過去の上映
- 2024.7.30 - 8.23
- 上映企画
返還映画コレクション(2)
――第一次/二次・劇映画篇
Repatriated Film Collection [Part 2]: Fiction Films, 1928-1945
会 期 2024年7月30日(火)-8月23日(金)※会期中の休館日:月曜日
会 場 長瀬記念ホール OZU(2階)
定 員 310名(各回入替制・全席指定席)
概要
東京国立近代美術館が1968年に「返還映画」を冠した特集上映を組んで以来、およそ半世紀ぶりの開催となった昨年度の「第一次・劇映画篇」に続き、「返還映画コレクション(2)――第一次/二次・劇映画篇」を開催します。アメリカ議会図書館に約1,400本におよぶ戦前・戦中期の日本映画が残存している事実が判明したのは、1964年のことです。日米双方による事前調査と折衝を経て、1967年11月8日に「交換協定文書」が調印され、日本側が返還を希望した可燃性フィルム群が里帰りを果たしました。その後の困難な整理・不燃化作業を経て、国立映画アーカイブの基盤となるコレクションを形成した「返還映画」の中には、戦時期に米国内の各地で日系人から接収されたものや、戦後に民間情報教育局(CIE)の覚書「非民主的映画の排除」によって上映を禁止された劇映画の一部等が含まれていました。このたび当館では、1967年の第一次から1984年の第四次にかけて返還された可燃性フィルムの収蔵時の経緯等について再調査を実施し、収蔵時期の明確になったコレクションから順次(再)公開する運びとなりました。
本企画は、社団法人・日本映画製作者連盟(当時・以下映連)加盟の大手映画会社4社(松竹、東宝、大映、日活)が優先的に返還を希望した第一次返還映画を継続して採り上げるとともに、映連各社が原版を所持していたために実際は返還を受けていないにも拘らず、「返還映画の特集〈第二期〉」(1968)で上映された作品群、ならびに第一次返還時に誤送されてきた『高山彦九郎』(1928)や『日本剱豪傅 新月寶藏院流』(1945)と併映する第二次返還映画を含め、計27本の劇映画を24プログラムに組んで上映する回顧特集です。戦前・戦中期に公開された映画の光と影に新たな視線を注ぐ機会となれば幸いです。皆様のご来場をお待ちしております。
■(監)=監督・演出 (原)=原作・原案 (脚)=脚本・脚色 (撮)=撮影 (美)=美術 (音)=音楽 (出)=出演
■スタッフ、キャスト欄の人名は原則として公開当時の表記を記載しています。
■上映分数は、当日のものと多少異なることがあります。
■返還された可燃性フィルムの状態や現像処理時の不具合等により、音声レベルが極端に変動するなど、音声の聞き取りづらい作品が多く含まれています。
■不完全なプリントや状態の悪いプリントが含まれていることがあります。
■NEWとある作品はニュープリントでの上映です。
上映作品詳細
第一次返還映画
1右門捕物帖 拾萬兩秘聞(75分・35mm・白黒)
- 2024年8月2日(金) 4:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2024年8月7日(水) 7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
大阪城から江戸へ十万両を運搬していた一行が鈴ヶ森で煙に巻かれ、金は何者かに盗まれてしまった。松平伊豆守(香川)の命を受けた同心の近藤右門(嵐)とライバルの村上敬四郎(志村)が行方を追うが…。アラカンの右門、志村喬のあば敬という布陣で人気を博した「右門捕物帖」シリーズの一本。
2白蘭の歌 [総集篇](102分・35mm・白黒)
- 2024年8月1日(木) 7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2024年8月10日(土) 3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
満鉄の技師(長谷川)と満洲の豪族の娘(李)が互いを想いながらも周囲の策謀と時流によって引き裂かれていく。東宝映画と満洲映画協会の提携によって製作された歌謡映画。この作品のヒットを受けて、長谷川一夫と李香蘭(山口淑子)の共演作が続けて製作され、「大陸3部作」と称されるようになった。オリジナルは前篇77分、後篇66分の二部構成。
8月10日(土) 3:00 PM ★講演付上映
上映後に韓燕麗氏(東京大学大学院総合文化研究科教授)による講演(約40分)があります。
3絹代の初戀(82分・35mm・白黒)
- 2024年7月30日(火) 7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2024年8月6日(火) 3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
せんべい屋を切り盛りする絹代(田中)は父(河村)と妹(河野)の3人暮らし。妹は勤務先の社長の息子(佐分利)に好かれるも相手にしない。一方で、絹代は偶然出会ったその息子に一目惚れする。「愛染かつら」シリーズ(1938-1939)に続く野村浩将と田中絹代のコンビで、松竹大船らしいメロドラマ的要素が散りばめられている。
4熱砂の誓ひ [前後篇](123分・35mm・白黒)
- 2024年8月2日(金) 6:40 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2024年8月18日(日) 4:15 PM@長瀬記念ホール OZU
東宝映画と映画法施行を受けて設立された華北電影の提携による「大陸3部作」の第3作。土木技師の杉山(長谷川)は日本で声楽を学ぶ中国人の芳梅(李)と恋に落ちる。やがて北京で道路建設の指揮を執っていた兄(江川)が無念の死を遂げ、杉山はその遺志を継いで道路を完成させようとする。
5櫻の國(80分・35mm・白黒・不完全)
- 2024年8月6日(火) 7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2024年8月9日(金) 1:00 PM@長瀬記念ホール OZU
日中戦争の初期、宜撫官(文化工作員)として中国での任務に生きがいを見出していく三郎(上原)、彼への想いを断ち切ることができない新子(水戸)、秘かに三郎を慕いつつ二人を見守るヒカル(高峰)。華北電影の提携で大規模な中国ロケを敢行し、戦時下に人生を左右される三人の男女を描いた恋愛もの。オリジナルは105分で結末部分に欠落がある。
6兵六夢物語(67分・35mm・白黒)
- 2024年8月3日(土) 7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2024年8月9日(金) 4:00 PM@長瀬記念ホール OZU
鹿児島の伝承にもとづく獅子文六の児童小説を原作とした道徳映画。市川崑が製作主任(助監督)、円谷英二(圓谷英一)が特殊技術を手がけている。薩摩の下級侍・兵六(榎本)は母想いの青年だが、生来の気の弱さで失敗を繰り返していた。ある日、化け物が出るという森に入った兵六は不思議な少女(高峰)に出会い…。
7重慶から來た男/國際密輸團(計123分)
- 2024年8月7日(水) 3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2024年8月18日(日) 1:00 PM@長瀬記念ホール OZU
重慶から來た男(69分・35mm・白黒・不完全)
国内の軍需工場に潜入したスパイが工場労働者に不正行為を働きかけ、生産力の減退を図る。生産の増強を託された工員の落合(水島)が身を挺してこの陰謀を防ぐという防諜活劇。大都映画の二枚目スターだった水島道太郎が、戦時統合により日活、新興キネマと合併してできた大映で活躍し始めた頃の作品。全8巻のうち7巻目が欠落。
國際密輸團(54分・35mm・白黒・不完全)
明治初年の横浜で、税関長(市川)がイギリス公使の密令によるアヘン密輸団の陰謀を暴く敵愾心昂揚映画。国際密輸団の輩下との銃撃戦や、密輸団が右太衛門の裁きにかけられる結末のシーンなどは戦時期らしい緊迫感に満ちている。オリジナルは65分で、冒頭のクレジットや前半部分に欠落がある。
日本国内に原版が残存していた「返還映画」
アメリカ議会図書館が所蔵していた可燃性フィルム・リストの中には、日本国内にネガまたはマスターポジが残存している作品が多数含まれていた。同作品群のうち主要作については、米国からの返還を受けずに映連各社から 16mmプリント(大映の『山參道』は35mm)を収蔵し、「返還映画の特集〈第二期〉」(1968)で上映された。なお、1968年以降に35mmで新規収蔵した作品については同プ リントで上映する。
8地熱(85分・16mm・白黒)
- 2024年8月8日(木) 3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2024年8月10日(土) 7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
三好十郎のプロレタリア劇を滝沢英輔が映画化。黒澤明が製作主任(助監督)を務めている。炭鉱町の小料理屋で働く加代(竹久)は渡り人夫の留吉(藤井)を世話するうちに彼に想いを寄せる。留吉は金銭に対して異常な執着を燃やす男で、やがて加代を放って故郷の信州へ帰っていくが…。
9逢魔の辻(92分・16mm・白黒)
- 2024年8月8日(木) 7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2024年8月16日(金) 1:00 PM@長瀬記念ホール OZU
大佛次郎の新聞小説の映画化。開国か鎖国かで揺れる幕末。旗本の妾腹ゆえに父に背き、長屋で母や仲間たちと無頼な生活を楽しむ金五郎(河原崎)が、賭場のいざこざで同心(中村翫右衛門)を傷つけて流刑となり、以後、二人は数奇な運命を辿っていく。このあと京都を舞台にした原作の後半も映画化されるはずだったが実現しなかった。
10信子(90分・35mm・白黒)
- 2024年8月11日(日) 4:30 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2024年8月16日(金) 7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
獅子文六の同名小説を映画化。九州から上京し、私立女学校に赴任した体操教師の信子(高峰)が実直に生徒たちに向き合い、権威的な校風に変化をもたらしていく。戦前の女性たちによる学校共同体をとおして、集団のなかの個人の尊厳を問いかける清水宏の視線の清冽さが尊い。「返還映画の特集〈第二期〉」で使用された16mmではなく、1984年に第四次返還映画として収蔵した可燃性ポジをもとに作製された35mmを上映。
11支那の夜 [前後篇](126分・35mm・白黒)
- 2024年7月31日(水) 6:40 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2024年8月17日(土) 12:30 PM@長瀬記念ホール OZU
東宝映画と中華電影公司の提携による「大陸3部作」の第2作。貨物船の船員・哲夫(長谷川)は、上海で桂蘭(李)という娘を助ける。日本人に悪感情を抱いていた桂蘭だったが、哲夫の優しさに触れ、二人は次第に惹かれ合っていく。音楽映画に定評のある伏水修が監督を務め、空前の大ヒットを記録した。「返還映画の特集〈第二期〉」で上映されたのは『蘇洲夜曲“支那の夜”より』と戦後に改題・短縮された16mm(89分)。第二次返還映画の前後篇(35mm)を上映。
8月17日(土) 12:30 PM ★オンライン講演付上映
上映後に板倉史明氏(神戸大学大学院国際文化学研究科教授)による講演(約40分)があります。
■台風7号の接近に伴い、8月17日(土)12:30-『支那の夜』の上映後に予定している板倉史明氏(神戸大学大学院国際文化学研究科教授)のご講演は、オンライン講演に変更になりました。 ご理解の程、何卒よろしくお願い申し上げます。
12皇紀二千六百年記念映画 燃ゆる大空(101分・16mm・白黒)
- 2024年8月4日(日) 4:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2024年8月13日(火) 3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
陸軍飛行学校の元教官だった航空部隊の中隊長(大日方)が、かつての教え子たちを率いて戦火をくぐり抜けていくが、やがて一人また一人と部下を失っていく。陸軍省の後援により九七式戦闘機の実機を大量に投入して撮影。円谷英二と奥野文四郎による特殊技術撮影も高く評価された。
13闘魚 [前後篇](125分・16mm・白黒)
- 2024年8月1日(木) 3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2024年8月11日(日) 1:00 PM@長瀬記念ホール OZU
丹羽文雄の新聞小説を原作に、厚生省の後援により結核撲滅の宣伝映画として製作された。東宝の文芸部にいた池部良が島津保次郎に見出され、俳優デビューを飾っている。出征した婚約者の帰りを待つ笙子(里見)は結核に罹った不良の弟・清(池部)のために高額の治療費を捻出する必要に迫られる。
14指導物語(111分・35mm・白黒)
- 2024年8月17日(土) 7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2024年8月23日(金) 1:00 PM@長瀬記念ホール OZU
NEW
軍用列車の老機関士(丸山)と若い機関兵(藤田)の指導を通じた心の交流を描く。第二次大戦直前の時世を反映した国策映画であると同時に、鉄道省の後援のもと、実際のC58 形蒸気機関車のディテールをあますところなく捉えた鉄道映画としても特筆すべき作品。
15わが愛の記(99分・16mm・白黒)
- 2024年8月13日(火) 7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2024年8月20日(火) 3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
陸軍病院の看護師であるさと子(山岸)は、前線での負傷のため下半身不随となった兵士・山田(遠藤)の境遇に深く同情し、結婚を決意する。傷痍軍人との結婚をテーマにした作品だが、それを決して美談としては描いておらず、豊田の抵抗の姿勢が伺える。41年の戦時統合によって東宝映画に吸収された東京発聲の最後の作品となった。
16八十八年目の太陽(101分・35mm・白黒)
- 2024年8月14日(水) 3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2024年8月20日(火) 7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
NEW
高田保の戯曲を原作として、日中戦争のさなかに海軍省の後援によって製作された。統制下での浦賀ドックの様子が克明に収められている。浦賀ドックで帝国海軍の駆逐艦の造船に従事する深見鉄平(徳川)は、東京から帰った長男(大日方)ら家族とともに戦時体制下の困難に立ち向かっていく。
17川中島合戰(119分・35mm・白黒)
- 2024年7月30日(火) 3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2024年8月4日(日) 1:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2024年8月23日(金) 7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
上杉謙信(市川)と武田信玄(大河内)の合戦を、上杉軍の荷駄組の百蔵(長谷川)らによる物資輸送の行軍を中心に、リアリズムで描いた大作時代劇。戦意高揚を目論んで製作されたが、百蔵と旅の女・お篠(山田)のロマンスなどを絡ませ、人間ドラマとしても膨らみをもたせている。「全巻に横溢している黒の魅力」で日本映画撮影者協会の最優秀撮影賞を受賞。「スターと監督 長谷川一夫と衣笠貞之助」(2008)で収蔵した35mmを上映。
18山參道(100分・35mm・白黒)
- 2024年8月2日(金) 1:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2024年8月21日(水) 3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
真船豊の戯曲を映画化。南洋の出稼ぎから東北の山村に帰郷した万三郎(中田)は、参道を石段にして寄付するなど村のために尽くし、村人たちを驚かせる。閉鎖的な村で育った利己的な叔母・おとり(杉村)と南洋帰りで楽天的な万三郎が対比されるなど、土俗的な人間描写が印象的である。
19阿片戰爭(115分・35mm・白黒)
- 2024年8月9日(金) 7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2024年8月15日(木) 3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
D・W・グリフィスの大作『嵐の孤児』(1921)を、「大東亜共栄圏」建設を訴える国策映画へと大胆に翻案。愛蘭(原)と麗蘭(高峰)姉妹の受難を通して、イギリス軍の悪事が浮き彫りになる。多数のエキストラによる群衆シーンの迫力も、戦時下のイデオロギー的戦略を支えている。「生誕100年 高峰秀子」(2024)で収蔵した35mmを上映。
20望樓の決死隊(95分・16mm・白黒)
- 2024年8月15日(木) 7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2024年8月23日(金) 4:00 PM@長瀬記念ホール OZU
満州と朝鮮の国境を日朝協働で警備する国境警察を描いた大作。南旺映画に赴いた藤本真澄が朝鮮の映画監督・崔寅奎と共に企画し、デビュー作『沼津兵学校』(1939)の成果を買って今井正を監督に起用した。時局に鑑みた活劇中心の作品ではあるが、抑制の効いた心情描写にのちの今井の力量がすでに垣間見える。松山崇による壮大なロケセットも見所。
21決戰の大空へ(90分・35mm・白黒)
- 2024年8月16日(金) 4:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2024年8月21日(水) 7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
NEW
予科練での訓練に励む少年たちと、彼らが日曜ごとに慰安に訪れる倶楽部の一家の交流を描いた国策映画。『ハワイマレー沖海戰』(1942、山本嘉次郎)に続いて土浦海軍航空隊が製作に協力。当時、「軍国の女神」とも称された原節子が訓練生と彼らに憧れる病気がちの弟を見守る女性を演じている。
22一番美しく(85分・35mm・白黒)
- 2024年7月31日(水) 3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2024年8月17日(土) 4:30 PM@長瀬記念ホール OZU
兵器用の光学レンズを製造する軍需工場で勤労に励む女子挺身隊の少女たちの姿を描いた黒澤明の監督第2作。実際に新人俳優たちを工場労働に従事させて、リアリティを打ち出すことを企図した。戦意高揚を目論んだ集団劇だが、あくまで少女ひとりひとりの日常と心理的葛藤に主眼を置いた演出が印象的。特別追悼特集「偉大なる“K”(2): 黒澤明」(2000)時に収蔵した35mmを上映。
誤送されてきた返還映画/第二次返還映画
日活の『丹下左膳 第1篇』(1933、伊藤大輔)と松竹の『南の風 瑞枝の卷』(1942、吉村公三郎)は、両社の第一次返還希望リストに掲げられていた。しかし『丹下左膳 第1篇』の代わりに『高山彦九郎』(1928)が、また『南の風 瑞枝の卷』の一部の缶には『日本剱豪傅 新月寶藏院流』(1945)が格納されてきた。誤送されてきた両作品と、次年度に特集予定の第二次返還映画(30数作品)の一部を併映する。
23高山彦九郎/貝殻一平 [第一篇](計135分)
- 2024年8月3日(土) 3:30 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2024年8月22日(木) 6:40 PM@長瀬記念ホール OZU
8月3日(土) 3:30 PM ♪伴奏付上映
伴奏:上屋安由美
高山彦九郎(64分・16fps・35mm・無声・白黒・不完全)
御大典記念映画。勤王倒幕の遊説をする志士・高山彦九郎(光岡)に逆賊としての嫌疑がかかり、行く手には追手が迫る。恋仲にある娘(小坂)も高山の後を追うが…。全体の半分以上が欠落しているものの、物語の展開に躍動感をもたらすカット割りや、空間に奥行きを与えるフレーミングなど、無声の時代劇としての創意に溢れている。オリジナルは149分。
貝殻一平 [第一篇](71分・18fps・35mm・無声・白黒)
第二次返還映画。幕末の動乱期に失踪した公卿の娘・扇子(竹久)が、同心の青木(鳥羽)らから執拗な追跡を受ける。そんな喧騒をよそに、呑気な貝殻一平(光岡)。後半、芝居小屋での目まぐるしい展開が続篇への期待を抱かせる。「収蔵映画未公開作品の上映(戦前の時代劇を集めて)」(1975)でも『高山彦九郎』と併映された。
24愛憎秘刄錄/日本剱豪傅 新月寶藏院流(計104分)
- 2024年8月14日(水) 7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2024年8月22日(木) 3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
愛憎秘刄錄(54分・35mm・白黒・不完全)
第二次返還映画。江戸の俳諧師「露滴」こと早谷(海江田)は無双の剣の使い手だった。桂小五郎(鳥羽)宛の密書を託された露滴のもとに、新撰組をはじめ次々と刺客が襲いかかる。元大都の外山凡平が東宝の海江田譲二と手がけた幕末物。オリジナルは72分だが結末部分が欠落している。
日本剱豪傅 新月寶藏院流(50分・35mm・白黒・不完全)
武術の道に精進する旅僧・宝蔵院覚禅房(大河内)への仇討ちを誓う春奈(花井)と小十郎(飯塚)の姉弟。しかし兄の左馬之助(河野)を斬ったのは、乱世に乗じて功名利得をねらう鬼神組の総帥・重左衛門(進藤)だった。東宝には1953年に『血闘柳生谷』と改題された原版(54分)が残存しているが、同版の冒頭には左馬之助が討たれる場面が確認できる。オリジナルは71分。
■チケットのオンライン発売は各上映日の3日前正午からとなります。
■チケットのオンライン完売情報は、公式チケットサイトにてご確認ください。
■各回の開映後の入場はできません。予告篇はなく、本篇から上映します。
■♪印の回は伴奏付上映です。★印の回は講演があります。
2024年7月30日(火)
11:00 AM 開館
2024年7月31日(水)
11:00 AM 開館
2024年8月1日(木)
11:00 AM 開館
2024年8月2日(金)
11:00 AM 開館
2024年8月3日(土)
11:00 AM 開館
♪伴奏:上屋安由美 23高山彦九郎/貝殻一平 [第一篇]
2024年8月4日(日)
11:00 AM 開館
2024年8月6日(火)
11:00 AM 開館
2024年8月7日(水)
11:00 AM 開館
2024年8月8日(木)
11:00 AM 開館
2024年8月9日(金)
11:00 AM 開館
2024年8月10日(土)
11:00 AM 開館
★講演:韓燕麗 2白蘭の歌 [総集篇]
2024年8月11日(日)
11:00 AM 開館
2024年8月13日(火)
11:00 AM 開館
2024年8月14日(水)
11:00 AM 開館
2024年8月15日(木)
11:00 AM 開館
2024年8月16日(金)
11:00 AM 開館
2024年8月17日(土)
11:00 AM 開館
★講演:板倉史明 11支那の夜 [前後篇]
2024年8月18日(日)
11:00 AM 開館
2024年8月20日(火)
11:00 AM 開館
2024年8月21日(水)
11:00 AM 開館
2024年8月22日(木)
11:00 AM 開館
2024年8月23日(金)
11:00 AM 開館
講演付上映登壇者
★8月10日(土) 3:00 PM 『白蘭の歌[総集篇]』上映後(約40分)
韓燕麗(東京大学大学院総合文化研究科教授)
★8月17日(土) 12:30 PM『支那の夜[前後篇]』上映後(約40分)*オンライン
板倉史明(神戸大学大学院国際文化学研究科教授)
*講演のみの参加はできません。
伴奏付上映出演者
♪8月3日(土) 3:30 PM『高山彦九郎』『貝殻一平[第一篇]』
上屋安由美(かみや・あゆみ)/作曲、ピアノ
愛知県名古屋市出身。桐朋学園大学音楽学部作曲専攻卒業、同大学研究科修了。同大学音楽学部附属子供のための音楽教室ソルフェージュ講師。これまでポルデノーネ無声映画祭、東京国際映画祭等に出演。ピアノを故・松岡晴子、三輪郁、作曲を三瀬和朗、大家百子の各氏に師事。
一般 | 高校・大学生・ 65歳以上 |
小・中学生 | 障害者手帳をお持ちの方(付添者は原則1名まで) | キャンパスメンバーズ(教職員) | キャンパスメンバーズ(学生) | |
通常料金 | 520円 | 310円 | 100円 | 無料 | ||
特別料金 (♪印の回) |
1,050円 | 840円 | 600円 | 無料 | 500円 | 400円 |
オンライン販売 | 各上映日の3日前正午から各上映回の開映15分前まで |
|||||
窓口販売 (1F) |
各上映回の開映1時間前から5分前まで若干数販売(座席選択不可) |
♪印の回は伴奏付上映です。
電子チケット購入方法
1. 本ホームページの上映日時(チケット購入)からご覧になりたい上映日時の「チケット購入」ボタンを選択。
2. 座席と券種を選択。
3. メールアドレスやクレジットカードまたはd払いの情報等必要事項を入力。
4. 申込が完了しますと、3. で入力したメールアドレスにQRコード付きのチケットが届きます。
・etix.comからのメールを受信できるよう予め設定をお願いします。
・申込済みチケットの照会はこちらの「申込済みチケット照会」を選択ください。
・詳しい購入手順の説明はこちら(PDF)をご参照ください。
・チケット購入方法についての「よくあるご質問」はこちらをご覧ください。
・未就学児、優待の方は「障害者手帳をお持ちの方または付添者等券」をお求めください。
入場方法
・チケットのQRコードをスマホ画面、または印刷紙面でご提示ください。
・学生、65歳以上、障害者手帳をお持ちの方、国立美術館のキャンパスメンバーズ、優待の方は証明できるものをご提示ください。ご提示のない方はご入場できません。
・料金区分の違うチケットでは入場できません。差額のお支払で観覧することはできません。
・各回の開映後の入場はできません。予告篇はございません。
・開場は開映30分前です。
ご注意ください!
・特集名、作品名は電子チケットに表示されませんので、お間違いないようご購入、ご提示ください。
・窓口でご購入いただける当日券は各回1名につき1枚のみです。
・チケットのオンライン完売情報は、公式チケットサイトにてご確認ください。