3月25日(火)- 30日(日) 東京国立近代美術館フィルムセンター 大ホール(2階) 協力:IMAGICA | |
映画を見よう! |
みなさんはいままでにどんな映画を見ましたか――「ハリー・ポッター」「ゴジラ」
それとも「千と千尋の神隠し」?
みなさんはいままでどこで映画を見ましたか――家の中で家族いっしょにテレビで? それとも大きな映画館に連れていってもらいましたか?
ここはみなさんの映画館――「こども映画館」です。ここでは、ふだん見ることのできないむかしの映画を見ることができます。涙と笑い、興奮と緊張、そしてなによりも感動を与えてくれます。
春休みになったらみんなで「こども映画館」へ行ってみましょう。ひとりでも、おとなの人といっしょでももちろん大丈夫。
「こども映画館」――そこは、お父さんお母さん、お祖父さんお祖母さんがずっとむかしに見た映画に出会えるかもしれない夢のタイムマシン空間。
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会場のフィルムセンターは京橋交差点のすぐ近くにあります。 →地図 |
料金
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*子供たちの引率や付き添いではない大学・専門学校生、一般、シニア(65歳以上)の方々の
単独鑑賞はご遠慮願います。
■上映の前に、映画についてのお話があります。
世界的に有名な怪獣映画の傑作「ゴジラ」が誕生したのは今から約50年前のことでした。それから20年もの間、日本では毎年のように怪獣映画が作られ、様々な怪獣たちがスクリーンに登場しました。この映画では、九州の地下洞窟からよみがえった巨大な翼手竜ラドンが、ジェット機よりも速い超音速で飛び廻って、街を破壊します。精巧なミニチュア・ワークで世界最高の水準を誇った円谷英ニの特撮技術は、いまも色あせることがありません。
1956年 監督:本多猪四郎 出演:佐原健二、平田昭彦、白川由美
南海のインファント島からさらわれた身長30cmの双子の小美人を救うため、洞窟にまつられた巨大な卵から守護神モスラが生まれて日本に上陸します。100mにもおよぶ茶色の幼虫は東京タワーにマユをつくると、さらに美しい蛾へと成長します。そのユニークで愛らしいキャラクターは、ゴジラと同様に日本はもちろん、世界中で人気を集めてきました。画面狭しと自在に動き廻るモスラの迫力を、映画館の大きなワイド・スクリーンで体験してください。
1961年 監督:本多猪四郎 出演:フランキー堺、小泉博、香川京子、ザ・ピーナッツ、上原謙
ゴジラやモスラとならび、近年も新しい映画が作られている人気者のガメラが登場した最初の作品です。原爆を載せた飛行機が撃墜されたショックから目を覚ました伝説の巨大怪獣ガメラが日本に上陸して、炎を吐きながら大暴れします。白黒映画の中のガメラは、ふだん見慣れたカラー映画の怪獣とはまったく違って見えることでしょう。「ゴジラ」以来、多くの怪獣映画が物語の背景に原水爆などの核問題を取り上げていることにも注目してみましょう。
1965年 監督:湯浅憲明 出演:船越英二、姿美千子、霧立はるみ、山下洵一郎
だれもが知っている日本の昔話や、いろいろな地方の面白い民話をアニメーションにしたテレビ番組「まんが日本昔ばなし」。1975(昭和50)年から1994(平成6)年までの間に1,500本近くの作品が生み出されました。今回はここから選ばれた6本を、映画としてスクリーンの上で観てみましょう。家族で一緒に観るテレビとは、また違った面白さが感じられるかも知れません。
「桃太郎」(1975年) 演出:児玉喬夫
「笠地蔵」(1975年) 演出:藤本四郎
「大食い和尚」(1980年) 演出:芝山努
「正直者天昇り」(1980年) 演出:殿河内勝
「舌切り雀」(1975年) 演出:りんたろう
「子守きつね」(1990年) 演出:若林常夫
日本のアニメーションが初めて公開されたのは、今から90年近くも前のことだったと言われています。日本のアニメーションはいまや世界中の注目を集めていますが、その先駆者たちは外国の漫画映画を見て学びながら、大変な努力をして絵の動かし方を身に付けていきました。ここでは、映画に音が付く以前のアニメ、色が付く以前のアニメなど、昔のアニメーションに出会うことができます。
「つぼ」(1925年、11分、無声) 監督:山本早苗
「馬具田城の盗賊」(1926年、10分、無声) 監督:大藤信郎
「蛸の骨」(1927年、9分、無声) 監督:村田安司
「カチカチ山」(1935年、6分) 監督:市川崑
「くもとちゅうりっぷ」(1943年、15分) 監督:政岡憲三
明治時代を代表する女流作家であり、24歳の若さで亡くなった樋口一葉の代表作を映画化したものです。お寺の信如という少年と芸者屋の美登利という少女の、短い間の恋心と悲しい別れがしみじみと描かれています。また、昔の東京の下町で暮らす人々の生活がみごとに再現されています。主役の少女は、戦後の歌謡界の女王と呼ばれた美空ひばりが演じています。また少年たちの一人正太郎を演じているのは、いま歌舞伎やミュージカルで有名な松本幸四郎で、俳優の市川染五郎や松たか子のお父さんです。
1955年 監督:五所平之助 出演:美空ひばり、岸恵子、中村是好、山田五十鈴
この映画の原作は、ノーベル文学賞を受賞した川端康成の初期の作品で、彼の名が人々に知られるようになった出世作です。伊豆を旅する高校生(大正時代)と、偶然出会った旅芸人の踊り子との短く淡い恋は、下田の港で悲しい別れを迎えます。これまでに6回も映画化されていますが、踊子に扮するのはいつもその時代を代表するアイドルで、田中絹代、美空ひばり、鰐淵晴子、吉永小百合、内藤洋子、そしてこの映画では歌手の山口百恵が演じています。また、歌手の石川さゆりも病気の少女役で顔を見せています。
1974年 監督:西河克巳 出演:山口百恵、三浦友和、中山仁、佐藤友美、石川さゆり
1958(昭和33)年2月、日本の南極探検隊が悪天候のため昭和基地を離れようとしたとき、彼らの飼っていたカラフト犬15匹をやむなく基地に置いてゆかなければならなくなりました。食糧もない中で、厳しい寒さを生き延びようとする犬たちでしたが、荒々しい自然の中で次々と命を落としてゆきます。そして、再びやってきた探検隊員が見たものは…。実際には人間が見ることのできなかった、犬たちと自然との闘いが見どころで、南極まで出かけて撮影を行ったことも映画に迫力を与えています。
1983年 監督:蔵原惟繕 出演:高倉健、渡瀬恒彦、夏目雅子、荻野目慶子
明治の終わりから昭和の初めにかけて、東京の壊滅をたくらむ超能力者と、それを阻止しようとする人々との魔術的な戦いを描いた映画です。架空の物語ですが、実業家の渋沢栄一、小説家の幸田露伴や泉鏡花、物理学者の寺田寅彦など、この時代の有名な人物がつぎつぎと登場するのも物語を豊かなものにしています。関東大震災を再現したミニチュア・セットや、昭和初期の銀座の街並みを復元したセットも素晴らしく、テレビ・シリーズ「ウルトラマン」を生み出した実相寺昭雄監督が、このおどろおどろしい世界を巧みに作り出しました。
1988年 監督:実相寺昭雄 出演:嶋田久作、原田美枝子、勝新太郎、平幹二朗、坂東玉三郎
この作品の原作は、柏原兵三の自伝的小説「長い道」をマンガにした「少年時代」です。そのマンガの作者は「忍者ハットリくん」や「笑ウせぇるすまん」などで知られる漫画家藤子不二雄Aです。物語は、戦争がだんだんと激しくなっていた時代、東京から富山の村に引っ越してきた小学5年生の少年と、学校の仲間や村人との交流を描いたものです。ケンカやいじめ、友情、反抗など、子供の時だれでも経験することが美しい田園風景の中で描かれます。暗い戦争時代に生きた子供たちの生活も考えさせます。井上陽水が歌った主題歌は今でも多くの人に愛されています。
1990年 監督:篠田正浩 出演:藤田哲也、堀岡裕二、岩下志麻、細川俊之
アフリカで黄熱病の研究に携わり、細菌学の権威として知られる医学者野口英世の一生を描いた伝記映画です。野口英世(本名は野口清作)は福島の貧しい農村に生まれ、その母シカはつらい農作業をしながら家の生計を支えていましたが、ある日、自分の不注意から清作の左手に大やけどをさせてしまいます。貧しさや左手の不自由さに負けないようにとシカに小学校へ進学させてもらった清作は、何事にもくじけずに勉強に励みました。こうして医学を志す野口の生涯を、母親や恩師との絆を中心にたどります。
1992年 監督:神山征二郎 出演:三上博史、三田佳子、仲代達矢、牧瀬里穂
星祭りの夜、病気の母を持つ少年ジョバンニは、丘の上に不思議な汽車を見つけました。それに乗り込むと、座席には親友のカムパネルラがいて、二人は一緒に広大な銀河の旅に出てゆきます。二人は、「白鳥座ステーション」をはじめとする銀河のいろいろな場所で幻想的な体験を重ねてゆきますが、やがて別れの時が訪れます…。宮沢賢治の名作「銀河鉄道の夜」を忠実にアニメーションにしたもので、色の繊細な使い方が印象的な作品です。ジョバンニやカムパネルラなど、主な登場人物がすべて猫の姿をしているのも特徴です。
1985年 監督:杉井ギサブロー
3月25日(火) | 3月26日(水) | 3月27日(木) | 3月28日(金) | 3月29日(土) | 3月30日(日) |
ごぜん11時 | ごぜん11時 | ごぜん11時 | ごぜん11時 | ごぜん11時 | ごぜん11時 |
空の大怪獣ラドン (82分) |
大怪獣ガメラ (78分) |
アニメはじまりはじまり (計51分) |
伊豆の踊子 (82分) |
帝都物語 (135分) |
遠き落日 (119分) |
ごご1時30分 | ごご1時30分 | ごご1時30分 | ごご1時30分 | ごご1時30分 | ごご1時30分 |
モスラ (101分) |
まんが日本昔ばなし (計72分) |
たけくらべ (95分) |
南極物語 (143分) |
少年時代 (117分) |
銀河鉄道の夜 (107分) |
保護者・指導教員・引率者の皆様へ
「こども映画館」は、児童・生徒を対象としたフィルムセンターの映画上映プログラムです。年2回、春休みと夏休みの期間に各1週間ずつ開催します。「こども映画館」は次のような目的で企画されています。
子供たちが映画館に集まり、みんなが暗闇のなかで集中して大きなスクリーンを見つめ、泣き、笑い、緊張し、興奮し、感動する――かつてはごく当たり前であった、こうした映画の原風景の素晴らしさを、今日の子供たちにも味わってもらいたいと思います。きっと良い思い出になることでしょう。
★「こども映画館」は先着順の入場です。発券・開場は開映の45分前から行ない、定員(310名)に達し次第締め切ります(各回入替制)。観覧券(2階受付で発券)は当日・当該回にのみ有効です。開映後の入場はできません。
★「こども映画館」は小・中学生および高校生のための上映企画です。子供たちの引率や付き添いではない大学・専門学校生、一般、シニア(65歳以上)の方々の単独鑑賞はご遠慮願います。
先着100名のお客様に素敵な記念品をさし上げます(小・中学生のみが対象となります)。
お問い合わせ:ハローダイヤル03-5777-8600
東京国立近代美術館ホームページ:/
フィルムセンター 〒104-0031 東京都中央区京橋3-7-6
▼交通:
営団地下鉄銀座線京橋駅下車、出口1から昭和通り方向へ徒歩1分
都営地下鉄浅草線宝町駅下車、出口A4から中央通り方向へ徒歩1分
営団地下鉄有楽町線銀座一丁目駅下車、出口7より 徒歩5分
JR東京駅下車、八重洲南口より徒歩10分