過去の上映
- 2015.4.7 - 5.24
- 上映企画
日本映画史横断⑥ 東映時代劇の世界 Part 2
Cross-section of Japan's Cinematic Past [Part 6]
The Toei Jidaigeki Ⅱ
会期:2015年4月7日(火)~5月24日(日)
会場:大ホール
定員:310名(各回入替制)
料金:一般520円/高校・大学生・シニア310円/小・中学生100円/障害者(付添者は原則1名まで)、キャンパスメンバーズは無料
発券:2階受付
・観覧券は当日・当該回のみ有効です。
・発券・開場は開映の30分前から行い、定員に達し次第締切ります。
・学生、シニア(65歳以上)、障害者、キャンパスメンバーズの方は、証明できるものをご提示ください。
・発券は各回1名につき1枚のみです。
★開映後の入場はできません。
★4-5月の休館日:月曜日、3月30日(月)-4月6日(月)、5月25日(月)-28日(木)
概要

今年1-2月に開催した第一弾に続き、東映時代劇特集の第二弾を開催します。今回は、剣劇スターが活躍する1950年代の明朗時代劇作品に加え、内田吐夢や加藤泰といった名匠の作品、また映画観客動員の減少や政治情勢の変化、黒澤明の革新的な時代劇作品の影響などにより1960年代に登場した、いわゆる「集団抗争時代劇」作品など、計44本(42プログラム)を上映します。王道娯楽から先鋭的な作品まで、東映時代劇の多様さと歴史的変遷をぜひお楽しみください。
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旗本退屈男捕物控 後編 毒殺魔殿 (66分・1950年・東横映画・監:松田定次)
2.新選組鬼隊長 (114分・1954年・東映京都・監:河野寿一) 4.侍ニッポン 新納鶴千代 (94分・1955年・東映京都・監:佐々木康) 3.血槍富士 (94分・1955年・東映京都・監:内田吐夢) 5.黒田騒動 (108分・1956年・東映京都・監:内田吐夢) 6.父子鷹 (96分・1956年・東映京都・監:松田定次) 7.暴れん坊街道 (95分・1957・東映京都・監:内田吐夢) 9.任俠東海道 (105分・1958年・東映京都・監:松田定次) 8.阿波おどり 鳴門の海賊 (89分・1957年・東映京都・監:マキノ雅弘) 10.丹下左膳 (100分・1958年・東映京都・監:松田定次) 11.大江戸七人衆 (92分・1958年・東映京都・監:松田定次) 12.殿さま弥次㐂多 捕物道中 (84分・1959年・東映京都・監:沢島忠) 14.鞍馬天狗 (87分・1959年・東映京都・監:マキノ雅弘) 13.忠臣蔵 櫻花の巻 菊花の巻 (183分・1959年・東映京都・監:松田定次) 15.お染久松 そよ風日傘 (91分・1959年・東映京都・監:沢島忠) 16.いろは若衆 花駕篭峠 (86分・1959年・東映京都・監:河野壽一) 17.恋山彦 (93分・1959年・東映京都・監:マキノ雅弘) 18.江戸の悪太郎 (91分・1959年・東映京都・監:マキノ雅弘) 20.若殿千両肌 (65分・1961年・東映京都・監:山下耕作)
関の彌太ッぺ (89分・1963年・東映京都・監:山下耕作)
19.ひばりの森の石松 (83分・1960年・東映京都・監:沢島忠) 21.赤穗浪士 (151分・1961年・東映京都・監:松田定次) 22.水戸黄門 助さん格さん大暴れ (92分・1961年・東映京都・監:沢島忠) 23.江戸っ子繁昌記 (86分・1961年・東映京都・監:マキノ雅弘) 24.若さま侍捕物帖 黒い椿 (94分・1961年・東映京都・監:沢島忠) 25.港まつりに来た男 (90分・1961年・東映京都・監:マキノ雅弘) 26.瞼の母 (83分・1962年・東映京都・監・脚:加藤泰) 28.天草四郎時貞 (101分・1962年・東映京都・監:大島渚) 27.暴れん坊一代 (88分・1962年・東映京都・監:河野寿一・原:尾崎士郎) 29.きさらぎ無双剣 (93分・1962年・東映京都・監:佐々木康) 30.忍者秘帖 梟の城 (91分・1963年・東映京都) 31.十七人の忍者 (99分・1963年・東映京都・監:長谷川安人) 32.右京之介巡察記 (92分・1963年・東映京都・監:長谷川安人) 33.十三人の刺客 (126分・1963年・東映京都・監:工藤栄一) 34.大殺陣 (118分・1964年・東映京都・監:工藤栄一) 35.集団奉行所破り (90分・1964年・東映京都・監:長谷川安人) 37.大喧嘩 (94分・1964年・東映京都・監:山下耕作) 36.忍者狩り (87分・1964年・東映京都・監:山内鉄也) 38.十兵衛暗殺剣 (86分・1964年・東映京都・監:倉田準二) 39.仇討 (103分・1964年・東映京都・監:今井正) 40.幕末残酷物語 (100分・35mm, 白黒・1964年・東映京都・監:加藤泰) 41.沓掛時次郎 遊俠一匹 (90分・1966年・東映京都・監:加藤泰) 42.十一人の侍 (100分・1967年・東映京都・監:工藤栄一)
上映作品詳細
1旗本退屈男捕物控 前後編
- 12015年4月28日3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2015年5月24日4:00 PM@長瀬記念ホール OZU
旗本退屈男捕物控 前編 七人の花嫁(68分・35mm,白黒)
旗本退屈男捕物控 後編 毒殺魔殿(66分・35mm, 白黒)
『寶の山に入る退屈男』(新興キネマ、1938)以来12年ぶりに製作が再開された市川右太衛門主演人気シリーズの戦後第1作。雲州松平家江戸屋敷で毒殺騒動が起り、妻・お梶との生活を満喫していた早乙女主水之介が事件の解決に乗り出す。製作の東横映画は翌年、太泉映画、東京映画配給と合併し、東映が誕生する。
2新選組鬼隊長(114分・35mm, 白黒)
- 2015年4月28日7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2015年5月8日3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
子母澤寛の「新選組始末記」の最初の映画化。新選組が池田屋襲撃事件で名を挙げてから戊辰戦争で敗れるまでを、隊長・近藤勇の人間的な苦悩を中心に描く。村上元三の小説を映画化した『新選組』3部作(1952、萩原遼監督)で架空の隊士・秋葉守之助を演じた千恵蔵が、本作で初めて近藤勇役を演じた。
4侍ニッポン 新納鶴千代(94分・35mm,白黒)
- 2015年4月29日1:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2015年5月7日7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
大老井伊直弼の落胤・新納鶴千代の波瀾万丈の物語。郡司次郎正による小説の3度目の映画化で、大河内傳次郎、阪東妻三郎に続き鶴千代を演じた東千代之介が陰影のある役柄を得て彼の代表作となった。井伊直弼には師の坂東簑助(後に八代目坂東三津五郎)が扮している。
3血槍富士(94分・35mm, 白黒)
- 2015年4月7日3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2015年4月25日4:00 PM@長瀬記念ホール OZU
中国での8年にわたる抑留生活を終えて帰国した内田吐夢の戦後第1作。戦前の『道中悲記』(1927、井上金太郎監督)のリメイクで、主人のお供で道中を続ける下男(片岡)が、つまらぬことから殺されてしまった主人の仇討ちを果たす。クライマックスの、のたうち回るような激しい殺陣場面の演出に、内田のエネルギーがほとばしる。
5黒田騒動(108分・35mm, 白黒)
- 2015年4月7日7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2015年4月26日1:00 PM@長瀬記念ホール OZU
歴史上有名なお家騒動を内田吐夢が重厚に描いたドラマ。筑前黒田藩で名家老・栗山大膳(片岡)が事態の解決に奔走する。東映現代劇や「忍びの者」シリーズなどでも活躍した高岩肇による脚本で、キリシタン弾圧や幕府の外様大名つぶしなどの主題が巧みに織り込まれた。
6父子鷹(96分・35mm, 白黒)
- 2015年4月29日4:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2015年5月15日3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
子母澤寛の読売新聞連載小説を映画化。無学で世才にうといが、正義感に溢れた御家人・勝小吉が、息子の麟太郎(海舟)に大成の希望を託して育て上げる姿を描く。当時13歳の北大路欣也が麟太郎役で映画デビューし、実父である市川右太衛門と(役柄の上でも)親子共演を果たした。
7暴れん坊街道(95分・35mm, 白黒)
- 2015年4月8日3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2015年4月24日7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
「滋野井の子別れ」として親しまれている近松門左衛門の浄瑠璃を、依田義賢の脚本によって映画化した意欲作。重野(山田)と与作(佐野)は許されぬ恋ゆえ引き裂かれ、子までも手放すが、やがて宿場町で皮肉な再会を果たす。情愛と制度に引き裂かれる男女を演じた山田五十鈴と佐野周二の好演が光る。
9任俠東海道(105分・35mm, カラー)
- 2015年4月8日7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2015年4月25日1:00 PM@長瀬記念ホール OZU
前年の『任俠清水港』(松田定次監督)に続く次郎長ものの「東映オールスター映画」正月大作。講談や浪曲で有名な荒神山の喧嘩を描く。千恵蔵が清水次郎長、右太衛門が吉良の仁吉に扮し、それぞれ前半と後半で物語の中心となり、見せ場を作っている。
8阿波おどり 鳴門の海賊(89分・35mm, 白黒)
- 2015年4月30日3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2015年5月23日4:00 PM@長瀬記念ホール OZU
マキノが戦前に長谷川一夫主演で撮った『阿波の踊子』(1941)を、大友柳太朗主演・シネマスコープ撮影でセルフリメイク。阿波の豪商が国家老の私欲によって磔刑に処せられてから7年、当地に1人の男が帰ってくる…。前作同様、男女の情愛場面や群衆の阿波踊り場面はさすがのマキノ演出である。
10丹下左膳(100分・35mm, カラー)
- 2015年4月30日7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2015年5月16日1:00 PM@長瀬記念ホール OZU
大河内傳次郎や阪東妻三郎ら、名だたる時代劇俳優が演じてきた隻眼隻手の怪剣士・丹下左膳に、大友柳太朗が初めて挑んだ作品。原作の虚無的な左膳像とは異なり、大友の持ち味を生かした、明朗でユーモラスなヒーローの誕生となった。本作を含め計5本のシリーズ作品が作られた。
11大江戸七人衆(92分・35mm, カラー)
- 2015年5月1日3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2015年5月24日1:00 PM@長瀬記念ホール OZU
勝川縫之助率いる旗本一派が、勝川に恨みを抱く上席旗本松平帯刀があやつるやくざの鬼神組によって執拗な攻撃を受ける。勝川は事を荒立てることを好まず、江戸を離れるが…。若手の伏見扇太郎、南郷京之助、尾上鯉之助を加えた七人衆が活躍。東映スターシステムの層の厚さが堪能できる一篇。
12殿さま弥次㐂多 捕物道中(84分・35mm, カラー)
- 2015年4月9日3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2015年4月26日4:00 PM@長瀬記念ホール OZU
前年に作られた『殿さま弥次㐂多 怪談道中』の姉妹篇で、中村錦之助・賀津雄兄弟がそれぞれ尾張と紀州の若殿に扮し、騒動や陰謀に巻きこまれながら道中をくり広げる。監督も引き続き沢島忠が当たり、喜劇やミステリー、アクションといった複数のジャンルを縦横無尽に演出している。
14鞍馬天狗(87分・35mm, カラー)
- 2015年4月9日7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2015年4月22日3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
1920年代から何度も映画化されてきた大佛次郎原作の最初のカラー映画化で、マキノにとっては『鞍馬天狗 角兵衛獅子の巻』(1938、松田定次と共同監督)以来となった。鞍馬天狗(東)と恋仲の芸妓にひばりが扮し、京の芸妓から仕込まれた京都弁や仕草を綺麗にこなしてマキノを感嘆させたという。
13忠臣蔵 櫻花の巻 菊花の巻(183分・35mm, カラー)
- 2015年5月2日12:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2015年5月21日6:00 PM@長瀬記念ホール OZU
東映製作としては1956年の『赤穗浪士 天の巻 地の巻』(松田定次監督)以来3年ぶりとなる、オールスター正月大作の「忠臣蔵」映画で、この年の配給収入第1位となる大ヒットを記録した。浅野内匠頭(中村)が勅使・院使の接待役を命じられるところから、浪士たちによる吉良邸討入りまでを重厚に描く。
15お染久松 そよ風日傘(91分・35mm, カラー)
- 2015年4月10日3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2015年5月9日1:00 PM@長瀬記念ホール OZU
多くの歌舞伎や人形浄瑠璃狂言が作られた「お染久松」の物語を映画化したもので、『いろは若衆 ふり袖ざくら』(1959)に続いて美空ひばりと里見浩太郎が共演し、歌い踊る時代劇ミュージカル。ひばりは利発で行動力のある商家の娘・お染と純朴な田舎娘・お光の対照的な2役を演じる。
16いろは若衆 花駕篭峠(86分・35mm, カラー)
- 2015年5月2日4:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2015年5月20日3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
老中の子に生まれながら町火消に育てられたお雪(美空)が、男姿に身を変えて東海道を西へ向かう。道中、若い旅人・津波の小五郎(里見)に出会った雪太郎(=お雪)は、一人の男から密書を預かる。「うぐいすコンビ」と呼ばれた美空ひばりと里見浩太郎主演の歌う股旅映画。
17恋山彦(93分・35mm, カラー)
- 2015年4月10日7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2015年5月10日1:00 PM@長瀬記念ホール OZU
マキノが1937年に日活で阪東妻三郎主演の2部作として撮ったヒット作を、大川橋蔵主演でセルフリメイク。前作同様、橋蔵が平家の末裔で豪放磊落な若武者・伊那の小源太と虚無的な素浪人・島崎無二斉の2役を務める。五代将軍綱吉の治世、小源太は横暴を重ねる大老・柳沢吉保(柳)を討つため立ち上がる…。
18江戸の悪太郎(91分・35mm, カラー)
- 2015年4月11日1:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2015年4月23日3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
貧乏長屋で寺子屋を営む浪人・剣持三四郎は1人の家出娘を預かることになった。一方、崖を見下ろす旗本が怪しげな祈祷師と共謀して長屋の買収を企てる。マキノ雅弘が戦前の同名作品(1939)をセルフリメイク。主演は嵐寛壽郎から大友柳太朗に変わり、作品の仕上がりも明朗さを増している。
20若殿千両肌/関の彌太ッぺ
- 2015年4月12日12:30 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2015年4月24日3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
若殿千両肌(65分・35mm, 白黒)
山下耕作の監督デビュー作で、前年東映に入社した沢村訥升(後に九代目澤村宗十郎)の主演第1回作品。勝浦藩の若殿・稲葉桐太郎(沢村)が密貿易で私腹を肥やす国家老・平山主膳(加賀)の悪事を暴いて活躍する。
関の彌太ッぺ(89分・35mm, カラー)
十年前、自分が助けた小夜(十朱)が同じ稼業の森介(木村)に苦しめられていることを知った渡世人・弥太郎(中村)は、小夜の家に乗り込み彼女を救う。むくげの花が咲く垣根越しに、弥太郎は小夜に十年前と同じ言葉を語りかける…。山下耕作が情感豊かに描いた股旅映画の名作。
19ひばりの森の石松(83分・35mm, カラー)
- 2015年4月11日4:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2015年4月22日7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
めでたく次郎長(若山)の子分となった森の石松(美空)が、金比羅代参へ赴く道中、ひょんなことから丸亀藩の千恵姫(植木)と出会い、あくどい家臣たちから姫を守ることに…。助けた亀に連れられて行く竜宮城やラストのボウリング場面など、沢島監督らしい夢と遊び心に満ちたスター映画。
21赤穗浪士(151分・35mm, カラー)
- 2015年5月1日6:30 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2015年5月19日3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
東映創立10周年記念のオールスター「忠臣蔵」映画で、松田定次が3たび監督に当たり、またもやこの年の配給収入第1位の大ヒットとなった。大石内蔵助(片岡)と千坂兵部(市川)が親友であるなど自由な設定がなされているのが特徴。松田の異母弟であるマキノ雅弘がB班を担当したとされる。
22水戸黄門 助さん格さん大暴れ(92分・35mm, カラー)
- 2015年5月3日1:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2015年5月19日7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
月形龍之介主演の「水戸黄門」シリーズ最終第14作。当時売り出し中の松方弘樹と北大路欣也が、水戸光圀の家臣になる前の、青年期の助さんと格さんに抜擢され、正義感に溢れる若者を溌剌と演じる。「新人登用試験」や藩政における不正や腐敗の描写など、現代風刺がてんこ盛りの1作。
23江戸っ子繁昌記(86分・35mm, カラー)
- 2015年4月12日4:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2015年4月23日7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
落語の「芝浜」に青山播磨とお菊の悲恋を合わせて脚色。中村錦之助が酒好きの魚屋と悲劇の旗本の2役を熱演し、2つのエピソードをマキノ雅弘が鮮やかな対比で描いている。大金を拾うが夢だったと聞かされ落胆する勝五郎(中村)。その枕元に、妹のお菊(小林)が現れる…。
24若さま侍捕物帖 黒い椿(94分・35m, カラー)
- 2015年4月14日3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2015年5月9日4:00 PM@長瀬記念ホール OZU
シリーズ第9作。静養のため伊豆大島を訪れた若さまの前に現れた1人の美女、そしてその周囲で起こる連続殺人事件。本格的な謎解きとどんでん返しが繰り広げられる「ロマンティック・スリラー」(沢島)で、最高作の呼び声も高い。
25港まつりに来た男(90分・35mm, カラー)
- 2015年4月14日7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2015年5月10日4:00 PM@長瀬記念ホール OZU
南国のある港町を訪れ、神業のような居合抜きで喝采を浴びる大力大五郎(大友)。それは、かつて恋人・お夕(丘)との仲を藩主に引き裂かれた漁師・彦一の仮の姿であった。七夕祭りの伝説に重なる宿命的な悲恋が、港祭りに集まった人々のエネルギーを背景に描かれる。
26瞼の母(83分・35mm, カラー)
- 2015年4月15日3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2015年5月23日1:00 PM@長瀬記念ホール OZU
長谷川伸による名高い戯曲の6度目の映画化。錦之助が主演を予定していた作品が延期となり、急遽代替でお鉢が廻ってきた加藤泰が、わずか15日間で撮影した。全篇セット撮影、倉田準二によるB班撮影の同時進行そして長廻しの多用という苦肉の策は、股旅映画を代表する名作となって結実した。
28天草四郎時貞(101分・35mm, 白黒)
- 2015年4月21日7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2015年5月13日3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
江戸時代初期に民衆蜂起を率いた少年・天草四郎に題材を採った大島渚唯一の東映作品。娯楽の王道をゆく東映時代劇に「60年安保」から連なる政治運動の戦術論を持ち込んだ問題作で、天草四郎(大川)とその理解者・岡新兵衛(大友)が長い議論を戦わせる。
27暴れん坊一代(88分・35mm, カラー)
- 2015年5月3日4:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2015年5月21日3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
斎藤弥九郎の道場で麒麟児と謳われながら出世を阻まれた柏十三郎(大友)は、その後、東海道を行く大名行列を次々と止めて評判を集めるようになった。だが、桜田門外の変をきっかけに、その心中にも微妙な変化が生じる。悲哀感溢れる「行列十三」を大友柳太朗が熱演。
29きさらぎ無双剣(93分・35mm, カラー)
- 2015年4月15日7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2015年5月7日3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
京都新聞の連載小説を原作に、江戸の町に大混乱を起こし、江戸城を襲おうとする者たちの陰謀に立ち向かう男たちの姿が描かれる。立ち回りの鮮やかな近衛十四郎を相手に、右太衛門もキレの良い殺陣を披露しており、本人も特に気に入っていたという。
30忍者秘帖 梟の城(91分・35mm, カラー)
- 2015年4月16日3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2015年5月17日1:00 PM@長瀬記念ホール OZU
司馬遼太郎の出世作にして直木賞受賞作を映画化。この当時、五味康祐の「柳生武芸帳」(1956-58)を皮切りに、政治抗争の渦中で非情な仕事を命じられる忍者を描いた小説や漫画が多く登場し、「忍者ブーム」が起こった。一族を織田信長に殺された伊賀忍者の重蔵(大友)が、太閤秀吉(織田)とその配下の忍者に復讐の戦いを挑む。
31十七人の忍者(99分・35mm, 白黒)
- 2015年4月16日7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2015年5月16日4:00 PM@長瀬記念ホール OZU
二代将軍秀忠の死期が迫る中、家光の弟・忠長が集めた謀反の連判状を奪うため、駿府城に潜入を試みる伊賀の甚伍左(大友)率いる忍者たちと、それを迎え撃つ根来忍者才賀孫九郎(近衛)の攻防。脚本の池上金男と新人監督長谷川安人が、任務遂行に命を捧げる忍びの非情な世界を描き、「集団抗争時代劇」ブームの先駆けとなった。
32右京之介巡察記(92分・35mm, カラー)
- 2015年5月5日1:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2015年5月15日7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
諸藩の政道を調査する巡察使・瀬名伝右衛門は、老中・酒井雅楽頭(小沢)らの陰謀によって切腹させられる。伝右衛門の子・市太郎は復讐を誓いながら秩父忍者の道鬼(東野)の下で修業を重ね、成人を迎えるが…。橋蔵が父子2役を演じ、翌年には続篇『柴右京之介 逆一文字斬り』が作られた。
33十三人の刺客(126分・35mm, 白黒)
- 2015年4月17日3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2015年5月12日7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
「集団抗争時代劇」の代表作。旗本・島田新左衛門(片岡)は、老中・土井利位(丹波)から、将軍の弟で明石藩藩主の暴君・松平斉韶(菅)の暗殺を命じられ、刺客衆を組織する。13人が明石藩の軍師・半兵衛(内田)率いる53騎と激しい戦いを繰り広げる後半の乱闘場面が見所。
34大殺陣(118分・35mm, 白黒)
- 2015年4月17日7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2015年5月17日4:00 PM@長瀬記念ホール OZU
将軍・家綱の後継に甲府宰相・綱重を擁立し実権を握ろうとする大老(大友)の企みを阻止すべく、軍学者・山鹿素行(安倍)のもとに結集した一党が綱重暗殺を計画する。『十三人の刺客』の工藤栄一と池上金男コンビによる「集団抗争時代劇」。クライマックスの襲撃シーンには、安保闘争のニュース映画の音声が加えられている。
35集団奉行所破り(90分・35mm, 白黒)
- 2015年5月5日4:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2015年5月13日7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
庶民から愛された大阪屈指の廻船問屋・善右衛門。その財産を狙って彼を処刑した東町奉行松平右近将監(原田)に復讐するため、元海賊の一味が奉行所襲撃を計画する。小国英雄が脚本を執筆。関西弁を取り入れテンポも鮮やかな異色の時代劇。
37大喧嘩(94分・35mm, カラー)
- 2015年4月18日1:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2015年5月8日7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
大川橋蔵が『関の彌太ツペ』に刺激を受け、山下監督に依頼したとされる作品。浅間山の噴煙をのぞむ甲州・小田井宿に、草鞋を履いていた勝場一家の秀次郎(大川)が3年ぶりに帰ってきてみると、行く末を誓った女(十朱)は弟分(穂高)の女房になり、一家は抗争の火種を抱えていた…。
36忍者狩り(87分・35mm, 白黒)
- 2015年5月6日1:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2015年5月14日7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
外様藩取潰しを進める将軍家光の命を受け、伊予松山二十万石の蒲生家から家督相続のお墨付きを奪うため集められた忍者・闇の蔵人(天津)とその一味。一方、蒲生家城代家老会沢・土佐は藩を潰された4人の浪人を雇いこれを迎え撃つ。新鋭・山内鉄也の監督デビュー作。
38十兵衛暗殺剣(86分・35mm, 白黒)
- 2015年4月18日4:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2015年5月12日3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
近衛十四郎が主演した「柳生武芸帳」シリーズの第9作で、柳生新蔭流の正統を名乗る剣客が十兵衛に反旗を翻す。近衛と大友柳太朗の、琵琶湖上での一騎打ちは時代劇映画史上でも屈指の迫力。監督の倉田準二は、その後テレビ映画「仮面の忍者 赤影」(1967-68)でも成功を収めた。
39仇討(103分・35mm, 白黒)
- 2015年4月21日3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2015年5月20日7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
橋本忍のオリジナル脚本を映画化した、一本立て興行用の大作。自分の身を守るために殺人を犯すも、家名と藩の規律を守るために理不尽に殺される下級武士を描く。前半の主人公の日常生活の淡々とした描写が、最後の仇討場面の激しい殺陣を際立たせている。
40幕末残酷物語(100分・35mm, 白黒)
- 2015年4月19日1:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2015年5月22日7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
新選組に入隊したひ弱な若者・江波三郎(大川)が非情な組織の戒律の中で変貌を遂げてゆく。だが、三郎は実は近藤勇(中村)らに暗殺された芹沢鴨(原田)の甥であることが発覚する。残酷時代劇ブームの渦中で加藤泰が監督した1本で、大川橋蔵がイメージの一新を図った意欲作でもある。
41沓掛時次郎 遊俠一匹(90分・35mm, カラー)
- 2015年5月6日4:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2015年5月22日3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
言わずと知れた名作戯曲の8度目の映画化で、股旅映画の傑作。すでに時代劇映画が衰退した時期に、加藤泰と中村錦之助が時代劇再興の想いをこめて作った。気のいいやくざ・身延の朝吉(渥美)とやくざ志望の若者・昌太郎(岡崎)は、脚本の鈴木尚之と掛札昌裕による創作だが、この2人の存在が物語をより陰影の深いものにしている。
42十一人の侍(100分・35mm, 白黒)
- 2015年4月19日4:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2015年5月14日3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
『十三人の刺客』『大殺陣』に続く、工藤栄一による「集団抗争時代劇」。武蔵国の忍藩は、藩主・阿部正由(穂高)が将軍の弟で館林藩藩主・松平斉厚(菅)によって殺されてしまい、取り潰しの危機に瀕する。次席家老の命を受けた仙石隼人(夏八木)は、同志と共に斉厚暗殺の任に赴くが…。