松竹が下加茂と蒲田の両撮影所の人員を総動員した超大作で、林長二郎(長谷川一夫)が浅野内匠頭と吉田沢右衛門の二役、市川右太衛門は脇坂淡路守と垣見五郎兵衛の二役、そして劇壇から参加した阪東寿三郎が大石内蔵之助を演じる。衣笠貞之助のモダンな演出が特徴的で、当時は前篇・後篇あわせて3時間半を越える作品であったが、今回上映するのはダイジェスト版(プリント上のタイトルは『大忠臣蔵』)。後半に『赤垣源蔵』(1938年、阪東妻三郎主演)の場面が挿入されているが、元素材のフィルムに挿入されていたもので、そのまま上映する。なお、元素材の音が悪いため、復元版でもなお台詞は聞き取りづらい(素材提供:プラネット映画資料図書館)。