泉鏡花の「売色鴨南蛮」が原作。悪徳商人に利用され、運命に弄ばれた男女があまりに対照的な人生を歩むことになる展開は、『瀧の白糸』にも通ずる。溝口がしばしばテーマにした“男のために身を滅ぼす女”はここでも冷徹な眼差しで捉えられ、当時17歳の山田五十鈴が演じた、慈悲の心と艶やかさ、そして絶望感を兼ね備えたお千のキャラクターが見事である。
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折鶴お千
(91分・24fps・35mm・白黒) 泉鏡花の「売色鴨南蛮」が原作。悪徳商人に利用され、運命に弄ばれた男女があまりに対照的な人生を歩むことになる展開は、『瀧の白糸』にも通ずる。溝口がしばしばテーマにした“男のために身を滅ぼす女”はここでも冷徹な眼差しで捉えられ、当時17歳の山田五十鈴が演じた、慈悲の心と艶やかさ、そして絶望感を兼ね備えたお千のキャラクターが見事である。 ’35(第一映画)(原)泉鏡花(脚)髙島達之助(撮)三木稔(美)小栗美二(出)夏川大二郎、山田五十鈴、芳沢一郎(羅門光三郎)、芝田新、島井正、藤井源市、北村純一、瀧沢静子、中野英治 *この作品は大ホール企画「没後50年 溝口健二再発見」でも上映されます(サウンド版)。 |
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