過去の上映
- 2015.10.23 - 11.8
- 上映企画
生誕100年 オーソン・ウェルズ――天才の発見
Orson Welles: The Known and The Unknown
会期:2015年10月23日(金)~2015年11月8日(日)
※月曜日は休館、11月4日(水)-6日(金)は休映
主催:
東京国立近代美術館フィルムセンター
東京国際映画祭
モーション・ピクチャー・アソシエーション(MPA)
株式会社日本国際映画著作権協会
特別協力:ミュンヘン映画博物館
会場:大ホール
*開映後の入場はできません。
定員:310名(各回入替制)
料金:(共催企画の特別料金)
一般1,300円/高校・大学生・シニア1,100円/小・中学生、障害者(付添者は原則1名まで)520円/
キャンパスメンバーズ900円(学生)、1,000円(教職員)
発券:2階受付
・観覧券は当日・当該回のみ有効です。
・発券・開場は開映の30分前から行い、定員に達し次第締切ります。
・学生、シニア(65歳以上)、障害者、キャンパスメンバーズの方は、証明できるものをご提示ください。
・発券は各回1名につき1枚のみです。
★11月の休館日:月曜日、10月1日(木)、10月12日(月)-15日(木)、10月19日(月)-22日(木)、11月9日(月)-12日(木)、11月16日(月)-20日(金)
※追加トーク決定!
11月3日(火・祝)4:00pm『Mr. アーカディン』上映前に、シュテファン・ドレスラー氏(ミュンヘン映画博物館ディレクター)による解説(日本語通訳付き)があります。
概要
『市民ケーン』(1941年)でセンセーショナルなデビューを飾り、映画史に多くの伝説を残したオーソン・ウェルズ(1915-1985)。独自の映像表現を追求し、“天才”の名をほしいままにしたウェルズは、しかし、商業的な成功を一度も収めなかったばかりか、製作会社による作品の改変や資金難による製作中止などにたびたび見舞われ、フィルモグラフィーの把握すら困難にするほど多くのバージョンや未完成作品を生み出しました。その意味でウェルズは”呪われた天才”であり、世界は今もなお、遺された映像素材の復元や資料の調査などによって、その映画作家としての全体像を探求し続けています。
本特集は、ウェルズの生誕100年・没後30年を機に、近年復元された作品を含む7本の監督作とウェルズを主題にした2本のドキュメンタリーを上映し、ウェルズ作品復元の専門家であるシュテファン・ドレスラー氏(ミュンヘン映画博物館ディレクター)による講演を開催します。“知られざるウェルズ”の発見に立ち会い、その天才ぶりをご堪能ください。
■(監)=監督 (原)=原作・原案 (脚)=脚本・脚色 (撮)=撮影 (美)=美術 (音)=音楽 (出)=出演
■特集には不完全なプリントが含まれていることがあります。
■記載した分数は、当日のものと多少異なることがあります。
■作品には、すべて日本語字幕が付いています。
*オーソン・ウェルズが出演したニッカウヰスキーのCM9本(提供:ミュンヘン映画博物館)を3本ずつに分け、各プログラムの冒頭に上映します。プログラム9では9本すべてを上映します。
上映作品詳細
1上海から来た女 [復元版](87分・DCP, 白黒)
THE LADY FROM SHANGHAI
- 2015年10月23日7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2015年10月28日7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2015年11月7日1:00 PM@長瀬記念ホール OZU
ウェルズが監督・主演し、当時ウェルズの妻だったリタ・ヘイワースがファム・ファタールを演じるフィルム・ノワール。船乗りのオハラ(ウェルズ)がセントラル・パークで美女エルザ(ヘイワース)と出会ったことから、奇妙な人間関係に巻き込まれる。ラストの鏡の演出は映画史上あまりに有名。オリジナルネガから4Kスキャンを行った復元版を上映。
2第三の男(105分・DCP、白黒)
THE THIRD MAN
- 2015年10月24日2:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2015年10月27日3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
第二次大戦後のウィーンを舞台に、モノクロームの映像美で魅せるサスペンス。アメリカ人の小説家が友人の死の謎を追う。C・リードの演出とアカデミー賞受賞の撮影美、A・カラスの音楽で、映画史上の名作となった。友人ハリーを演じたウェルズが、少ない出演シーンながらも圧倒的な存在感を発揮し、作品全体を引き締めている。
3Mr. アーカディン [最長版](105分・DCP、白黒)
MR. ARKADIN/ CONFIDENTIAL REPORT
- 2015年10月24日5:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2015年10月28日3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2015年11月3日4:00 PM@長瀬記念ホール OZU
ウェルズが脚本・演出・主演したラジオ番組を映画化。世界を股にかける大富豪アーカディン(ウェルズ)が、密輸人ガイ(アーデン)に自分の過去を探らせるが…。インターネガや様々なフッテージ、資料調査に基づき、ウェルズが当初意図した作品の復元を試み、2006年に再構成された最長版を上映。
※11月3日(火・祝)4:00pmの回は、本篇上映前にシュテファン・ドレスラー氏(ミュンヘン映画博物館ディレクター)による解説があります。
4審判 [復元版](118分・DCP、白黒)
THE TRIAL
- 2015年10月25日1:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2015年10月29日7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
原作はカフカの同名小説。平凡な銀行員が突然逮捕される悪夢を様式的に描く。A・アレクセイエフのピン・スクリーンも必見。全篇緊張感に満ち、シャープな白黒映像とカメラ・ワーク、デフォルメされた美術、個性的な俳優陣に、ウェルズのスタイルが遺憾なく発揮された代表作。A・パーキンスとウェルズの対比的なキャラクターも秀逸。
5フォルスタッフ [復元版](116分・Blu-ray、白黒)
FALSTAFF/ CHIMES AT MIDNIGHT
- 2015年10月25日4:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2015年10月30日7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
シェイクスピア戯曲に登場する人間味溢れる老騎士フォルスタッフを、ウェルズが自ら演じた傑作。王子との友情とその裏切りが、大胆で冴えわたる演出と共に語られる。合戦場面の暴力描写は、映画史上特筆に値する。公開当時の画質を追求したフィルモテカ・エスパニョーラによる復元版。1986年の日本公開時の題名は『オーソン・ウェルズのフォルスタッフ』。
6不滅の物語 [英語オリジナル版](58分・DCP、カラー)
THE IMMORTAL STORY
- 2015年11月1日4:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2015年11月7日4:00 PM@長瀬記念ホール OZU
イサク・ディーネセンの短篇が原作。19世紀マカオで、死を前にした老商人(ウェルズ)の奇妙な願いのせいで、複数の人々の運命が狂わされていく。テレビ放映と劇場公開の両方を想定して製作された。
7フェイク(85分・DCP、カラー)
F FOR FAKE
- 2015年10月27日7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2015年10月30日3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2015年11月8日4:00 PM@長瀬記念ホール OZU
ウェルズ最後の長篇。贋作画家として名高いホーリーやハワード・ヒューズの偽自伝の作者C・アーヴィング本人が登場し語る一方で、断片的なショットの編集やナレーションなどによって、映画を語る行為そのものの「嘘」も浮かび上がってくる、野心的な「ドキュメンタリー」。1978年の日本公開時の題名は『オーソン・ウェルズのフェイク』。
8映像の魔術師 オーソン・ウェルズ(92分・HDデータ、カラー)
MAGICIAN: THE ASTONISHING LIFE & WORKS OF ORSON WELLES
- 2015年10月23日3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2015年11月8日1:00 PM@長瀬記念ホール OZU
初監督作『市民ケーン』で高評価を得るも、商業性と芸術性の狭間で終生闘い続けたウェルズの作品を時代順に紐解きつつ、著名人の証言から「奇才」の真実を追う。
配給 東北新社 Presented by スターチャンネル
9ディス・イズ・オーソン・ウェルズ(52分・HDデータ、カラー/白黒)
THIS IS ORSON WELLES
- 2015年10月24日11:00 AM@長瀬記念ホール OZU
- 2015年10月29日3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
今年のカンヌ・クラシックスで上映された最新ドキュメンタリー。娘のクリストファー・ウェルズやマーティン・スコセッシなどへのインタビューを通して、『市民ケーン』からハリウッド最後の作品『黒い罠』(1958)まで、ウェルズのアメリカでの映画人生が簡潔にまとめられる。
※本篇上映前に、ニッカウヰスキーCM9本を上映します。
10未知のウェルズ1
- 2015年10月31日1:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2015年11月1日1:00 PM@長瀬記念ホール OZU
ミュンヘン映画博物館の所蔵資料を中心に、遺された未完成作品の素材映像を通してウェルズの試みを探る。未完成作品の抜粋上映あり。
上映と講演あわせて2時間ほどを予定。
講演:シュテファン・ドレスラー(ミュンヘン映画博物館ディレクター)。
11未知のウェルズ2
- 2015年10月31日4:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2015年11月3日1:00 PM@長瀬記念ホール OZU
ミュンヘン映画博物館の所蔵資料を中心に、遺された未完成のTV作品の映像を通してウェルズの試みを探る。未完成作品の抜粋上映あり。
上映と講演あわせて2時間ほどを予定。
講演:シュテファン・ドレスラー(ミュンヘン映画博物館ディレクター)
2015年10月23日
2015年10月24日
2015年10月25日
2015年10月27日
2015年10月28日
2015年10月29日
2015年10月30日
2015年10月31日
2015年11月1日
2015年11月3日
2015年11月4日
2015年11月5日
2015年11月6日
2015年11月7日
2015年11月8日
「未知のウェルズ」 講演者
シュテファン・ドレスラー /Stefan Drößler
ミュンヘン映画博物館ディレクター。1977年より学生映画クラブや映画祭、映画研究会を組織し、1986年にはボン・キネマテークを設立、1998年まで同ディレクターを務めた後、1999年から現職。オーソン・ウェルズ、エルンスト・ルビッチ、マックス・オフュルス、ヴェルナー・シュレーター、リヒャルト・オズワルド、マックス・デイヴィッドソンなどの古典映画の復元に加え、DVDシリーズEdition Filmmuseumの編集や映画祭などのプログラミング、映画史や映画技術に関する執筆、映画学校や大学、シネマテーク等での講義を行っている。2010年には、フィルムセンターのユネスコ「世界視聴覚遺産の日」記念特別イベントに招聘され、3D映画を再現して講演を行った。
現在発売中の『NFCニューズレター』123号(2015年10月-11月号)に掲載されている岡島尚志(フィルムセンター主幹)執筆の『内なる“私”への隷属 「生誕100年 オーソン・ウェルズ――天才の発見」を考える』をPDFファイルで公開しました。是非ご覧ください。
こちらからご覧いただけます。