きる男女の情念のドラマ。お兼(若尾)は、日露戦争で負傷して一時帰郷した夫・清作(田村)を引き留めたい衝動に駆られる。巧みなオーケストレーションや美しい旋律により、強い意志を持ったヒロイン像を際立たせている。山内正は、『「女の小箱」より 夫が見た』(1964)を皮切りに増村保造とのコンビでも活躍した。
48大怪獣ガメラ(78分・35mm・白黒)
- 2024年7月23日(火) 3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2024年7月27日(土) 1:00 PM@長瀬記念ホール OZU
東宝の「ゴジラ」シリーズに対抗して製作された大映による怪獣映画第1作。原爆搭載機の爆発により、北極の氷山下に眠っていた伝説の怪獣・ガメラが目を覚まして日本に上陸する。伊福部昭に師事した山内は低音域を強調したスコアによってサスペンスを演出し、「ガメラ」シリーズでは本作と3作目を手がけた。
湯浅譲二(1929-)
49薔薇の葬列(104分・35mm・白黒)
- 2024年6月7日(金) 7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2024年6月16日(日) 4:00 PM@長瀬記念ホール OZU
新宿のゲイバーで働くエディ(ピーター)はオーナーの権田(土屋)と関係を持つが、後に彼が実の父親であることを知る。オイディプス劇を換骨奪胎し、当時の新宿アンダーグラウンド文化が万華鏡のように展開する松本俊夫の長篇劇映画第1作。松本と湯浅それぞれの緻密な設計によって、台詞を凌駕するような音量の音をつけるなど、既存の映画音楽の概念を覆す野心的な試みが行われている。
渡辺宙明(1925-2022)
50将軍家光と天下の彦左 他(計133分)
- 2024年7月18日(木) 3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2024年7月27日(土) 6:30 PM@長瀬記念ホール OZU
将軍家光と天下の彦左(66分・35mm・白黒)
中山昭二が将軍家光、古川緑波が往年の当たり役となる天下の御意見番・大久保彦左衛門に扮した娯楽時代劇。渡辺宙明は、キャリアの初期において新東宝の娯楽映画を数多く手がけ、特に中川信夫とは時代劇や怪談映画などで何度もタッグを組んでいる。
亡霊怪猫屋敷(67分・35mm・パートカラー)
橘外男の小説をもとに、江戸時代から現代まで続く化け猫の呪いを描く。撮影の西本正、美術の黒沢治安ら、翌年の『東海道四谷怪談』(中川信夫)へ引き継がれるスタッフ陣が初めて集結した作品。渡辺の不気味かつ格調高いサウンドが物語の緩急と相まって効果を上げている。
51忍びの者(104分・35mm・白黒)
- 2024年6月28日(金) 1:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2024年7月4日(木) 7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
村山知義の小説を山本薩夫監督、市川雷蔵主演で映画化。権力に蹂躙される下忍の生きざまをリアリスティックに描き、雷蔵の代表作の一つとなった。渡辺は、声明など仏教音楽的な要素を採り入れて荘厳な音楽に仕上げ、下忍が背負う哀しき宿命を巧みに表現している。
52妖怪百物語 他(計122分)
- 2024年7月21日(日) 1:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2024年7月24日(水) 3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
妖怪百物語(79分・35mm・カラー)
「ゲゲゲの鬼太郎」のTVアニメをきっかけとする妖怪ブームを受けて大映京都が製作した妖怪3部作の第1作。怪談映画で培われた渡辺のノウハウがいかんなく発揮された。とりわけ百鬼夜行のシーンは、奇怪な音響を混然一体にしたサウンドがスローモーションで捉えられた妖怪たちの姿に重なる名場面となっている。
マジンガーZ対暗黒大将軍(43分・35mm・カラー)
夏休みの定番興行「東映まんがまつり」で上映された、永井豪原作のTVアニメの劇場オリジナル版第2作。渡辺は60年代以降、TVの特撮ドラマやアニメの音楽で子ども世代に広く親しまれた。「マジンガーZ」は有名な主題歌だけでなく、多彩なサウンドで世界観の構築に寄与し、同系列の作品にも影響を与えた。
■チケットのオンライン発売は各上映日の3日前正午からとなります。
■チケットのオンライン完売情報は、公式チケットサイトにてご確認ください。
■各回の開映後の入場はできません。予告篇はなく、本篇から上映します。
2024年5月25日(土)
11:00 AM 開館
★上映前解説あり 8花嫁の峰 チョゴリザ
2024年5月26日(日)
11:00 AM 開館
2024年5月28日(火)
11:00 AM 開館
2024年5月29日(水)
11:00 AM 開館
2024年5月30日(木)
11:00 AM 開館
2024年5月31日(金)
11:00 AM 開館
2024年6月1日(土)
11:00 AM 開館
2024年6月2日(日)
11:00 AM 開館
2024年6月4日(火)
11:00 AM 開館
2024年6月5日(水)
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2024年6月6日(木)
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2024年6月7日(金)
11:00 AM 開館
2024年6月8日(土)
11:00 AM 開館
★上映後講演あり 9地獄変
2024年6月9日(日)
11:00 AM 開館
2024年6月11日(火)
11:00 AM 開館
2024年6月12日(水)
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2024年6月13日(木)
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2024年6月14日(金)
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2024年6月15日(土)
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2024年6月16日(日)
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2024年6月18日(火)
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2024年6月19日(水)
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2024年6月20日(木)
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2024年6月21日(金)
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2024年6月22日(土)
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2024年6月23日(日)
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2024年6月25日(火)
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2024年6月26日(水)
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2024年6月27日(木)
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2024年6月28日(金)
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2024年6月29日(土)
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2024年6月30日(日)
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2024年7月2日(火)
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2024年7月3日(水)
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2024年7月4日(木)
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2024年7月5日(金)
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2024年7月6日(土)
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2024年7月7日(日)
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2024年7月9日(火)
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2024年7月10日(水)
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2024年7月16日(火)
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2024年7月17日(水)
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2024年7月21日(日)
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2024年7月26日(金)
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2024年7月28日(日)
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一般 | 高校・大学生・ 65歳以上 |
小・中学生 | 障害者手帳をお持ちの方(付添者は原則1名まで)・キャンパスメンバーズ | |
チケット料金 | 520円 | 310円 | 100円 | 無料 |
オンライン販売 | 各上映日の3日前正午から各上映回の開映15分前まで | |||
窓口販売(1F) | 各上映回の開映1時間前から5分前まで若干数販売 |
電子チケット購入方法
1. 本ホームページの上映日時(チケット購入)からご覧になりたい上映日時の「チケット購入」ボタンを選択。
2. 座席と券種を選択。
3. メールアドレスやクレジットカードまたはd払いの情報等必要事項を入力。
4. 申込が完了しますと、3. で入力したメールアドレスにQRコード付きのチケットが届きます。
・etix.comからのメールを受信できるよう予め設定をお願いします。
・申込済みチケットの照会はこちらの「申込済みチケット照会」を選択ください。
・詳しい購入手順の説明はこちら(PDF)をご参照ください。
・チケット購入方法についての「よくあるご質問」はこちらをご覧ください。
・未就学児、優待の方は「障害者手帳をお持ちの方または付添者等券」をお求めください。
入場方法
・チケットのQRコードをスマホ画面、または印刷紙面でご提示ください。
・学生、65歳以上、障害者手帳をお持ちの方、国立美術館のキャンパスメンバーズ、優待の方は証明できるものをご提示ください。ご提示のない方はご入場できません。
・料金区分の違うチケットでは入場できません。差額のお支払で観覧することはできません。
・各回の開映後の入場はできません。予告篇はございません。
・開場は開映30分前です。
ご注意ください!
・特集名、作品名は電子チケットに表示されませんので、お間違いないようご購入、ご提示ください。
・窓口でご購入いただける当日券は各回1名につき1枚のみです。
・チケットのオンライン完売情報は、公式チケットサイトにてご確認ください。