過去の上映
- 2016.8.9ー8.28
京橋映画小劇場No. 34
ドキュメンタリー作家 羽田澄子
Kyobashi-za No. 34
Sumiko Haneda: A Documentary Filmmaker
※平成28年7月6日から9月10日までの予定で隣接の建物において地下解体工事が行われます。これに伴い、午前11:00~午後5:00までの間、当館内でも工事の大きな音や振動の影響を受けることがございます。当館として工事会社との調整を継続しておりますが、皆様には、上映中に工事の音や振動が発生することをご理解くださいますようお願い申し上げます。
会期:2016年8月9日(火)−8月28日(日)
会場:小ホール
★各回の開映後の入場はできません。
定員:151名(各回入替制)
料金:一般520円/高校・大学生・シニア310円/小・中学生100円/障害者(付添者は原則1名まで)、キャンパスメンバーズは無料
発券:地下1階受付
・観覧券は当日・当該回のみ有効です。
・発券・開場は開映の30分前から行い、定員に達し次第締切ります。
・学生、シニア(65歳以上)、障害者、キャンパスメンバーズの方は、証明できるものをご提示ください。
・発券は各回1名につき1枚のみです。
概要
フィルムセンターは《京橋映画小劇場》第34回企画として、2009年の「ドキュメンタリー作家 土本典昭」以来7年ぶりに、日本の優れたドキュメンタリー映画監督の歩みを回顧する特集を開催します。今回は、1950年代から現在まで、幅広い対象を粘り強くとらえ続け、日本の社会や文化に新たな視座を提供している羽田澄子監督を取り上げます。
羽田監督は1926年、大連に生まれ、旅順の小学校と女学校を卒業後、1942年に東京の自由学園に進学、3年後に卒業して再び大連に戻り、同地で敗戦を迎えます。敗戦後は、大連日本人労働組合の婦人部で活動した後、1948年に引き揚げます。翌49年、自由学園時代の師・羽仁説子の薦めで岩波書店内の中谷宇吉郎研究室に入り、名取洋之助や羽仁進らと共に「岩波写真文庫」の編集に当たります(翌50年、同研究室は岩波映画製作所に改組)。1953年、羽田は羽仁進の誘いで映画製作に転身し、羽仁の監督した『教室の子供たち』(1954年)などに助監督として就いた後、1957年、農村の婦人たちがグループ学習を行う様子を追った『村の婦人学級』で監督デビューします。以後、岩波映画で1982年に定年退職するまで、数多くのPR映画・教育映画・科学映画の演出・脚本・構成・編集を手がけました。
その一方で羽田は、1977年、夫でプロデューサーである工藤充と共に初の自主映画『薄墨の桜』を完成させ、岩波ホールで行われた上映会が成功したことをきっかけに、記録映画作家として新たな道を切り拓いていきます。1981年に工藤が自由工房を設立して以降は、同プロダクションを拠点に、岩手県北上山地の麓で継承されている山伏神楽を追った大作『早池峰の賦』(1982年)や、認知症高齢者の日常を追った先駆的なドキュメタリー『痴呆性老人の世界』(1986年、企画製作は岩波映画)、十三代目片岡仁左衛門の最晩年の至芸をゆったりと捉えた『歌舞伎役者 片岡仁左衛門』六部作(1992-94年)などの話題作を次々に発表します。また近年は、自身のルーツを見つめ直すかのように、旧満洲地域への旅を自身の語りと共に記録しています。羽田の一見オーソドックスに見える記録映画は、しかし実のところ、さまざまな技法的実験や工夫に満ち、また、対象との真摯で妥協しない交わりを基にした、芯の通った演出によって貫かれています。その歩みは、日本のドキュメンタリー映画に豊かで大きな実りをもたらしてきました。
本特集は、羽田監督のデビュー作から最新作まで、計26作品を18プログラムに組んで上映し、その足跡をたどる格好の機会となります。ぜひご来場ください。
■年は製作年を記載しています。
■(監)=監督・演出 (製)=製作 (脚)=脚本 (撮)=撮影 (美)=美術 (録)=録音 (音)=音楽・音楽監督 (出)=出演 (解)=解説・ナレーション・声
■記載した上映分数は、当日のものと多少異なることがあります。
上映作品詳細
1村の婦人学級 他
- 2016年8月9日2:00 PM@小ホール
- 2016年8月20日11:00 AM@小ホール
村の婦人学級(25分・16mm・白黒)
4年間の助監督生活を経た羽田の初演出作品。滋賀県の農村を舞台に、これまで因習によって家庭の中で発言する機会を持たなかった婦人たちが一所に集い、学校教育とつながることで子どもたちをより深く理解するとともに、新時代の考え方にも目覚めてゆく。撮影にあたっては、時間をかけて地元の人々の理解を得、映画作りと並行して婦人学級も組織化されたという。
伊勢志摩の旅(20分・16mm・カラー)
伊勢神宮の解説に始まり、塩作りや真珠の養殖、そして海女たちの仕事ぶりを紹介する観光映画。郷土の歴史と現代の姿をともに提示している。
古代の美(22分・16mm・白黒)
縄文・弥生・古墳時代の土器や土偶などを紹介しながら、当時の人々の生活感情に迫ろうとした初期の代表作。ラストでは本物の埴輪を使い、躍動感あるモンタージュと巧みな音楽構成で古代人の生活を再現したが、そのために作曲の矢代秋雄とは古代美術を学ぶところから共に行動したという。動かないものに生命を与える演出は、その後も羽田の作品歴に脈々と息づいている。
もんしろちょう ―行動の実験的観察―(27分・16mm・カラー)
動物行動学者の日高敏隆に指導を仰ぎ、モンシロチョウの行動の謎をテンポよく構成された複数の実験で明らかにしてゆく羽田の自主企画。チョウの育成の煩雑さと撮影の長期化で一度は製作がピンチに陥ったが、テレビ・シリーズ「たのしい科学」など岩波映画の科学映像を牽引する牧衷とともに完成にこぎつけた。実際のチョウの行動は日高やスタッフの予想を裏切ることも多く、撮影対象が映画作りのメソッドを問い続ける点でも斬新だった。デザイン性の高いカラフルな実験装置も注目に値する。
2風俗画 近卋初期 他
- 2016年8月9日6:00 PM@小ホール
- 2016年8月21日11:00 AM@小ホール
狂言(37分・35mm・カラー)
中世の民衆演劇の高度な洗練として狂言の世界を解説し、人間国宝六世野村万蔵、三世茂山千作らの芸と向き合うとともに、地方に残る郷土狂言にも取材している。著名な演目を見せるだけでなく伝承の側面にも注目、若手への熱の入った指導の現場にもレンズを向けた。
風俗画 近卋初期(23分・35mm・カラー)
初めて庶民が絵に描かれるようになった戦国時代を民衆文化の昂揚期と捉え、「洛中洛外図」などの作品を通じて風俗画の世界を探究する。当初遠くから見た時はこれらの絵に興味を感じなかった羽田だが、小さな人物がうごめく細部を凝視することでその魅力に目覚めたという。現にこの映画でも、細部のクロースアップをたたみかけることで絵の活劇性に迫り、作品がたたえるユーモアを描出している。
法隆寺献納宝物(20分・35mm・カラー)
明治初期に法隆寺から皇室に献納され、現在は東京国立博物館の所蔵となっている飛鳥・奈良時代の工芸品や仏像などを紹介する一篇。その演出スタイルは羽田の作風には珍しく実験的で、観客を博物館へ導く少女が出現するとともに、宝物たちの歴史を語る男と、詩の言葉でその世界を彩る少女のダブル・ナレーションで進んでゆく。詩は羽田の妹であるフランス文学者・近藤矩子によって書かれた。
BAMBOO(竹と日本人)(14分・35mm・カラー・英語版・日本語字幕付)
日本人と竹との四季を通した多様な関わりを海外向けに紹介したPR映画。柔らかく新鮮な筍料理、竹かごや傘など職人が作る美しい日用品、また、竹垣をはじめ日本の家屋や庭の至る所で用いられ、祭りにも登場する。国際観光振興会の企画によって英語、米語、仏語、独語、スペイン語、ポルトガル語の各バージョンが作られた。
3薄墨の桜 他
- 2016年8月10日2:00 PM@小ホール
- 2016年8月20日3:00 PM@小ホール
ふゆにくさ花はどうなるか(20分・16mm・カラー)
ヒマワリやオシロイバナ、アブラナなど冬越えする植物のそれぞれの生態をとらえた小学生向けの理科教材映画。日本映画教育協会の企画で、撮影は東京都文京区立真砂小学校で行われた。
篆刻・刻字 生活書の学習のために(22分・16mm・カラー)
高校の書道の教科書において「生活の中の書」で取り上げられている篆刻と刻字を解説した教材映画。刻字家の香川峰雲と篆刻家の小林斗盦が作品を制作する過程を紹介することによって、学生たちの正しい理解を深める。
薄墨の桜(42分・16mm・カラー)
羽田が岩波映画に在籍しながら4年をかけて撮った、記念すべき自主製作作品。岐阜県根尾村(現在は本巣市根尾谷)に立つ樹齢1400年の桜に魅せられた羽田は、『法隆寺献納宝物』と同様に妹・近藤矩子に詩を書いてもらって映画を撮るつもりだったが、近藤は1972年に早逝。だがそれをきっかけとして羽田は、自分の作りたい映画を作る必要性に駆られ、本作で自主記録映画作家としての第一歩を踏み出すことになる。
4早 池峰 の賦 (184分・16mm・カラー)
- 2016年8月10日5:30 PM@小ホール
- 2016年8月21日3:00 PM@小ホール
『薄墨の桜』を撮り、作りたいものを作ることに目覚めた羽田は、次に岩手県大迫町に向かい、そこに伝わる山伏神楽とそれを守り続ける人々にキャメラを向ける。大償と岳の二つの集落が競い合う、華麗でダイナミックな神楽の記録もさることながら、人々が早池峰の厳しい自然と共に生き、信仰を守り続ける姿が、四季を通じて丸ごととらえられることによって、「芸能」の原初の姿が浮かび上がるさまが素晴らしい。芸術選奨文部大臣賞受賞。
5AKIKO -あるダンサーの肖像-(107分・16mm・カラー)
- 2016年8月12日2:00 PM@小ホール
- 2016年8月23日6:00 PM@小ホール
モダン・ダンスの第一人者、アキコ・カンダが公演に臨み、自分のダンス人生や生活、家庭観などを語る。当初は公演記録をメインにした50分の作品を予定していたが、工藤の「勝負は舞台のあとにある。僕たちはもっと稽古場に通おう」という言葉から長篇へと変貌、撮影は7か月に及んだ。ラスト近く、アキコのダンスに合わせて写真家・篠山紀信が舞うようにシャッターを切り、さらにはその二人を流麗なキャメラワークがつかまえるシーンは特に印象的。
6痴呆性老人の世界(84分・16mm・カラー)
- 2016年8月11日11:00 AM@小ホール
- 2016年8月19日2:00 PM@小ホール
1982年に岩波映画を定年退職した羽田は、翌年、田辺製薬の企画による49分の学術映画『痴呆老人の介護』を岩波映画の依頼で撮影した。そこで直面した現実の重さを一般の人にも知ってもらおうと、羽田は岩波映画に長篇の製作を提案し、本作が完成した。岩波ホールで8週間に及ぶ大ヒットを記録し、認知症高齢者の日常とケアの問題がオープンになるきっかけを作った。また、老女たちの生を凝視することで、「痴呆性ゆえに鮮やかに発色する女の存在感と質感、感性のやさしさと心の美しさが澄明にとらえられている」(土本典昭)とも評された。
7安心して老いるために(152分・16mm・カラー)
- 2016年8月11日3:00 PM@小ホール
- 2016年8月19日6:00 PM@小ホール
『痴呆性老人の世界』で描かれた高齢化社会の問題を解決するには、家族や医療従事者の努力に加え、介護を保証する社会制度の充実が必要とされる。そう感じた羽田は、国内の先行事例として、岐阜県池田町の特別養護老人ホーム「サンビレッジ新生苑」と自治体の取組みを取材し、それを福祉先進国のデンマーク、スウェーデン、オーストラリアの社会福祉制度、とりわけ在宅ケアシステムと対比することによって、「安心して老いるために」は日本でどのようなシステムが必要かを訴えた。山路ふみ子福祉賞受賞。
8女たちの証言 -「労働運動のなかの先駆的女性たち」-(94分・16mm・カラー)
- 2016年8月16日2:00 PM@小ホール
- 2016年8月25日6:00 PM@小ホール
1982年、社会主義研究者・石堂清倫の呼びかけで座談会がもたれ、山内みな、福永操、丹野セツ、鍋山歌子、大竹一燈子といった大正から昭和戦前期にかけて活躍した社会主義運動家やその妻たちが集まった。羽田は、戦後大連で石堂の下で働いたことが縁で、その記録を頼まれた。彼女たちの肉声と表情から、進歩的だった労働運動の内部に存在した性差別などの実態が見えてくる。作品の完成は、1991年のソ連崩壊を挟み、最初の撮影から14年後だった。
10-続 住民が選択した町の福祉- 問題は これから です(125分・16mm・カラー)
- 2016年8月14日3:00 PM@小ホール
- 2016年8月26日6:00 PM@小ホール
1999年、「ケアタウンたかのす」が完成し、当時の日本の状況においてはレベルの高い在宅複合型施設が実現した。本作では前作に引き続き、3期目を迎えた町長の推進する福祉の町づくりを追いかけるとともに、手厚い福祉が町の財政を圧迫すると主張する反町長派議員の動向もとらえる。
16mmオリジナルネガ(キネコ)からのニュープリント上映。
9住民が選択した町の福祉(129分・16mm・カラー)
- 2016年8月14日11:00 AM@小ホール
- 2016年8月26日2:00 PM@小ホール
秋田県米代川流域の人口2万3000人の鷹巣町。1991年に当選した若き町長の岩川徹は、福祉先進国デンマークで行われている住民参加の福祉行政を参考に、町民の自由参加によるワーキンググループを組織、鷹巣町を日本一の福祉サービスの町にしようと奮闘していた。しかし、彼が提出した先駆的な老人保健施設「ケアタウンたかのす」の構想は、町議会の多数を占める前町長派の反対に遭う。撮影は1995年春から開始し、ケアタウン構想が住民パワーに後押しされたかたちで議会を1票差で可決するまでの約1年を追う。
16mmオリジナルネガ(キネコ)からのニュープリント上映。
11元始、女性は太陽であった 平塚らいてうの生涯(140分・16mm・カラー)
- 2016年8月13日11:00 AM@小ホール
- 2016年8月25日2:00 PM@小ホール
1911年、女性だけによる文芸誌『青鞜』の創刊により日本の女性解放運動の先駆けとなった平塚らいてう(1886-1971)。「その名をきくと、すべての女性の心に灯りがともる」という羽田が、らいてうの思想形成の原点になった禅の体験から説き起し、らいてうの一人称の語りとスチル写真によって、彼女を突き動かした時代の姿を再構築した。企画は1998年に「平塚らいてうの記録映画をつくる会」から高野悦子を通じて羽田に持ち込まれた。平和運動に帰結したらいてうの生き方は、軍国主義の時代に青春を送った羽田の反戦への思いと重なる。
12山中 常盤 (100分・35mm・カラー)
- 2016年8月16日6:00 PM@小ホール
- 2016年8月28日11:00 AM@小ホール
近世初期の絵師岩佐又兵衛による絵巻「山中常盤」の映像化。新たに作曲した浄瑠璃のリズムに合わせて全12巻、150mにもなる作品を横スクロールで撮影、数々の印象的なクロースアップとともに牛若丸と母・常盤御前の物語がダイナミックに展開する。特に盗賊に襲われた常盤御前が息を引き取る場面は、絵の持つ荒々しい筆遣いを活かし、固定した素材を緊張感に満ちたドラマに昇華させている。絵巻物の映像化は羽田にとって『風俗画 近卋初期』の頃からの長い念願であり、1992年の撮影から12年後に完成させた粘りの一作でもある。
13あの鷹巣町のその後 前後編(180分・DCP・カラー)
- 2016年8月17日2:00 PM@小ホール
- 2016年8月27日11:00 AM@小ホール
『住民が選択した町の福祉』正続篇に続く第3作。高齢者福祉行政の中心人物であった岩川町長が、2003年夏の町長選挙で大敗した。対立候補は手厚い福祉が財政を圧迫すると訴え、町村合併による財源確保の重要性を主張、その結果、近隣町村を合併して2005年春、北秋田市が誕生した。住民合意に支えられていたはずの鷹巣町に何が起きたのか。伝える責任を痛感した羽田は、自らの言葉でナレーションも手がけ、「福祉の記録」から「政治の記録」に変貌していく様子をスリリングに追った。
デジタル原版のフォーマット変換により作成したDCPでの上映。
15終りよければすべてよし(129分・DCP・カラー)
- 2016年8月18日6:00 PM@小ホール
- 2016年8月23日2:00 PM@小ホール
高齢化社会において人はどのような死を選択すればよいのか。老後の生を見つめ続けてきた羽田が最終的に行きついたのは、病院ではなく自宅で安らかな死を迎えるために何が必要かという終末期ケアの問題だった。その実現には優れた在宅医療システムの整備が求められる。厳しい状況の日本において行われている先駆的な例とともに、オーストラリアとスウェーデンで社会制度に支えられる形で機能している医療介護サービスが紹介される。
デジタル原版のフォーマット変換により作成したDCPでの上映。
16嗚呼 満蒙開拓団(120分・35mm・カラー)
- 2016年8月13日3:30 PM@小ホール
- 2016年8月24日2:00 PM@小ホール
1932年の満洲国建国以来、国策によって中国大陸に送り込まれた多くの日本人移民は、敗戦後、遺棄されたも同然の悲惨な運命をたどる。1980年代に「中国残留日本人孤児」の訪日調査が始まり、国家賠償請求訴訟へと発展した。本作は裁判で請求が棄却される場面から始まり、監督が現在の中国東北部にある中国人によって建てられた「方正地区日本人公墓」への日本人ツアーに同行する姿を追う。大連で生まれ、戦後の引き揚げ体験をもつ羽田の視点は、歴史の現実を追求しながらも、日中双方の体験者への温かいまなざしに満ちている。
デジタル原版からの35mmフィルム化。
14あの鷹巣町のその後 -続編-(59分・DCP・カラー)
- 2016年8月17日6:00 PM@小ホール
- 2016年8月27日3:00 PM@小ホール
北秋田市誕生後、最初の市議会議員選挙を経て、市の社会福祉行政が混迷を深める中、羽田はさまざまな立場の市民や関係者に取材し、丹念に記録した。鷹巣町が国に先駆けて制定した「高齢者安心条例」が廃止され、財政支援を打ち切られた「ケアタウンたかのす」の運営が苦境に立たされる状況からは、政治に翻弄され壊されていく人々の暮らしや思いが浮かび上がってくる。
デジタル原版のフォーマット変換により作成したDCPでの上映。
17遙かなる ふるさと -旅順・大連-(110分・DCP・カラー)
- 2016年8月18日2:00 PM@小ホール
- 2016年8月28日3:00 PM@小ホール
羽田にとって、少女時代を過ごした旅順は、帝政ロシア時代の面影を残す「懐かしいふるさと」であったが、中国にとって重要な軍港であるため、日中国交回復後も渡航は困難だった。ようやく2009年、羽田は全面開放された旅順への日本人ツアーに参加し、当時のまま残っているかつての自分の家を訪れる。そこで、統治者の交代による複雑な歴史に直面するとともに、発展する現在の中国の姿も目の当たりにする。
デジタル原版のフォーマット変換により作成したDCPでの上映。
18そしてAKIKOは… -あるダンサーの肖像-(120分・DCP・カラー)
- 2016年8月12日6:00 PM@小ホール
- 2016年8月24日6:00 PM@小ホール
『AKIKO -あるダンサーの肖像-』(1985)を作った後も、羽田とアキコの交流は途切れることなく続いていた。2010年の公演「愛のセレナーデ」を撮影した羽田は、アキコが病に倒れたことを知る。そして、翌年のリサイタル「花を咲かせるために バルバラを踊る」を超人的執念によって為し遂げたアキコは、75歳の生涯を閉じた。苦しい闘病生活の中で自らのダンスを作り上げていく姿は、ダンスが信仰でもあり哲学でもあったアキコの生を浮き彫りにする。
デジタル原版のフォーマット変換により作成したDCPでの上映。
■作品によって開映時間が異なりますのでご注意ください。
■各回の開映後の入場はできません。
2016年8月9日
2016年8月10日
2016年8月11日
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2016年8月26日
2016年8月27日
2016年8月28日
■羽田澄子監督トーク・イベントのお知らせ
▶8月13日(土)1:25pm
*入場無料(当日1回目の上映をご覧になった方は、そのままトーク・イベントに参加することができます。トーク・イベントのみの参加もできます。)