岩波映画製作所で産業映画の大作『佐久間ダム』(1954-57年)などの助監督を務めるとともに、“編集の神様”伊勢長之助のもとで編集技術を身につけた黒木和雄のデビュー作。この段階からすでに編集を専門家に任せず、自ら行う姿勢を貫いている。
大ホール
東芝の電気車輌
岩波映画製作所で産業映画の大作『佐久間ダム』(1954-57年)などの助監督を務めるとともに、“編集の神様”伊勢長之助のもとで編集技術を身につけた黒木和雄のデビュー作。この段階からすでに編集を専門家に任せず、自ら行う姿勢を貫いている。 ’58(岩波映画製作所)(脚)高村武次(撮)藤瀬季彦(録)金谷常三郎 海壁
東京電力横須賀火力発電所の建設記録。ベテラン桑野茂の推薦で起用された黒木は、水中撮影や空撮、線画までを大胆に使って用地の埋め立て工程を解説した。M・デュラスの小説「太平洋の防波堤」から題を借用したり、コメンタリーを詩人・飯島耕一に書かせるなどの“アート志向”が早くも現われている。 ’59(岩波映画製作所)(編)黒木和雄(製)小口禎三(脚)桑野茂(撮)加藤和三、館石昭(水中)(美)西大由(録)桜井善一郎(音)池野成、小杉太一郎、松村禎三、三木稔、原田甫(解)桑山正一 ルポルタージュ 炎
「水」を主題とした『海壁』の続篇となる本作では、「火」をテーマにいよいよ発電所の建設作業が記録される。「自分の呼吸、息づかいに忠実であろうとした」という黒木の熱情は、松村禎三の前衛的な音楽や舞踊シーンの導入などによって、本作をアンダーグラウンド映画の趣さえ感じさせる一篇にした。 ’60(岩波映画製作所)(脚)黒木和雄(製)小口禎三(撮)小村静夫(録)久保田幸雄(音)松村禎三(解)長門裕之 ■(監)=監督 (製)=製作 (原)=原作・原案 (脚)=脚本・脚色・コメンタリー (撮)=撮影 (美)=美術 (衣)=衣装 (録)=録音 (音)=音楽・選曲 (解)=解説・ナレーター (出)=出演 |
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