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- 2017.10.11 - 12.6
映画の教室 2017
色彩の探求
Film Class of 2017
Exploring Colors
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映画の色は、理想的な色を求めた作り手たちの創意工夫と、それを支えた技術の発展により育まれてきました。白黒フィルムの時代には、フィルムを鮮やかに染める染色や、フィルムに含まれる銀を異なる物質に変化させ発色させる調色、コマに色付けを施す彩色などの方法が普及しました。カラーフィルムが誕生してからも、さまざまな試みが行われ、いくつものカラーシステムが生まれました。今回の「映画の教室」では、アニメーションや記録映画におけるさまざまな試み、国産カラー映画の挑戦、本格的カラー映画時代の意欲的な表現の追求、カラーフィルム以前の色彩と、5回にわたって紹介します。各回、研究員による解説付きで映画の色の魅力と多様性を体験するシリーズです。映画の基礎を学びたい方々のご参加をお待ちしています。
開催日:2017年10月11日(水)、10月25日(水)、11月8日(水)、11月22日(水)、12月6日(水)
7:20pm開始 [7:00pm発券・開場] 全5回・隔週水曜・研究員による約15分の解説付き
会場:小ホール 定員:151名
★各回の開映後の入場はできません。
料金:一般520円/高校・大学生・シニア310円/小・中学生100円/障害者(付添者は原則1名まで)、キャンパスメンバーズは無料
・定員制。混雑時でも7:10pmまでお席を確保できる「映画の教室」会員証(300円)を発売します。
*各回、当日の開館(11:00am)と同時に1階受付にて入場整理券を発行します。会員証をお持ちの方も入場整理券をお取りください。
チケット・会員証の詳細はこちら
さまざまなカラーシステム (約50分)
■10.11[水]7:20pm-
1950年代はカラーフィルムが次々と開発され、実用化された時代だった。コニカラーで撮影された『かわいい魚屋さん』、イーストマンカラーを用いたアニメーション『ふくすけ』、日本で初めてアグファカラーを使用した記録映画の『ダービーを目指して』、フジカラーで撮影されたアニメーション『黒いきこりと白いきこり』と、さまざまなカラーシステムをアニメーションや記録映画、劇映画を交えて紹介する。
かわいい魚屋さん(3分・35mm・カラー)1953(小西六寫眞工業)
(監)新村士行(撮)今関光夫
ふくすけ(18分・35mm・カラー)1957(おとぎプロ)
(監)(原)(撮)横山隆一(動画)町山充弘、鈴木伸一、前田一(音)服部良一
ダービーを目指して(9分・35mm・カラー)1956(大映東京)
(撮)山口シネマ
黒いきこりと白いきこり(16分・35mm・カラー)1956(日動映画)
(監)藪下泰司(原)浜田廣介(脚)(原画)森康二(撮)石川光明、佐倉紀行(原画)熊川正雄(動画)大工原章、市野正二、長沼寿美子、進藤進、内山孝、寺千賀雄(音)斎藤高順
富士写真フイルム(現 富士フイルム)が開発したカラーフィルムで撮影した『カルメン故郷に帰る』は、国産総天然色映画第一弾として発表された。十分な光量が必要だったため、ほぼ全篇屋外ロケが行われた。自然の美しい色を生かした中でふたりの女性の色彩が鮮やかに映えるよう、衣装やメイクをカラー映画用の色づかいにするなど、さまざまな工夫を試みている。
カルメン故郷に帰る(86分・35mm・カラー)1951(松竹大船)
(監)(脚)木下惠介(撮)楠田浩之(美)小島基司、平高主計(音)木下忠司、黛敏郎(出)髙峰秀子、佐野周二、笠智衆
イーストマンカラー① (86分)
■11.8[水]7:20pm-
アメリカのイーストマン・コダック社は、1950年に映画用の35mmカラーフィルムを発表した。名キャメラマン宮川一夫は、錦絵や浮世絵などの色を勉強し、木版で摺ったような絵を目指したという。襦袢の真紅など、濁りのない色が美しい。宮川は本作で日本映画テレビ技術協会による日本映画技術賞の色彩撮影賞を受賞。
刺青(いれずみ)(86分・35mm・カラー)1966(大映京都)
(監)増村保造(原)谷崎潤一郎(脚)新藤兼人(撮)宮川一夫(美)西岡善信(音)鏑木創(出)若尾文子、長谷川明男、山本学、佐藤慶
イーストマンカラー② (91分)
■11.22[水]7:20pm-
1953年に東洋現像所(現IMAGICA)はイーストマンカラーの現像処理を開始し、大映が“大映カラー”と呼んで特に意欲的に採用した。王朝悲劇の美しい絵巻のような本作は、溝口健二にとっての初めてのカラー映画にあたり、抑えた中にも暗部の色が良く出ているその色彩は、公開当時にも絶賛された。
楊貴妃(91分・35mm・カラー)1955(大映東京=ショウ・ブラザーズ)
(監)溝口健二(脚)陶秦、川口松太郎、依田義賢、成澤昌茂(撮)杉山公平(美)水谷浩(音)早坂文雄(出)京マチ子、森雅之、山村聰
白黒フィルム時代の色彩 (約50分)
■12.6[水]7:20pm-
調色・染調色を用いた時代劇『元錄快挙 大忠臣藏』と『新版 大岡政談 第二篇』、染色のアニメーション作品『鼠の留守番』と『春の唄』、D・W・グリフィスの『女の叫び』など、これらのシーンや作品に合わせた彩りと、トリック映画「パテ魔法映画三種」のコマに色を施す彩色など、白黒フィルムの時代のさまざまな色彩を紹介する。
元錄快挙 大忠臣藏[玩具フィルム][白黒ポジ調色版](1分・16fps・35mm・調色・無声)1930(日活太秦)
(監)池田富保
新版 大岡政談 第二篇[玩具フィルム][白黒ポジ染調色版](1分・16fps・35mm・染調色・無声)1928(日活)
(監)伊藤大輔
鼠の留守番[日活グラフ版](3分・35mm・染色)1931(伴野文三郎商店)
(監)大石郁雄
春の唄(3分・16fps・35㎜・染色・無声)1931(千代紙映画)
(監)(作画)大藤信郎
女の叫び The Lonedale Operator [MoMA復元版](17分・16fps・35mm・白黒/一部染色・無声・英語インタータイトル/日本語字幕付)1911(バイオグラフ)
(監)D・W・グリフィス
パテ魔法映画三種(14分・18fps・35mm・彩色・無声・フランス語/英語版)1908-1909(パテ・フレール)
(監)セグンド・デ・チョーモン
■(監)=監督・演出 (原)=原作・原案 (脚)=脚本・脚色 (撮)=撮影 (美)=美術 (音)=音楽・作曲 (出)=出演
■特集には不完全なプリントが含まれていることがあります。
■記載した上映分数は、当日のものと多少異なることがあります。
■スタッフ、キャストの人名は原則として公開当時の表記を記載しています。
料金:一般520円/高校・大学生・シニア310円/小・中学生100円/障害者(付添者は原則1名まで)、キャンパスメンバーズは無料
発券:地下1階受付
・観覧券は当日・当該回のみ有効です。
・発券・開場は7:00pmから行い、定員に達し次第締切ります。
・学生、シニア(65歳以上)、障害者、キャンパスメンバーズの方は、証明できるものをご提示ください。
・発券は各回1名につき1枚のみです。
・定員制。混雑時でも7:10pmまで座席を確保できる「映画の教室」会員証(300円)を発売します。詳細は下記をご覧ください。
「映画の教室」会員証=300円 [観覧券は各回別途必要です]
*各回、当日の開館(11:00am)と同時に1階受付にて入場整理券を発行します。会員証をお持ちの方も入場整理券をお取りください。
・混雑時でも7:10pmまでお席を確保します。(自由席・入場は入場整理券の番号順・開映後の入場不可)
・購入時に7階展示「生誕100年 ジャン=ピエール・メルヴィル、暗黒映画の美」の入場券1枚、全5回参加完了時には本年度の当館主催上映の入場引換券を1枚謹呈します。
・観覧料は通常料金がかかります。各回地下1階受付にて会員証をご提示の上お支払いください。
・9月22日より1階受付(火-金11:00am-7:00pm、土日祝11:00am-6:30pm)、当日開場後は7:20pmまで地下1階受付で販売します。
映画の教室とは映画芸術や映画保存を学ぶ上で重要な作品を、東京国立近代美術館フィルムセンターの所蔵作品の中から上映するプログラム。2017年度より、テーマに沿った各5回シリーズ・研究員の解説付きにリニューアルしました。シリーズを通して観ることで、より一層映画や作品への理解を深めることができます。
できるだけ5回シリーズ通してご参加いただきたいとの思いから、混雑時でも7:10pmまでお席を確保できる「映画の教室」会員証(300円)もご用意いたしました。ぜひご利用ください。
*各回、当日の開館(11:00am)と同時に1階受付にて入場整理券を発行します。会員証をお持ちの方も入場整理券をお取りください。