過去の上映
- 2019.6.29 - 9.1
- 上映企画
逝ける映画人を偲んで2017-2018
In Memory of Film Figures We Lost in 2017-2018
2019年6月29日(土)-9月1日(日)
★各回の開映後の入場はできません。
6‐9月の休館日:月曜日
会場:長瀬記念ホール OZU(2階)
定員:310名(各回入替制・全席自由席)
当日券についてはこちらをご覧ください。
前売券についてはこちらをご覧ください。
概要
日本映画の輝かしい歴史を築き、惜しまれながら逝去された映画人の方々を、それぞれの代表的作品を上映することで追悼する企画「逝ける映画人を偲んで」を2年ぶりに開催します。この2年のうちにも、日本映画は多くのかけがえのない人々を失いました。
本企画では、2017年1月1日から2018年12月31日の間に逝去された方々へのオマージュとして、62作品(55プログラム)を上映し、70名以上の映画人の業績を回顧・顕彰します。
縁の方々、そして映画ファンの皆様のご来場をお待ち申し上げます。
上映前舞台挨拶のお知らせ(8/14更新)
▶7月17日(水)3:00pm 『NAGISA なぎさ』上映前
ゲスト:松田まどかさん、佐々木和徳さん、小沼勝監督
▶8月20日(火)7:00pm 『NAGISA なぎさ』上映前
ゲスト:松田まどかさん、片桐夕子さん
当館研究員による上映前解説(約5分)のお知らせ(7/12更新)
▶7月13日(土)4:00pm、8月27日(火)7:00pm 『お葬式』[再タイミング版]上映前
▶8月20日(火)3:00pm 『天までとどけ』&『白蛇伝』[デジタル復元版]上映前
*舞台挨拶、上映前解説のみの参加はできません。
※本上映会の歴史を概説した記事「企画上映「逝ける映画人を偲んで」の歴史」をアップしました(7/18)
■(監)=監督・演出 (製)=企画・製作 (原)=原作・原案 (脚)=脚本・脚色 (撮)=撮影 (照)=照明 (美)=美術 (録)=録音 (音)=音楽 (出)=出演 (解)=解説・朗読・ナレーション (声)=声の出演
■スタッフ、キャスト欄の人名は原則として公開当時の表記を記載しています。
■上映をもって追悼する方々の名前は、青色で表示しています(出演者の場合、カッコ内は映画中の役名です)。
■記載した上映分数は、当日のものと多少異なることがあります。
■特集には不完全なプリントや状態の悪いプリントが含まれていることがあります。
■タイトルの横に*印が付いている作品は、公開当時成人指定を受けた作品です。当該の上映回に女性専用席を設けます。
団地妻 ニュータウン禁猟区* (71分・1984・にっかつ・監:西村昭五郎)
24.告白的女優論 (124分・1971・現代映画社・撮:長谷川元吉・出:月丘夢路(万紀子の母)・監・脚:吉田喜重) 25.鉄砲玉の美学 (97分・1973・ATG=白楊社・出:渡瀬恒彦(小池清)・監:中島貞夫) 26.日本妖怪伝 サトリ (100分・1973・青林舎・製:高木隆太郎・撮:田村正毅・監・脚:東陽一) 28.脱獄・広島殺人囚 (97分・1974・東映京都・出:松方弘樹(植田)、渡瀬恒彦(田上)、神山繁(堂本)、名和広(朝井)・監:中島貞夫) 27.青春の蹉跌 (84分・1974・東京映画=渡辺企画・音:井上堯之・出:上月左知子(田中君子)・監:神代辰巳) 30.メカゴジラの逆襲 (83分・1975・東宝映像・照:高島利雄・特殊美術:青木利郎・監:本多猪四郎) 29.宵待草 (96分・1974・日活・美:横尾嘉良・監:神代辰巳) 33.女高生 夏ひらく唇* (69分・1980・にっかつ・撮:米田実・監:加藤彰) 31.華麗なる追跡 (83分・1975・東映東京・出:石橋雅史(尾野沢)・監:鈴木則文) 32.実録三億円事件 時効成立 (89分・1975・東映東京・脚:小野竜之助・監・脚:石井輝男) 34.お葬式[再タイミング版] (124分・1984・ニュー・センチュリー・プロデューサーズ=伊丹プロダクション・出:菅井きん(雨宮きく江)、津川雅彦(木村先生)・監・脚:伊丹十三) 35.あなたはシルック (24分・1968・日本産業映画センター・監:小松範任)
アリサ ヒトから人間への記録 (79分・1986・青銅プロ=共同映画・撮:山本駿・監・解:山崎定人)
36.宙ぶらりん* (64分・2003・国映・監:堀禎一)
未亡人セックス ─熟れ盛り─* (63分・1992・新東宝・出:ジミー土田(森)・監:渡辺元嗣)
37.弾丸ランナー (81分・1996・にっかつ・製:中村雅哉・出:大杉漣(黒木)・監・脚・出:サブ) 38.脳と潰瘍 (22分・1971・ヨネ・プロダクション・音:小杉武久・監・脚:杉山正美)
伝説の舞姫・崔承喜 金梅子が追う民族の心 (96分・2000・崔承喜の映画をつくる会=日本映画新社・監・脚:藤原智子)
39.犬 走る DOG RACE (110分・1998・東映ビデオ・製:黒澤満・出:大杉漣(秀吉)・監・脚:崔洋一) 41.NAGISA なぎさ (89分・2000・フィルム・シティ・製:半沢浩・出:出光元(電器屋の主人)、深水三章(おミズ)・監:小沼勝) 40.ホーホケキョ となりの山田くん (103分・1999・徳間書店=スタジオジブリ=日本テレビ放送網=博報堂=ディズニー・監・脚:高畑勲・声:朝丘雪路(まつ子)) 43.ペコロスの母に会いに行く (113分・2013・『ペコロスの母に会いに行く』製作委員会・出:赤木春恵(岡野みつえ)、穂積隆信(洋次郎)・監:森﨑東) 42.私は猫ストーカー (103分・2009・『私は猫ストーカー』製作委員会・撮:たむらまさき・音:蓮実重臣・出:麻生美代子(大家)・監:鈴木卓爾) ◆木下忠司(1916-2018) 44.天までとどけ (24分・1979・K&S・監・原画:椛島義夫・製・音:木下忠司)
白蛇伝[デジタル復元版] (81分・1958・東映動画・音:木下忠司・監・脚:藪下泰司)
45.泣いてたまるか 定期便の源さん (87分・1971・松竹大船・監・脚:宮崎晃・音:木下忠司) 47.影の車 (98分・1970・松竹大船・脚:橋本忍・出:加藤剛(浜島幸雄)・監:野村芳太郎) ◆橋本忍(1918-2018) 46.南の風と波 (90分・1961・東宝・監・脚:橋本忍・出:星由里子(加代)、夏木陽介(順平)、菅井きん(加代の母・松代)) 48.すべてが狂ってる (71分・1960・日活・監:鈴木清順・音:前田憲男・出:川地民夫(杉田次郎)、穂積隆信(飛島浩介)) 49.ピストルオペラ (112分・2001・「殺しの烙印 ピストルオペラ」製作委員会・監:鈴木清順・出:樹木希林(りん)) ◆鈴木清順(1923-2017) ◆沢島忠(1926-2018) 50.家光と彦左と一心太助 (93分・1961・東映京都・監:沢島忠・出:赤木春恵(お常)) 51.女の花道 (103分・1971・東京映画=日本コロムビア・監・脚:沢島忠) ◆松本俊夫(1932-2017) 52.西陣 (25分・1961・「西陣」製作実行委員会=京都記録映画をみる会・監・脚:松本俊夫・解:日下武史)
氣 KI or BREATHING (29分・1980・財団法人2001年日本委員会・監:松本俊夫)
コミュニティ・ライフ (13分・1972・理研映画・監:松本俊夫)
53.十六歳の戦争 (92分・1976・サンオフィス・監・脚:松本俊夫) ◆津川雅彦(1940-2018) 54.バナナ (90分・1960・松竹大船・出:津川雅彦(呉竜馬)、神山繁(林秘書)・歌:朝丘雪路・監:澁谷実) 55.0.5ミリ (197分・2014・ゼロ・ピクチュアズ=リアルプロダクツ=ユマニテ・出:津川雅彦(真壁義男)、角替和枝(浜田)・監・原・脚:安藤桃子)
上映作品詳細
3処刑の部屋(95分・35mm・白黒)
- 2019年7月3日(水) 7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2019年8月1日(木) 3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
石原慎太郎の原作に独自の解釈を加えて「太陽族映画」ブームに一石を投じた、市川崑の大映移籍第1作。デビュー直後の川口浩が不敵な存在感で登場。睡眠薬で女子大生を眠らせる描写が社会問題となり、上映反対運動や論争にも発展した。大映創設の立役者・永田雅一の長男秀雅は、1952年に大映本社取締役に就任後、56年に東京撮影所長へと抜擢され、本作を含む多くの作品の指揮を執った。その後は本社副社長などを歴任し、製作と経営両面にわたって父を支えた。
1新雪(84分・35mm・白黒)
- 2019年7月2日(火) 3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2019年8月1日(木) 7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
五所平之助の大映移籍後第1作で、進歩的な教育理念を持つ国民学校の訓導(水島)と勝気な女医(月丘)の恋を爽やかに描き、ヒットした。宝塚歌劇団のトップスターだった月丘夢路は、本作で映画スターとして開花し、以後も大映、松竹、日活各社で多くの作品に主演。1959年にフリーとなって以降も、重要な脇役として息の長い活躍を続けた。
2近松物語(102分・35mm・白黒・英語字幕付)
- 2019年7月3日(水) 3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2019年8月2日(金) 7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
近松の「大経師昔暦」を映画化した、溝口健二の代表作の一つ。本作で「澄み切った音」作りを目指した録音技師の大谷巌は、1935年、日活京都に入社。日活が合併して大映となって以降は、大映京都で『羅生門』(1950、黒澤明)や溝口作品など数多くの作品で録音を担当し、1971年の大映倒産後も映画の音を作り続けた。最後の作品は『どら平太』(2000、市川崑)。
4海は狂っている(88分・35mm・カラー)
- 2019年7月4日(木) 3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2019年7月20日(土) 4:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2019年8月6日(火) 7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
金を稼いで自分のヨットを持とうと考えた少年(川地)だが、多感さゆえに計画は迷走していく。『太陽の季節』(1956)に続いて古川卓己が石原慎太郎作品を脚色・監督した映画。古川は1941年に日活入社後、数多くのプログラムピクチャーで社を支えた。“載高美”名義で2本の香港映画も監督している。川地民夫は本作で、元々川地をモデルに書かれたとされる主人公(原作題名は「ヨットと少年」)を、のびやかな肢体で演じ、主題歌も歌う。
5嵐を呼ぶ楽団(108分・35mm・カラー)
- 2019年7月5日(金) 7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2019年7月31日(水) 3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
ジャズに賭ける若者たちの友情と苦悩、恋の物語が、本格ジャズ演奏と一体となってスピーディに展開される、日本製音楽映画の金字塔。朝丘雪路は1952年に宝塚歌劇団に入団し、娘役として活躍。55年に退団後、松竹入りし、フリーになってからも映画にTVにと広く活躍した。本作では宝田明率いるジャズバンドの専属歌手を演じ、歌とダンスも披露する。
6乾いた湖(87分・35mm・カラー)
- 2019年6月29日(土) 4:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2019年8月8日(木) 3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
篠田正浩の監督第2作で、「松竹ヌーヴェル・ヴァーグ」の代表作の一つ。60年安保闘争で揺れる大学を背景に、大衆運動を軽蔑し自堕落な生活に溺れる一人の青年(三上)の破滅を描く。三上真一郎は1958年に松竹へ入社し、若手監督の作品で印象的な若者を多く演じた。小津安二郎作品への出演や、1965年にフリーとなって以降はやくざ映画の脇役などでも知られる。岩下志麻は本作が映画デビュー。
7ガス人間㐧1号(91分・35mm・カラー)
- 2019年7月9日(火) 3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2019年8月7日(水) 7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
生体実験によってガス人間になってしまった男の犯罪とロマンスを描いた、東宝の「変身人間」シリーズ第3作。社会に対する怨念と愛する女性への情熱を併せ持つガス人間・水野を、事前の減量までして演じた土屋嘉男は、数々の黒澤作品や東宝特撮映画において、忘れられない個性を発揮した。照明の高島利雄は東宝で50作以上の照明を担当。SF、スリラー、ロマンスとジャンルが混在する本作でも、場面に応じたプロフェッショナルな仕事を確認することができる。
8若い狼(83分・35mm・白黒)
- 2019年6月29日(土) 1:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2019年7月18日(木) 3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
恩地日出夫監督第1作。少年院帰りの信夫(夏木)は恋人(星)を頼って上京し、まともな人生を送ろうとするが、やがて悲劇が訪れる。「若大将」シリーズのヒロイン・星由里子とスタイリッシュなアクションで知られる夏木陽介はどちらも、日本の映画館入場者数が最多を記録した1958年に東宝入社。特撮映画や文芸映画でも好演し、人気スターとなった。本作での二人は、経済成長と労働運動に沸く新宿の街を背景に、若者の純粋さと危うさを演じて輝く。
9モンローのような女(96分・35mm・カラー)
- 2019年7月10日(水) 3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2019年8月8日(木) 7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
舟橋聖一の同名小説を映画化。17歳のいち子(真理)が、写真モデルとして自らの肢体を売り出す姿を描く。性に関する意識や風俗描写は、社会資料としても貴重。会社勤めをしていた及川久美子は、本作のオーディションに見事合格してヒロインに抜擢され、女優・真理明美となった。その後は『男の顔は履歴書』(1966、加藤泰)などに出演、1969年には須川栄三監督と結婚した。なおラストは「第一部 終」と出るが、第二部は製作されなかった。
10どろ犬(92分・35mm・白黒)
- 2019年8月10日(土) 1:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2019年8月22日(木) 7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
刑事(大木)が犯罪に手を染め転落していくさまを描く。佐伯孚治は、本作で監督デビュー。翌1965年、東映の撮影所分割に伴い、東映東京制作所に配転された後はTVドラマの演出で活躍。1984年に長篇第2作『高原に列車が走った』を監督した。美術の中村修一郎(中村州志)は1950年代から東映東京撮影所で美術監督として活躍し、1980~90年代の伊丹十三監督作品などに至るまで長きにわたり日本映画を支えた。東映の会社ロゴ映像「荒磯に波」の原案・構成を担当したことでも知られる。ニュープリントによる上映。
12女の賭場(84分・35mm・カラー)
- 2019年6月30日(日) 4:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2019年8月9日(金) 7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
江波杏子の初主演作であり、大映時代の彼女の代表シリーズ「女賭博師」(1966-71)の第1作。胴師の父(水原)を自殺に追い込んだやくざに復讐するため、娘(江波)もまた胴師として立ち上がる。熱い情念をクールな外見で包んだ江波の佇まいが人気を呼び、末期の大映における貴重なヒットシリーズとなった。1971年の大映倒産後、フリーとなった江波は『津軽じょんがら節』(1973、斎藤耕一)などで新境地を見せ、以後も女優として活躍し続けた。
11さよならはダンスの後に(91分・35mm・白黒)
- 2019年6月30日(日) 1:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2019年8月2日(金) 3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
小川寛興作曲・倍賞千恵子歌唱により大ヒットした曲をモチーフに作られた女性映画。小川は本作でも音楽を担当し、倍賞も主人公・しのぶ(桑野)の親友の歌手役で出演。「月光仮面」(1958-59)や「仮面の忍者 赤影」(1967-68)などTVドラマの主題歌で知られる小川は、映画でも100作以上で音楽を担当、大きな足跡を残した。ニュープリントによる上映。
13上意討ち 拝領妻始末(121分・35mm・白黒)
- 2019年7月11日(木) 3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2019年7月23日(火) 7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
会津藩の侍・笹原伊三郎(三船)が、息子与五郎(加藤)とその妻・いち(司)をめぐる藩主や上役の非道な所業に激しく抵抗するさまが、橋本忍の緻密な脚本と小林正樹の隙のない演出によって、重厚に描かれる。加藤剛は本作で正義感と妻への愛情に溢れる青年侍役を熱演し、高く評価された。知性と冷徹さを併せ持つ側用人役を演じて印象深い神山繁は、日本映画の悪役の幅を広げた一人と言えるだろう。
15爽春(95分・35mm・カラー)
- 2019年7月10日(水) 7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2019年8月9日(金) 3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
二組の父娘の関係を軸に、恋と悲恋と親子愛を描くホームドラマ。不倫など重たいテーマも描かれるなかで、生田悦子演じる大学生・亜矢子の表情豊かで溌剌とした姿が本作に清新さをもたらしている。山形勲と有島一郎が演じる両家の父の友人関係も、傍迷惑ながら微笑ましい。生田は本作の後も映画、TVドラマ、バラエティなどで幅広く活躍した。
16燃えつきた地図 THE MAN WITHOUT A MAP(115分・35mm・カラー)
- 2019年7月9日(火) 7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2019年8月14日(水) 3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
安部公房×勅使河原宏による最後の映画作品。失踪した男の捜索を彼の妻(市原)から依頼された探偵(勝)の行動を通して、都市にうごめく不安と欲望が描き出される。大映で田宮二郎主演作など多彩な作品を手がけた上原明が、都会の裏側を透見するかのごとき前衛的なカメラアングルで不気味な世界観を構築。また、勝新太郎、市原悦子、渥美清がそれぞれのキャリアのなかでも異色の演技を見せる。
14十一人の侍(100分・35mm・白黒)
- 2019年7月11日(木) 7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2019年8月28日(水) 3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
工藤栄一による「集団抗争時代劇」の名作の一つ。武蔵国・忍藩の侍(夏八木)が、藩の取り潰しを避けるため、次席家老の命を受けて将軍の弟(菅)を暗殺しようとするが…。戦前から満映などでキャリアを積み、戦後は東映京都撮影所で時代劇を100本以上撮った名キャメラマン吉田貞次にとっても、本作の凄まじい集団アクションの撮影は満足のいく仕事であり、のちの深作欣二とのコラボレーション「仁義なき戦い」シリーズ(1973-74)へとつながる重要作である。
17狙撃(86分・35mm・カラー)
- 2019年7月20日(土) 1:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2019年8月14日(水) 7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
金塊強奪に加担した狙撃手・松下(加山)の命を、同じく狙撃手の片倉(森)が付け狙う。細部までこだわり抜いた銃器の描写や、スキャットの入るテーマ曲が印象的。貝山知弘は、1955年に東宝に入社し製作者として活躍。独立後も『南極物語』(1983、蔵原惟繕)でチーフプロデューサーを務めた。また、レコード「日本の映画音楽」シリーズを監修し、映画音楽の再評価にも貢献。ニュープリントによる上映。
18コント55号と水前寺清子の神様の恋人(89分・35mm・カラー)
- 2019年7月13日(土) 1:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2019年7月24日(水) 3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
幼なじみの欽ちゃんと二郎さんが静岡県の大浜(現在の掛川市)で再会するが、町はスーパー建設騒動に揺れていた。水前寺清子の溌剌とした歌と喜劇人たちの芸が、映画を楽しく盛り上げる。浅井企画社長の浅井良二は数々のタレントを育て、日本芸能史の一角を支えた。吉田剛は松竹で助監督、脚本家として活躍、『復活の朝』(1992)では病気降板の野村芳太郎に代わって監督も務めた。悠木千帆(樹木希林)は二郎さんの妻の役。
19ゆけゆけ二度目の処女*(65分・35mm・パートカラー)
- 2019年7月26日(金) 7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2019年8月18日(日) 5:00 PM@長瀬記念ホール OZU
殺されることを願う少女(小桜)と、周囲の俗物たちを強く否定する少年(秋山)の二晩の交わりを通して、性と死をラディカルに問い直した若松孝二作品。秋山道男(未痴汚)は、若松プロで俳優・スタッフとして活動した後、TVの放送作家やデザイン、出版など多方面でクリエイティブに活躍、さらには『ファザーファッカー』(1995、荒戸源次郎)で製作・出演するなど、再び映画製作にも携わった。なお脚本の「出口出」は、本作では足立正生と小水一男の共同ペンネーム。ニュープリントによる上映。
※●堂力の●は人偏に魚
20高校生番長 深夜放送(81分・35mm・カラー)
- 2019年7月19日(金) 3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2019年8月10日(土) 4:00 PM@長瀬記念ホール OZU
深夜ラジオに高校生から売春を告白する投稿が届くが、差出人とされる京子(八並)本人には身に覚えがなかった…。「高校生番長」シリーズ第3作にして、八並映子の初主演作。女に対し徹底的に身勝手で下世話な男たちが跋扈する世界で、京子は翻弄され続ける。京子を演じた八並の堂々たる存在感が印象的。八並は大映最後の作品『悪名尼』(1971、田中重雄)の主演女優でもある。ニュープリントによる上映。
21三里塚 第二砦の人々(140分・16mm・白黒)
- 2019年7月12日(金) 3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2019年8月13日(火) 6:30 PM@長瀬記念ホール OZU
土地収用を強行する空港公団側とそれに徹底的に抵抗する農民の衝突がもっとも激化した時期を捉えた小川プロダクションの「三里塚」シリーズ第4作。ズームも望遠レンズも使用せず、ある時は戦場のど真ん中に構えられ、またある時は農民が地中に建設した壕の奥に分け入ってゆく田村正毅のキャメラワークは、映像の力を力強く汲み上げ、観る者の度肝を抜く。
22ゴジラ対ヘドラ(85分・35mm・カラー)
- 2019年7月7日(日) 1:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2019年8月6日(火) 3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
ゴジラが、汚染された海から生まれたヘドラと死闘を繰り広げる。公害という社会問題を描く一方で、ゴジラの飛行シーンなど奇抜な演出も光る。本作の後、監督の坂野義光は水中撮影の技術などでTVドキュメンタリーでも活躍。2014年のハリウッド映画『GODZILLA ゴジラ』(ギャレス・エドワーズ)の製作総指揮も務めた。中島春雄は1954年の第1作から1972年の『地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン』(福田純)まで、スーツアクターとしてゴジラを演じた。
23団地妻 昼下りの情事*団地妻 ニュータウン禁猟区*(計135分)
- 2019年7月14日(日) 1:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2019年8月23日(金) 6:30 PM@長瀬記念ホール OZU
西村昭五郎は1954年に日活に入社し、63年に監督デビュー。1971年に日活ロマンポルノの記念すべき第1作として、主婦が性の快楽に溺れ破滅する『団地妻 昼下りの情事』を監督。「団地妻」はロマンポルノを代表するシリーズに発展する。『団地妻 ニュータウン禁猟区』は西村にとって最後の「団地妻」作品。団地に夫と引っ越してきた和子(仁科)は、同じ棟の主婦3人から夫のいない間の過ごし方を教授される。西村の透徹した演出を通じて、テレビを見るかのように他人のセックスを平然と眺める主婦たちの日常が描かれる。『団地妻 昼下りの情事』はニュープリントによる上映。
団地妻 昼下りの情事*(64分・35mm・カラー)
団地妻 ニュータウン禁猟区*(71分・35mm・カラー)
24告白的女優論(124分・35mm・カラー)
- 2019年7月2日(火) 7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2019年8月15日(木) 3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
吉田喜重が、虚構を生きる映画女優という存在について省察を試みた作品。映画の撮影を2日後に控えたスター女優3人の心の不安が、過去の想起や暴露を通して描かれる。夢や幻想、過去といった場面を多彩なキャメラ技術で大胆かつ厳格に切り取った長谷川元吉は、吉田作品でスチル撮影から本篇のキャメラマンへとキャリアを積み、本作の後も原田真人作品や『私をスキーに連れてって』(1987、馬場康夫)などで活躍した。
25鉄砲玉の美学(97分・35mm・カラー)
- 2019年7月27日(土) 1:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2019年8月28日(水) 7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
自身の破滅と引き換えに拳銃と百万円を手にしたテキ屋が、身の丈に合わない欲望を満たそうとあがく姿を鮮烈に描いた作品。惨めな過去や死の恐怖に怯えながら、虚勢を張って突っ走り、どこか憎めない調子の良さも併せ持つチンピラ役を、渡瀬恒彦が見事に演じる。同年に公開された『仁義なき戦い』と共に、やくざ映画の転換を象徴する作品でもある。ニュープリントによる上映。
26日本妖怪伝 サトリ(100分・35mm・カラー)
- 2019年7月12日(金) 7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2019年8月4日(日) 4:00 PM@長瀬記念ホール OZU
人間の心中を言い当てる民話の妖怪「サトリ」を現代に甦らせた意欲作。岩波映画出身の高木隆太郎は、記録映画『沖縄列島』(1969)や本作の東陽一、水俣病の記録を志した土本典昭に伴走し、製作会社青林舎をベースに自主製作のプロデューサーという茨の道を力強く開拓した。また本作は、田村正毅にとって初めての劇映画だが、緑魔子と河原崎次郎が旅に出るシーンなどで特に優れた撮影を見せている。ニュープリントによる上映。
28脱獄・広島殺人囚(97分・35mm・カラー)
- 2019年7月27日(土) 4:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2019年8月23日(金) 3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
逮捕されては脱獄を繰り返す男の執念を描いた中島貞夫作品で、看守を騙す手口や警官との追っかけが詳細かつテンポよく描かれ、スラップスティック的な爽快さに満ちている。久々の東映映画主演となった松方弘樹の生命力溢れるアクションが全篇で炸裂、一瞬たりとも目が離せない。日活ニューフェイスからフリーとなり、やくざ映画の脇役などで印象深い名和宏(本作での表記は広)が、看守役を演じる。ニュープリントによる上映。
27青春の蹉跌(84分・35mm・カラー)
- 2019年7月6日(土) 1:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2019年8月13日(火) 3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
石川達三のベストセラー小説をもとに、安保闘争後の若者の虚無と焦燥を描いた神代辰巳初の一般映画。ザ・スパイダースのギタリストを経て映画、TVドラマの音楽も手がけた井上堯之は、萩原健一とは繰り返しタッグを組む無二の親友だった。宝塚歌劇出身の上月左知子は、檀ふみの母親役を演じている。
30メカゴジラの逆襲(83分・35mm・カラー)
- 2019年7月7日(日) 4:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2019年8月7日(水) 3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
『ゴジラ対メカゴジラ』(1974、福田純)のヒットを受けて製作された続篇。新兵器を装備して甦ったメカゴジラがチタノザウルスとともにゴジラに襲い掛かる。青木利郎は『地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン』(1972)から本作まで、「ゴジラ」シリーズの特撮シーンの美術監督として活躍。特に山岳地帯のセット作りを得意とした。またゴジラの新シリーズ第1作となった『ゴジラ』(1984、橋本幸治)にも特撮技術美術として参加している。
29宵待草(96分・35mm・カラー)
- 2019年7月6日(土) 4:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2019年8月29日(木) 3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
大正末期頃、二人のアナキスト(高岡、夏八木)と、彼らが誘拐した華族令嬢(高橋)の不思議な逃避行を描く。政治と性愛が、互いに分かち難い遊戯のようなものとしてとらえられる点が神代辰巳らしい。弘前でロケ撮影が行われ、幟や看板といった小道具が大正期を効果的に演出。横尾嘉良は、新東宝を経て1955年に日活美術部に移籍。数多くの日活作品の美術を手がけ、独立後も相米慎二や小栗康平の作品で手腕を発揮した。
33女高生 夏ひらく唇*(69分・35mm・カラー)
- 2019年7月14日(日) 5:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2019年8月30日(金) 7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
太田あや子のデビュー作で、田舎に暮らす女子高校生・笑子(太田)が、かつて駆け落ちして家を出た姉(三崎)と元担任教師(井上)を探しに上京し、ひと夏の経験を得るさまを描く。米田実は1960年日活入社、『ホールインラブ 草むらの欲情』(1979、林功)で撮影監督として一本立ちし、本作以降は加藤彰監督と多くコンビを組んだ。ニュープリントによる上映。
31華麗なる追跡(83分・35mm・カラー)
- 2019年8月3日(土) 1:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2019年8月27日(火) 3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
志穂美悦子が危険なアクションと見事な変装で魅せる娯楽映画。無実の罪を着せられ死んだ父の汚名を雪ぐため、諜報員となった忍(志穂美)が悪の組織と戦う。組織のボスの片腕・尾野沢を演じ、クライマックスで激しい格闘も披露する石橋雅史は、1970年代の東映の空手映画で説得力のある敵役を演じ、その後も多くのTV時代劇などで活躍した。ニュープリントによる上映。
32実録三億円事件 時効成立(89分・35mm・カラー)
- 2019年8月3日(土) 4:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2019年8月22日(木) 3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
東京・府中で1968年に起きた3億円強奪事件の公訴時効(7年)が成立する直前に合わせて製作公開された作品。清水一行の取材ノートを基に、真犯人を想像しながら石井輝男と小野竜之助が脚本を作った。映画前半では夫婦(岡田、小川)の犯罪実行とその隠蔽が、後半では刑事(金子)の執念深い捜査活動が中心に描かれる。小野は他に『新幹線大爆破』(1975、佐藤純彌)などの脚本も手がけた。ニュープリントによる上映。
34お葬式[再タイミング版](124分・35mm・カラー)
- 2019年7月13日(土) 4:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2019年8月27日(火) 7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
父親の葬儀を執り行うことになった俳優夫妻(山崎、宮本)と弔問客たちの滑稽にしてやがて悲しき人間模様をとらえた、伊丹十三監督の長篇第1作。長年名脇役として活躍した菅井きんが一世一代の名演を披露。伊丹映画の常連・津川雅彦は精神科医に扮し、少ない出番ながら自然な存在感で場面をさらう。今回初めて上映するプリントは、前田米造キャメラマン及びチーフ助手の福沢正典キャメラマン監修のもと、当時本作のタイミング(色彩補正)を担当した鈴木美康(当館技術職員)による技術的助言を得て、現役のタイミングマンが公開当時に限りなく近い色彩を再現したものである。
*各回、上映前に当館研究員による解説がございます(約5分)
35あなたはシルック
アリサ ヒトから人間への記録(計103分)
- 2019年7月26日(金) 3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2019年8月11日(日) 1:00 PM@長瀬記念ホール OZU
あなたはシルック(24分・35mm・カラー)
東レ株式会社の繊維「シルック」のPR映画。男女の出会いと別れの物語が語られるなかで、シルックの特徴が描かれる。監督の小松範任は1959年に東映に入社、69年にTV番組の制作会社・東映東京制作所に所属となったのちは、主にTVドラマの演出を手掛けた。また、撮影所で働く労働者の権利闘争にも長年携わっていた。ニュープリントによる上映。
アリサ ヒトから人間への記録(79分・16mm・カラー)
山崎定人監督の記録映画「さくらんぼ坊や」シリーズ(1978-85)の撮影フィルムを元に製作された作品。保育園に通う女の子アリサが、生後6か月から6歳11か月になるまでを追う。劇映画、記録映画を問わず撮影監督を務めてきた山本駿のキャメラが、予測不能な子どもたちの動きを俊敏にとらえ、ひとりの人間の成長をあますことなく伝えている。ニュープリントによる上映。
36宙ぶらりん*
未亡人セックス─熟れ盛り─*(計127分)
- 2019年7月19日(金) 7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2019年8月18日(日) 1:00 PM@長瀬記念ホール OZU
宙ぶらりん*(64分・35mm・カラー)
結婚に踏み切れず、同棲を続ける一組のカップル(恩田、ゆき)のそれぞれに新しい異性が現れる。二人の日常にはさざなみが立つが、やがて思いがけぬ鮮やかな結末が訪れる。堀禎一監督がデビュー作にして、成人映画という枠の中で男と女の繊細な心の動きをすくい上げた。公開時の題名は『SEX配達人 おんな届けます』。
未亡人セックス ─熟れ盛り─*(63分・35mm・カラー)
新東宝のセールス社員(土田)と彼の周囲の人間模様を描いた、ピンク映画のメロドラマ。さりげなく挿入される映画業界の現状に対する批判も含め、全篇に映画愛がにじむ。ハイテンションな演技で忘れがたい主役のジミー土田は、渡辺元嗣作品の常連俳優であり、数多くのピンク映画に出演した。
37弾丸ランナー(81分・35mm・カラー・英語字幕付)
- 2019年7月16日(火) 3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2019年8月16日(金) 7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
俳優サブ(現・SABU)の初監督作品。銀行強盗を企む安田(田口)が変装用にマスクを万引きしようとしたことから、店員の相澤(DIAMOND☆YUKAI)や、やくざの武田(堤)も巻き込んだ追跡劇が始まる。3人がひたすら走り続けるなかで、それぞれの苦悩が浮かび上がる。製作の中村雅哉はナムコ創業者。1993年に事実上倒産した日活を買収し、自ら社長となり再建に尽力した。
38脳と潰瘍
伝説の舞姫・崔承喜 金梅子が追う民族の心(計118分)
- 2019年8月11日(日) 4:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2019年8月21日(水) 7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
脳と潰瘍(22分・35mm・カラー)
サイエンス映像の製作で半世紀以上の歴史を持つヨネ・プロダクション初期の医学映画。その前衛的な電子音楽は、即興音楽集団「タージ・マハル旅行団」やマース・カニンガム舞踊団での活動で知られた作曲家小杉武久の知られざる仕事である。
伝説の舞姫・崔承喜 金梅子が追う民族の心(96分・16mm・カラー)
美術や伝統芸能の記録作品に優れた技量を持ち、後年は日本近代史における女性の活躍を追った長篇群で知られる先駆的女性ドキュメンタリー監督のひとり、藤原智子監督の意欲作。現代韓国舞踊の旗手金梅子を案内人として、戦前日本の文化人を魅了した伝説の朝鮮人ダンサー崔承喜の波乱の生涯を掘り起こした。ニュープリントによる上映。
39犬 走る DOG RACE(110分・35mm・カラー)
- 2019年7月16日(火) 7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2019年8月21日(水) 3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
刑事・中山(岸谷)と在日コリアンの情報屋・秀吉(大杉)、そして中山の恋人・桃花(冨樫)の3人を軸に、新宿裏社会の狂騒を描く。大杉漣はピンク映画や学生映画、オリジナルビデオもふくめ生涯400本以上の映画に出演し、80年代以降の日本映画を支え続けた。2001年に出版された自伝では、キャリアのなかで一番好きなシーンとして、本作の工場廃液に実際に浸った場面を挙げている。
41NAGISA なぎさ(89分・35mm・カラー)
- 2019年7月17日(水) 3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2019年8月20日(火) 7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
日活ロマンポルノの中でもハードコアな作品に定評のあった小沼勝監督が初めて演出した児童映画で、日活時代からの小沼の盟友にして、製作会社フィルム・シティを率いる半沢浩がプロデュースした。真夏の湘南を舞台に12歳の少女の冒険心やほのかな恋心を描き出し、ベルリン国際映画祭のキンダーフィルムフェスト(児童映画部門)で見事グランプリを受賞した。
*7/17(水)3:00pmの回は、上映前に小沼勝監督、主演の松田まどかさと佐々木和徳さんによる挨拶があります。
*8/20(火)7:00pmの回は、上映前に松田まどかさんと片桐夕子さんによる舞台挨拶があります。
40ホーホケキョ となりの山田くん(103分・35mm・カラー)
- 2019年7月17日(水) 7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2019年8月4日(日) 1:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2019年8月29日(木) 7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
いしいひさいちの4コマ漫画を原作に、三世代5人家族の日常を描いた高畑勲作品。通常の3倍の動画枚数を使い、全篇を通じて色の塗り残しやはみ出しのある水彩画のような映像を実現。日常の一コマにこれまでにないユーモラスな温かみが加わった。高畑の遺作『かぐや姫の物語』(2013)に受け継がれる革新的な映像表現となっている。ニュープリントによる上映。
43ペコロスの母に会いに行く(113分・DCP・カラー)
- 2019年7月25日(木) 7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2019年8月25日(日) 4:00 PM@長瀬記念ホール OZU
認知症の母みつえ(赤木)と息子ゆういち(岩松)のドタバタな日常が描かれるとともに、みつえの苦難に満ちた半生が、母子の記憶を通して立ち現れる。赤木春恵は1940年に松竹にニューフェイスとして入社し、映画やTVで活躍。本作は赤木の89歳(公開当時)での映画初主演作で、2013年度の「キネマ旬報ベスト・テン」で見事1位を獲得した。
42私は猫ストーカー(103分・DCP・カラー)
- 2019年7月30日(火) 7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2019年8月25日(日) 1:00 PM@長瀬記念ホール OZU
古書店で働くイラストレーターのハル(星野)は、近所に出没する猫たちと触れ合うのが趣味。そんな彼女と周囲の人々に起きる、ささやかだけれど重大な事件の数々。やわらかな日常を不意にずらして見せる鈴木卓爾監督独自の世界を、大胆に光を取り入れつつ谷根千(谷中・根津・千駄木)の風景をとらえるキャメラと、人と猫の足取りを模すかのような、軽やかで優しい音楽とが支える。今回、デジタル原版から新たにDCPを作製した。
◆木下忠司(1916-2018)
浜松市生まれ。兄に木下惠介監督、妹に脚本家の楠田芳子がいる。木下惠介の『わが恋せし乙女』(1946)で映画音楽家としてデビュー。以降、松竹や東映作品をはじめ、膨大かつ多岐にわたるジャンルで480本以上の映画音楽を手がけた。2016年には当館にて特集上映「生誕100年 木下忠司の映画音楽」を開催した。
44天までとどけ
白蛇伝[デジタル復元版](計105分)
- 2019年7月21日(日) 1:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2019年8月20日(火) 3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
「天までとどけ」は、木下忠司と関根光致子夫妻のプロダクション・K&Sによって制作されたTVアニメ「赤い鳥のこころ 日本名作童話シリーズ」の第1話。木下は本篇の音楽に加え、オープニングとエンディングの主題歌も作曲。演出と原画を担当した椛島義夫は、東映動画からAプロダクション(現シンエイ動画)に移籍、主に東京ムービー作品で作画を担い、後にはアニメーション制作会社・夢弦館を立ち上げた。日本初の長篇カラーアニメーション『白蛇伝』では、キャラクターの動きに合わせて自在に表情を変える木下の音楽が堪能できる。2018年に東映所蔵オリジナルネガを4Kスキャン・修復して作製した4KDCP(冒頭に2分の復元デモを含む)を世界で初めて上映する。(デジタル復元:東映株式会社、東映アニメーション株式会社、国立映画アーカイブ 復元作業:東映ラボ・テック株式会社、東映デジタルセンター)
*7/21(日)1:00pmの回の前売券は完売しました。当日券(200枚ほど)をご利用ください(7/20更新)
*8/20(火)3:00pmの回は、上映前に当館研究員による解説がございます(約5分)
天までとどけ(24分・16mm・カラー)
白蛇伝[デジタル復元版](81分・DCP・カラー)
45泣いてたまるか 定期便の源さん(87分・35mm・カラー)
- 2019年7月21日(日) 4:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2019年8月16日(金) 3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
TVドラマ「泣いてたまるか」(1966-68)の映画版で、坂上二郎が主演し、木下忠司作曲の主題歌「泣いてたまるか」も歌っている。長距離トラック運転手の源太郎(坂上)は、東京まで乗せてあげた弘子(榊原)に恋をしてしまう。山田洋次作品などの脚本で知られる宮崎晃は本作で監督デビュー。その後、TVアニメ「世界名作劇場」の脚本家としても活躍した。ニュープリントによる上映。
47影の車(98分・35mm・カラー)
- 2019年7月23日(火) 3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2019年8月17日(土) 4:00 PM@長瀬記念ホール OZU
未亡人(岩下)と道ならぬ恋に落ちた浜島(加藤)だが、ある恐怖に次第にさいなまれ始める。橋本は過去と現在とを執拗に交錯させ、観る者を恐怖の核心へと導いた。原作は松本清張が1961年に発表した短篇「潜在光景」。これが映画初主演作である加藤剛は、こののち、同じ監督・脚本コンビによる『砂の器』(1974)と三村晴彦監督の『天城越え』(1983)という、2本の清張原作映画にさらに出演した。
◆橋本忍(1918-2018)
兵庫県神崎郡鶴居村(現・神崎郡市川町)生まれ。伊丹万作に弟子入りし、『羅生門』(1950、黒澤明)で脚本家デビュー。以後、黒澤作品をはじめ、数々の名作のシナリオを執筆する。1973年には橋本プロダクションを設立し、『砂の器』(1974、野村芳太郎)を製作するなど映画界に新風を送り込んだ。監督としても3本の作品を撮った。
46南の風と波(90分・35mm・白黒)
- 2019年7月18日(木) 7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2019年8月17日(土) 1:00 PM@長瀬記念ホール OZU
『私は貝になりたい』(1959)に続く、橋本忍の監督第2作の群像劇。小漁村の機帆船が遭難し、5人の乗組員が失われたことから、彼らの家族や恋人もまた生の均衡を狂わせていく…。複数の家庭の老若男女を類型的でない「個」として書き分けながら、彼らを交錯させ葛藤を生み出していく脚本の膂力は突出しており、生き続けることの苦しさをじっくり見つめる抑制された演出も素晴らしい。映画監督としての橋本忍の再評価を迫る1本。ニュープリントによる上映。
48すべてが狂ってる(71分・35mm・白黒)
- 2019年7月4日(木) 7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2019年8月24日(土) 1:00 PM@長瀬記念ホール OZU
“ビート族”と呼ばれた若者の風俗を反映しつつ、社会の抑圧に反抗する少年と更生を諭す大人たちの断絶を描く破滅的な青春映画。日活時代の鈴木清順作品で個性を開花させた川地民夫が不良少年を熱演。穂積隆信は新聞記者役で印象を残す。前衛的なジャズサウンドを押し出した劇伴は、〈モダンジャズ3人の会〉を結成し、「11PM」などTV音楽も手がけた三保敬太郎と前田憲男が担当。ニュープリントによる上映。
49ピストルオペラ(112分・35mm・カラー)
- 2019年7月24日(水) 7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2019年8月24日(土) 4:00 PM@長瀬記念ホール OZU
長篇映画としては10年の沈黙を経て、フィルム・アーティスト鈴木清順の復活を告げた一篇。殺し屋組織内の争いを描く点では日活時代の『殺しの烙印』(1967)の後日譚の趣を持つが、絢爛たる色彩やシーンの飛躍、アクションの奇抜さなどは、観客の期待のさらに先を行く驚きに満ちている。ニュープリントによる上映。
◆鈴木清順(1923-2017)
東京生まれ。本名は鈴木清太郎。1948年、松竹大船撮影所に助監督として入社後、1954年に日活移籍。1956年に監督デビューを果たし、『けんかえれじい』(1966)など個性的な作品を次々に監督。1967年の『殺しの烙印』の奇抜さが当時の日活社長の逆鱗に触れ解雇されるが、その後もフリーとして『ツィゴイネルワイゼン』(1980)などを発表。独特の映像表現は海外でも名高い。
◆沢島忠(1926-2018)
滋賀県愛知郡湖東町(現・東近江市)生まれ。1950年、東横映画に入社。1957年の『忍術御前試合』で監督デビュー。美空ひばり主演のミュージカルなど、モダンな感性を東映時代劇に導入した。任俠映画の嚆矢とされる『人生劇場 飛車角』(1963)の監督としても知られる。舞台の脚本・演出家としても大きな足跡を残した。
50家光と彦左と一心太助(93分・35mm・カラー)
- 2019年7月25日(木) 3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2019年8月31日(土) 1:00 PM@長瀬記念ホール OZU
沢島忠=中村錦之助コンビの代表シリーズ「一心太助」の第4作。「入れ替わり」を書かせたら右に出る者はいない小国英雄の卓抜なシナリオを得て、錦之助が世継ぎの若様・徳川家光と日本橋の気風が良い魚売り・一心太助を気持ちよく演じ分け、沢島の演出も緩むことなく快調なテンポで駆け抜ける。赤木春恵は太助の近隣に住む内儀の役。
51女の花道(103分・35mm・カラー)
- 2019年7月31日(水) 7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2019年8月31日(土) 4:00 PM@長瀬記念ホール OZU
美空ひばりの芸能生活25周年記念映画で、『ひばり捕物帖 かんざし小判』(1958)以来、ひばりから絶大な信頼を得ていた沢島が脚本と演出にあたった。幕末を舞台に、出雲の巫子(美空)が踊りと舞いを極めていく芸道映画。ラスト、動乱で疲弊しきった避難民たちを歌と踊りで勇気づけるひばりの姿は、本作の25年前、敗戦後の焼け跡に希望の歌声を響かせた8歳の少女の姿と重なるだろう。ニュープリントによる上映。
◆松本俊夫(1932-2017)
名古屋市生まれ。1950年代中頃より新理研映画などで記録映画を撮る一方、精力的に映画理論活動を展開し、映画人たちに多大な影響を与えた。その後もPR映画や実験映画、またビデオアートやTV、演劇等で多彩に活躍し、海外映画祭でも多くの賞を獲得した。1969年には『薔薇の葬列』で長篇劇映画にも進出。大学において多くの後進映像作家を育てた功績も大きい。
52西陣
氣 KI or BREATHING
コミュニティ・ライフ(計67分)
- 2019年7月28日(日) 1:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2019年8月15日(木) 7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
松本俊夫の短篇を集めたプログラム。『西陣』は、音楽や機のリズミカルな音、詩的なテキストの朗読などを映像に拮抗させることによって、京都に根差す伝統産業の現在を浮かび上がらせようとする。『氣 KI or BREATHING』は、磯崎新プロデュースによる海外での展覧会「日本の時空間〈間〉」で上映された実験映画で、日本文化における「間」の概念の視覚化を試みた。『コミュニティ・ライフ』は静岡県・三島市の新興住宅地「パサディナタウン」を紹介するPR映画。
西陣(25分・16mm・白黒)
氣 KI or BREATHING(29分・16mm・カラー)
コミュニティ・ライフ(13分・35mm・カラー)
53十六歳の戦争(92分・35mm・カラー)
- 2019年7月28日(日) 4:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2019年8月30日(金) 3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
松本俊夫が、フォークシンガー下田逸郎の曲「陽の当たる翼」に乗せて描いた意欲作で、1945年8月7日の豊川海軍工廠への大空襲の悲劇が、28年後の若い男女の恋愛と交錯しながら描かれる。1973年に製作され、その時点では秋吉久美子の映画初主演作だったが、難解との理由で公開は3年後となった。
◆津川雅彦(1940-2018)
京都市生まれ。父は澤村国太郎、母はマキノ省三の娘・恵美子(女優・マキノ智子)、兄は長門裕之。幼少時より澤村マサヒコ、加藤雅彦の名で映画出演。『狂った果実』(1956、中平康)以後、津川雅彦として本格的に俳優活動を開始。マキノ雅彦名義で『寝ずの番』(2006)など3本の監督作がある。
54バナナ(90分・35mm・カラー)
- 2019年7月5日(金) 3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2019年9月1日(日) 12:00 PM@長瀬記念ホール OZU
日活作品『狂った果実』で人気爆発、学業を捨て俳優として生きる決意をした津川雅彦が、松竹移籍後に出演した作品の一つ。当時の風俗と、画面を彩る和洋中の料理も目に楽しいコメディ。台湾出身の富豪を父に持つ大学生を演じる津川は、自由闊達なサキ子役の岡田茉利子ともども、新世代の若者を明るい魅力で体現。タイトルバックに流れる主題歌を、朝丘雪路と高島忠夫がデュエットで歌う。
550.5ミリ(197分・DCP・カラー)
- 2019年7月30日(火) 2:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2019年9月1日(日) 3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
派遣先で事件に巻き込まれて職も家も失った介護ヘルパーのサワ(安藤)は、ワケあり老人の家を渡り歩く生活を始める。津川雅彦は、複雑な内面を持つ元教師の老人を諧謔性をまじえて演じ、報知映画賞助演男優賞を受賞。彼の妻(草笛)を介護するヘルパーを、角替和枝が絶妙に演じる。安藤サクラはこの作品と『百円の恋』(武正晴)で、2014年の有力映画賞の女優賞を独占した。
■作品によって開映時間が異なりますのでご注意ください。
■*印は当該の上映回に女性専用席を設けます。
2019年6月29日(土)
11:00 AM 開館
2019年6月30日(日)
11:00 AM 開館
2019年7月2日(火)
11:00 AM 開館
2019年7月3日(水)
11:00 AM 開館
2019年7月4日(木)
11:00 AM 開館
2019年7月5日(金)
11:00 AM 開館
2019年7月6日(土)
11:00 AM 開館
2019年7月7日(日)
11:00 AM 開館
2019年7月9日(火)
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2019年7月10日(水)
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2019年7月11日(木)
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2019年7月12日(金)
11:00 AM 開館
2019年7月13日(土)
11:00 AM 開館
2019年7月14日(日)
11:00 AM 開館
2019年7月16日(火)
11:00 AM 開館
2019年7月17日(水)
11:00 AM 開館
2019年7月18日(木)
11:00 AM 開館
2019年7月19日(金)
11:00 AM 開館
2019年7月20日(土)
11:00 AM 開館
2019年7月21日(日)
11:00 AM 開館
2019年7月23日(火)
11:00 AM 開館
2019年7月24日(水)
11:00 AM 開館
2019年7月25日(木)
11:00 AM 開館
2019年7月26日(金)
11:00 AM 開館
2019年7月27日(土)
11:00 AM 開館
2019年7月28日(日)
11:00 AM 開館
2019年7月30日(火)
11:00 AM 開館
2019年7月31日(水)
11:00 AM 開館
2019年8月1日(木)
11:00 AM 開館
2019年8月2日(金)
11:00 AM 開館
2019年8月3日(土)
11:00 AM 開館
2019年8月4日(日)
11:00 AM 開館
2019年8月6日(火)
11:00 AM 開館
2019年8月7日(水)
11:00 AM 開館
2019年8月8日(木)
11:00 AM 開館
2019年8月9日(金)
11:00 AM 開館
2019年8月10日(土)
11:00 AM 開館
2019年8月11日(日)
11:00 AM 開館
2019年8月13日(火)
11:00 AM 開館
2019年8月14日(水)
11:00 AM 開館
2019年8月15日(木)
11:00 AM 開館
2019年8月16日(金)
11:00 AM 開館
2019年8月17日(土)
11:00 AM 開館
2019年8月18日(日)
11:00 AM 開館
2019年8月20日(火)
11:00 AM 開館
2019年8月21日(水)
11:00 AM 開館
2019年8月22日(木)
11:00 AM 開館
2019年8月23日(金)
11:00 AM 開館
2019年8月24日(土)
11:00 AM 開館
2019年8月25日(日)
11:00 AM 開館
2019年8月27日(火)
11:00 AM 開館
2019年8月28日(水)
11:00 AM 開館
2019年8月29日(木)
11:00 AM 開館
2019年8月30日(金)
11:00 AM 開館
2019年8月31日(土)
11:00 AM 開館
2019年9月1日(日)
11:00 AM 開館
当日券(発券=2階受付)
料金:一般520円/高校・大学生・シニア310円/小・中学生100円/障害者(付添者は原則1名まで)、国立映画アーカイブのキャンパスメンバーズは無料
◆当日券でご入場される方には、開館と同時に、当日上映される全ての回の入場整理券を1階ロビーにて発券します。
・各回の開映後の入場はできません。
・当日券の発券は、定員に達し次第締切ります。
・学生、シニア(65歳以上)、障害者、国立映画アーカイブのキャンパスメンバーズの方は、証明できるものをご提示ください。
・当日券の発券は各回1名につき1枚のみです。
入場方法
①前売券をお持ちの方は、開場時(開映30分前)に、前売券に記載された整理番号順にご入場いただけます。
②その後は、当日券の整理券をお持ちの方が、整理番号順にご入場いただけます。前売券をお持ちの方は、随時ご入場いただけます。
・前売券・当日券は当日・当該回のみ有効です。
前売券
6月15日(土)10時より、チケットぴあにて全上映回の前売券(全席自由席・各100席分)を販売します。
[Pコード:550-012]
前売料金:一般520円/高校・大学生・シニア310円/小・中学生100円
・別途発券手数料がかかります。
・各回の開映後の入場はできません。
・学生、シニア(65歳以上)の方は証明できるものをご提示下さい。
前売券の購入方法
[Pコード:550-012]
チケットぴあ店舗、セブン-イレブンで購入
6月15日(土)より各プログラムの前日まで
⇒前売料金に加え、1枚につき発券手数料108円がかかります。
受付電話(0570-02-9999)で購入
6月15日(土)より各プログラムの4日前23:59まで購入可能
⇒前売料金に加え、1枚につき発券手数料108円がかかります。
※毎週火・水2時30分~5時30分はシステムメンテナンスのため受付休止となります。
チケットぴあのサイト(http://w.pia.jp/t/nfaj-yukeru/)で購入
購入時期によってご利用可能な決済方法が異なります。
⇒前売料金に加え、1枚につき発券手数料108円、また決済方法によって1件につき決済手数料がかかる場合があります。
※チケットぴあの手数料等については、チケットぴあHPのヘルプ、利用料一覧の頁をご覧ください。
本前売券の購入に、システム利用料(通常216円/枚)はかかりません。
前売券の払い戻し、交換、再発行はいたしません。
7/21(日)1:00pm「天までとどけ」と『白蛇伝』[デジタル復元版]上映の回の前売券は完売しました。当日券(200枚ほど)をご利用ください。(7/20更新)
入場方法
①前売券をお持ちの方は、開場時(開映30分前)に、前売券に記載された整理番号順にご入場いただけます。
②その後は、当日券の整理券をお持ちの方が、整理番号順にご入場いただけます。前売券をお持ちの方は、随時ご入場いただけます。
・前売券・当日券は当日・当該回のみ有効です。
企画上映「逝ける映画人を偲んで」の歴史
「逝ける映画人を偲んで」は、当館で現在も続く上映企画としては最も古いものです。その最初の上映会「特集・逝ける映画人を偲んで」は、昭和49(1974)年6月20日から7月4日まで、のべ13日間開催され、ジョン・フォードやジャン=ピエール・メルヴィル、アンナ・マニャーニといった外国の映画人8名と、森雅之や坂本武ら日本の映画人5名の計13名を、13作品の上映で偲びました*。下に掲載したのは、その時のチラシです。
「特集・逝ける映画人を偲んで」(1974年)上映会のチラシ
チラシ冒頭では、次のように趣旨を説明しています。
映画史に光彩を放った秀作の創造に大きく貢献し、近年(1973~74)惜しまれつつ逝去された内外の映画監督、ならびに俳優を偲んで、それぞれの代表的作品により生前の業績を回顧することとし、ここに「特集・逝ける映画人を偲んで」を企画開催いたします。
ひろく映画愛好者のかたがたの御鑑賞をおすすめします。
本上映会のこの趣旨は、現在も基本的に変わっていません。本上映会はその後、対象とする映画人を、監督や俳優のみならず製作の各パートのスタッフに拡大し、採り上げる人数も増やしていきますが、外国映画の上映プリントの多くを国内からの借用に頼っていたこと、また、当館のナショナル・フィルムアーカイブとしての役割の拡大に伴い、1986年からは日本の映画人だけを対象にするようになります。2007年以降は2年に1回の周期で開催しています。今年の「逝ける映画人を偲んで2017-2018」は通算で29回目の開催となり、今までに追悼した映画人(今年を含む)は計1,126名、上映作品は1,225作品にのぼります。
近年(2007~17年)の「逝ける映画人を偲んで」の上映会チラシ(NFCカレンダー)
*なお、前年の昭和48(1973)年10月2日に、その年の8月に逝去したジョン・フォード監督を偲び、臨時に「ジョン・フォード監督の回顧上映」を1日だけ開催している(上映作品は『アイアン・ホース』〔1924年〕)。
〈参考文献〉
岡島尚志「追悼の回顧 「特集・逝ける映画人を偲んで」とフィルムセンターの歴史」『NFCニューズレター』第122号(2015年8月-9月号)、2頁。
『東京国立近代美術館 年報』各号
『NFCニューズレター』各号
「NFCカレンダー」該当号
(2019年7月18日更新)