1923年9月1日の関東大震災の発生直後、文部省を含む複数の製作者が、この大災害を記録した。震災記録映画は全国各地で上映を求められた結果、既存フッテージの使いまわしやタイトルの改変、再編集などが横行し、大量の異版が生まれることになった。現在に至るまで、震災記録映画は当時正確に何本製作されたか不明で、現存するフィルムは少なくとも10本以上ある。本プログラムでは、新規収蔵の震災記録映画フィルムを上映する。
大ホール
複数バージョン特集2――関東大震災の記録映画
1923年9月1日の関東大震災の発生直後、文部省を含む複数の製作者が、この大災害を記録した。震災記録映画は全国各地で上映を求められた結果、既存フッテージの使いまわしやタイトルの改変、再編集などが横行し、大量の異版が生まれることになった。現在に至るまで、震災記録映画は当時正確に何本製作されたか不明で、現存するフィルムは少なくとも10本以上ある。本プログラムでは、新規収蔵の震災記録映画フィルムを上映する。 大正十二年九月一日 帝都大震災大火災 大惨状
今年東京都大田区の千束八幡神社から寄贈された可燃性ポジからの復元。冒頭に「撮影 東京シネマ商会」とあり、フィルムを保管していた缶には同商会の缶表が付いていたことから、同商会に文部省が撮影を委嘱した『關東大震大火實況』(現存最長版は64分)の異版であると思われる(ただし中間字幕は既蔵のものとは異なる)。 1923年頃(撮)芹川勢三、白井茂 大震災中のいたましき 大東京の大惨状
記録映画社所旧蔵のインターネガから上映プリントを作成。こちらも『關東大震大火實況』の異版と思われるが、既蔵フィルムにはない遺体の映像などが含まれている。 1923年頃 大正十二年九月 実寫 關東地方大震災
昨年京都大学大学院工学研究科の地下書庫で発見され、今年当館に寄贈された可燃性染色ポジからの復元。当館既蔵の『関東大震災実況』(日活製作)などと同一のフッテージを多く含むが、大阪毎日新聞社から京都帝国大学に寄贈されたフィルムとされ、出自に不明な点が多い。きわめて鮮明な映像が保たれている。 1923年頃 復興中の大東京 中野城西館附近
今年東京都慰霊協会から寄贈された可燃性ポジからの復元。
★10月11日(土)1:00pmと10月11日(火)5:00pmの回は途中に当館研究員の解説を挟みながらの上映となります。 ■(監)=監督・演出 (原)=原作・原案 (脚)=脚本・脚色 (撮)=撮影 (美)=美術・舞台装置 (編)=編集 (録)=録音 (音)=音楽 (出)=出演 (解)=ナレーション |
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